疑惑の安倍晋三と林検察<本澤二郎の「日本の風景」(3965)

<林検察は国民・主権者に目を向ける全体の奉仕者になれないのか>

 じれったい、本当に泣きたくなるほどじれったい。林検察の,全くやる気を見せない安倍晋三の桜事件捜査に対して、主権者の怒りは水面下で爆発している。一部の新聞は、菅義偉に同情を誘うような記事を流し始めた。


 韓国を見よ、である。朴前大統領が職権乱用の罪で20年の実刑判決を受けた。安倍とトランプは、共に心臓が破裂しそうになったであろうが、民主主義の「法の下の平等」とは、これが当たり前の憲法の立場である。


 そうしてみると、日本の捜査当局・林検察の対応が、いかにも狂っていることが分かろう。安倍もまた、職権乱用罪で実刑20年が相当ということになりかねない。検察の反論を聞きたい。不起訴は許されない。


 全体の奉仕者になれない林検察と安倍・菅との間で「何があったのか」を、とことん調べ上げる責任が、国会と言論、司法にあるだろう。コロナ禍で、何もかもが危機にさらされている今、安倍に格別の配慮をする余地はない。法治は貫かれなければならない。


<ホテル明細書・領収書を提示すると新たな嘘と事件が発覚する>

 安倍の度重なる犯罪のうち、その一つである桜事件の、その一番軽い事件を立件することで、安倍を不起訴にした林検察の対応は、まさに政治的捜査を裏付けて余りあろう。


 検事総長・林真琴は、真っ当な検事ではなかった。検察審査会も、これでは不起訴相当という誤魔化しは出来ない。再捜査による起訴へと進行するだろうが、これ以上の主権者を欺く捜査は許されない。全体の奉仕者として、国民が納得する判断で、再捜査するほかない。その際には、公選法違反・公金の目的外使用での財政法違反、さらには職権乱用罪を適用すべきである。


 野党は、安倍前夜祭でのホテルニューオータニの明細書と領収書の提示を求めている。安倍は、これを拒絶している。提示できないのだ。安倍の大嘘がさらに露見、新たな事件拡大をもたらすからである。


 こんな簡単なことが、なぜできないのか。林検察も露見すると、ごまかし捜査が国民に知られることを恐れているのだろう。主権者はもう騙されない。



<野党は国政調査権を行使して入手できる、なぜしないのか>

 野党は簡単に、これを入手することが出来る。国政調査権を行使すればいい。直ちに行動を起こしたらいい。これ以上、国民をじらすようなことはすべきではない。ホテルに押しかけよ、である。


 「蛇の生殺し」ということなのか。


 コロナ禍による緊急事態宣言で、人々の精神状態も不安定になっている。菅同様に疲れ果て、ストレスが溜まっている。これに野党・言論界がしっかりと対応していく能力がないと、菅沈没だけでは済まないだろう。


 法務検察の無能無責任も、改めて問われ続けている。


<検察が明らかにすると、検察の不起訴処分不当が明らかになる>

 もう多くの国民は分かっている。法務検察と安倍・菅の談合による、安倍不起訴処分であることを。主権者を愚弄するにもほどがあろう。


 安倍事件処理は、検察による法治を自ら破壊する行為である。検察の土台を崩壊させている。違うだろうか。検察不信を自らまき散らしている。なぜ安倍犯罪に肩入れするのか。安倍や菅への恩義があるというのか。そんなことで、検察の本義をドブに捨てられるのか。


 検察官適格審査会での林審査を、繰り返し求めたい。


<桜事件は職権乱用罪であるが、どうか>

 桜事件は、なぜ起きたのか。これは首相犯罪である。公金悪用事件だ。地元選挙区の地盤を培養するための買収工作の一環だった。


 安倍晋太郎のライバル・林義郎の地盤を、そっくり晋三の地盤に塗り替えようとした公選法違反が、根っこにある。それを7年8か月継続してきた晋三の努力も見上げたものだが、それを首相権力を乱用することで、強行してきたものである。


 主権者が有する権力を、安倍晋三という鬼は、自己の選挙区の支持者培養に繰り返し悪用した。文字通りの職権乱用罪で、処罰されねばならない重大事件である。

 韓国では前大統領を、検察は法に従って逮捕、裁判所も法に従って20年の実刑判決をした。二度と繰り返させないための、正義の検察と裁判所だった。

 同じことを日本が出来ないわけがない。立派な憲法もある。ワシントンのトランプも、司法省・FBIそれと地方検事も、行動を起こしている。


 二度と安倍事件を起こしてはならない。そのためにも、検察の公正な捜査を、主権者は厳しく監視を始めている。林検察の生き延びる時間は、わずかに残っている。

2021年1月15日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)


安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日の夕食会の費用を補塡(ほてん)した問題をめぐり、野党の「桜を見る会」追及本部は13日までに、安倍前首相に求めていたホテルの明細書や領収書の提示について、再び拒否する内容の回答があったことを明らかにした。

【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)は14日、大統領在任中に長年の知人と共謀してサムスングループなどから多額の賄賂を受け取った事件と、情報機関・国家情報院から巨額の裏金を受け取った事件で収賄罪や職権乱用罪などに問われた前大統領の朴槿恵(パク・クネ)被告(68)に対する差し戻し審判決で、差し戻し控訴審判決を支持し懲役20年、罰金180億ウォン(約17億円)などを言い渡した。201610月に疑惑の一部が明るみに出てから約43か月で判決が確定した。