米サンダースの叫び!<本澤二郎の「日本の風景」(3978)

<経済的苦境と貧困と2400万人が健保未加入のアメリカ立て直しが急務>

米国議会きっての戦闘的リベラリストであるバーニー・サンダース上院議員がメディアに寄稿したので、その一部を抜粋、紹介したい。彼は民主党大統領候補選挙で、バイデンと最後まで戦って敗れたが、もしも彼が大統領になっていたら、ケネディやカーターを超えるような立派な実績を残したはずである。


 彼の選挙戦を支援したのは、学生や若者らである。自身若くはないが、彼の政治理想は、道徳的にも経済的にも衰退したアメリカを、再生するための処方箋があった。弱者への熱い視線である。このことに関して、決して妥協しようとしなかった。


 今のアメリカを「経済的苦境と貧困に覆われている」と分析するサンダース。2400万人が健康保険未加入というアメリカに目を向けるサンダース。病院にも行けないアメリカ人が2400万人もいるという。そこに新型コロナウイルスの襲来のアメリカである。


 核やミサイル・空母保有の軍事大国も、国内が荒れてすさんでいる、超格差社会である。海外に軍事基地と、軍隊を駐留させる余裕などない。中国の李克強も6億人の貧困者を明らかにしている。武器弾薬よりも貧困との戦いが、人類に課せられているのである。サンダースの視線を、バイデンが共有、生かすことが出来るのか?

 疑問である。トランプ弾劾も、右翼保守の共和党の反対でしぼんでしまった、アメリカ議会の民主主義再生も危うい。


<弱者に目を向ける戦闘的リベラリストの真骨頂=自公の日本も見習え>

 古来より、国が困窮した場合は、真っ先に武器弾薬を捨てて、国民生活に回せと諭している。これが常識的な国家運営である。これに違反している自公の日本である。共に右翼化して恥じない。


 改憲軍拡で、民を救済することは不可能である。武器弾薬で太るのは、財閥である、死の商人である。この分かりきった理屈を、いまの自民党は分かっていない。野党も、政府の軍拡予算にブレーキをかけようとしない。公明党に至っては、自民党の軍拡予算を支持、推進している。狂気の政界である。


 日本もダメだが、アメリカの前途も厳しい。悲しいかな、博打の株バブルで共に沈んでしまうだろう。安倍も菅も万死に値する。コロナ退治に成功する見通しは、全くついていない。それで五輪強行と言い張るばかりだ。


 とことん弱者に目を向ける政治が、今ほど求められている時はないではないか。世界恐慌とコロナ襲来を克服するためには、武断政治は否定されなければならないが、その見本を示せる国が存在しない今の地球である。


 アメリカは、バーニー・サンダースの政治理想を生かせないことから、結果的に世界各国に、さらなる貧困と経済的苦境をまき散らすことになる。トランプを追放したものの、先行きは暗い。


 第一、バイデンがサンダースを起用しない、狭量な政治家だったことが、わびしくも悲しい。


<バイデンも対応不能に陥る危険性が大きい=東アジアに影響大>

 「バイデンがアメリカのリスク」とのワシントン伝は、確かに一理あろう。


 ホワイトハウスの闇の権力というと、元将軍大統領のアイゼンハワーが指摘したように産軍複合体である。武器弾薬・死の商人が暗躍するアメリカ政治に歴代の大統領は、苦渋の選択を強いられてきた。産軍体制を凌駕した大統領は、これまで存在しない。バイデンもその一人となろう。


 特に外交・安全保障面で影響が出てくる。狙われるのはアジア戦略、とりわけ東アジアが標的にされよう。台湾も、である。日本の岸・防衛省はそのための布石が目立つ。馬毛島基地化は、第二の辺野古問題として浮上してきている。


<2年後の中間選挙で大敗する民主党?>

 「アメリカのリスク・バイデン」によって、2年後の中間選挙で民主党が議席を大きく減らす可能性が強い。

 そもそも2400万人が自由に病院に行けない社会が、どうしてコロナを乗り切れるのか?大不況とコロナの地球で、同盟の名の下に、争い拡大している暇があろうか。


 同盟を悪用することで、気に食わない国を、叩きあう事の愚を悟るべきだろうが、現実は理性が作動する気配がない。


<リベラリストのバーニー・サンダースを起用できないアメリカの不幸>

 実力NO2を、重要施策の中枢で働いてもらうことをしない、アメリカの民主主義の限界に、改めて当惑するばかりである。

 サンダースを強く支持してきた、無数の若者の期待を、政治に反映させようとしないアメリカに、失望するばかりである。彼は日本の政治家に当てはめると、それは平和軍縮派の宇都宮徳馬である。戦闘的リベラリストとして、今も語り継がれてきている。


 宇都宮の周囲には、三木武夫や鈴木善幸、土井たか子、河野洋平らが集っていた。日中友好議員連盟・国際軍縮議員連盟など、人類にとって最も大事な施策を地道に推進・活動してきた。

 心がけてワシントンのリベラル派との会談をこなしながら、東アジアの平和と安定に汗を流してきた。いま彼のような政治家は一人もいない。宇都宮に肩を並べられる人物は、一人もいない永田町である。


 そもそもサンダースと仲良く歓談できる人材が一人もいない日本の政界である。護憲リベラルの旗を、高く高く掲げる勇気と正義の政治家が一人もいない、このことが日本の危機なのだ。

2021年1月28日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)



「多くの国民が、子どもたちに与える食料をもらおうと列をなしている。これが米国で今起きている現実だ」。バイデン氏は22日の記者会見でそう訴えた。ディーズ国家経済会議(NEC)議長によると、1月時点でも全米で「3千万人近くが満足に食べられていない」状態だ。CNN)


「面白がって終わりでなく、バーモント州でわれわれは全米に向けスウェットやTシャツを販売しようとしている。売り上げは、私は数百万ドルくらいとみているが、低所得の高齢者向け生活支援プログラムに全額寄付する予定だ。楽しいだけでなく良いことになる」とサンダースは語った。 (ロイター)


<サンダースの怒りの叫び声(CNN)>

新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の結果、我が同胞たる数千万人の市民が職と収入を失った。食事に困窮する事例は過去数十年間で最悪の水準に増加し、4000万人は住居からの立ち退きの瀬戸際にある。連邦政府による賃貸住宅の退去猶予措置が今月末で期限切れを迎えるためだ。我が国の2400万人以上は新型コロナ検査で陽性と診断されているが、米国民の数千万人は健康保険に未加入だったり保障が十分ではなかったりする状況だ。

これほどの経済的苦境と絶望の中、米国民の多くは自分たちの政府への信頼を失ってしまった。また非常にたくさんの人々が、昨年の大統領選の結果に関する虚偽を抵抗なく受け入れている。現状、民主党にとって絶対的に必要なのは、大胆かつ積極的な経済政策をバイデン大統領就任後の100日間で進めることだ。今は物事を小さく考える時ではない。大きな構想を描いて、勤労者世帯――黒人、白人、中南米系、アジア系、ネイティブアメリカンの各世帯――から、民主主義社会では政府が自分たちの求めに応えてくれるという信頼感を回復する時だ。


<バイデンにも死の商人の臭いふんぷん!

http://www.asyura2.com/20/kokusai29/msg/889.html


<「東京五輪招致に贈収賄疑惑捜査が継続」とロイター通信>

ロイターは五輪の東京招致を巡り、当時の招致委員会から電通の元幹部の会社や嘉納治五郎センターなどに、使途が明確でない多額の資金が支払われていたことを数度にわたって報じた。東京招致をめぐっては、今なお国際的な贈収賄疑惑の捜査が続いている。

同財団には、招致委員会から約1億4500万円が支払われていることが、ロイターが閲覧した同委の銀行口座記録に記載されている。この銀行口座の記録は日本の検察がフランス側に提供した。