菅も広瀬孝(判事)も失格<本澤二郎の「日本の風景」(3969)

<三兎を追いかける狂った自公内閣の施政方針>

 菅義偉に期待することなど何もない。案の定、通常国会冒頭の施政方針演説で、三匹の兎を追いかける方針を鮮明にして、一部右よりの人たちの希望さえ奪ってしまった。

 コロナと五輪向け経済回転の二兎に加えて、安倍の遺産である改憲軍拡も付け加えた。菅は欲張り爺さんだ。


 世界から物笑いの種になっている「コロナを打ち負かした証」として電通利権の塊である、東京五輪を推進すると公言した。つまりは、コロナに五輪が退治された暁には「退陣する」と公約したものである。


 公明党創価学会との太いパイプで二兎どころか、三兎を捕まえて見せると、捕らぬ狸の皮算用を示して、議場の失笑を買った。「菅で選挙は戦えない」と前自民党選対本部長が、横やりを入れるのも当然であろう。


 「相手はハマのやくざではない。有権者相手では、菅は4月を待たずに引きずり降ろされるだろう」との予測も飛び出している。


<典型的ヒラメ判事に泣かされた小島喜久夫さん=市民は忘れまい>

 政治屋首相失格だけではない。広瀬孝という初めて聞く判事も、ヒラメ判事の代表格として、失格の烙印を押されたようだ。


 旧優生保護法の下で、不妊手術を強要された札幌市の小島喜久夫さんの損害賠償請求を、ヒラメ判事が棄却した、それに善良市民が判事判定をしたものなのである。


<良心に従い、独立して職権を行わない判事は罷免の対象か>

 裁判官は、良心に従い、独立して職権を行使するという憲法が、主権者に約束している。広瀬は、このレールをはみ出してしまった。

 判事の出世志向は論外である。なぜ堂々と小島さんの言い分を、正当に判断できなかったのか。許されないだろう。


(以下通信社記事)旧優生保護法(194896年)の下で不妊手術を強制されたのは違法だとして、札幌市の小島喜久夫さん(79)が全国で初めて実名を公表して国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁(広瀬孝裁判長)は15日、小島さんの請求を棄却した。



<政権交代で司法を憲法順守の砦に大改革不可欠>

 韓国の民主政治のすばらしさは、検察も裁判所も右顧左眄することなく、捜査し、判決する司法にある。

 大統領経験者のみならず、大財閥のトップにもメスを入れる。戦後の日本で、財閥への本格捜査はゼロである。田中角栄逮捕は、ワシントンの意向が反映されたもので、本丸の中曽根康弘は逃げ延びてしまった。同じく安倍晋三を、林検察は見逃そうと懸命であるが、そう簡単に主権者が折れることはない。


 検事総長・林真琴を罷免する国民会議が、近く発足する。賛同する市民も増えてきている。警察・検察・判事を監視する国民会議なのだ。


<元参院議員・川上義博が小沢一郎に最後通牒!>

 昨日散歩中に元参院議員の川上義博君が電話をくれた。故郷の鳥取県からだ。「東京は怖くて行けない」という。菅コロナ対策のいい加減さのためだ。


 彼は女優・司葉子の旦那・相沢英之衆院議員の秘書から政界に転じた。出馬する時から、いろいろ相談を受けてきた間柄で、彼のいいところは、小沢一郎にも遠慮せずに諫言できる。逸材である。


 おしゃべりしているうちに小沢のことも話題になった。「今度こそ最後。最後らしく爆発して散るしかない」と差後通牒を突き付けたものだ。


<「勝っても負けても野田や菅ら道連れに引退せよ」の正論>

 余談だが、相沢事務所に行くと、びっくりするような別嬪さんがいて、彼女が事務所を仕切っている印象を受けた。


 確か第一議員会館の7階だった。中曽根の事務所も7階である。ついでに寄ると、くだんの美女が茶を出してくれる。間違っているかどうか、彼女は司葉子が事務所の監視役に送り込んだ女性のようだった?ともかく目が覚めるような美人だった。無事に生きているのかどうか、確かめてみたいものだ。


 「今時、まだ嘘ついて消費税を上げた野田や、菅直人までいる立憲民主党はおかしい。支持率が上がるわけがない。小沢さんが彼らを道連れにして、政界を引退させないと、どうにもならん」「勝っても負けてもだ」と珍しく正論をぶちまくった。


 永田町のぬるま湯につかっている手あかのついた輩は、引退するしかない。鈴付け役が小沢なのだ。


 散歩中、武田川の近くで自生した蠟梅の花が目に入った。淡い黄色の花が、梅の花より一足早く咲くのが、奥ゆかしくも強さを印象付ける。真の野党は、晩秋のころから、しっかりと栄養を蓄えて、霜にも雪にも耐えて、1月には爆発開花するものなのだ。


 憲法を知らない若い右翼も願い下げだが、小沢や二階の時代ではない。老いた衆参議長も、ヒラメ判事を養殖する最高裁長官も卒業して、真の護憲リベラルのリーダーで航海をしないと、この国に菅の言う、安心と希望の日本は来てくれない。

2021年1月19日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)