安倍晋太郎の火傷<本澤二郎の「日本の風景」(3936)

<手ごわかった二人の秘書=清和会の元大物秘書が証言>

 世の中には物知り博士がどこにでもいる。秘密の保持は困難だ。たとえば、品川のジムで知り合ったSは、信濃町の奥の事情に詳しかった。その一つがドンと太田ショウコウの確執。弟子の野望に感ずいたドンは、彼を公明党に追いやった。今では常識に近い話だろうが、当時は驚いた。ドンが反対する戦争三法を、安倍と共に強行したことで納得した。太田の今後を注視したい。


 本日紹介する物知り博士の話は安倍家のこと、晋三の父親の知られたくない秘事について。安倍晋太郎の秘書として活躍したKAKOの二人のことである。物知り博士は、清和会秘書会の先輩として、二人の面倒を見ていて、安倍家の奥の奥を知ってしまった。


<夫人をたらし込んだ秘書もいた?>

 秘書と政治屋夫人の関係は、どこにでも転がっている。修身斉家の人はいないため、家庭不和は多くの政治屋の家庭現象となっている。


 首都圏には、夫人と親しくなって総合大学の理事になった事例もあるが、安倍家でも「あった」と物知り博士に打ち明けていた。


 晋太郎と女性議員の深い関係は、清和会以外にも知られている。「安倍は料亭麻雀が大好きで、彼女まで別室に泊めていた」ほどで、これは三木武夫側近代議士の話だ。問題の女性が、出世したことは言うまでもなかった。


 しかし、当人たちは自分たちの秘密は守られていると信じていたが、なんと側近秘書から、そのことで脅しまくられる事態に発展したというのだ。秘事を明かしたその秘書は「女たらし」だったという。


 男前の秘書は要注意なのか。「晋太郎夫人がそそのかした」との見方もある。自業自得とはいえ「晋太郎は最後まで、女性問題で泣いていた」と証言する安倍担当記者もいるそうな。ということから推測すると、今の晋太郎夫人の精神状況は、息子の首相辞任も災いではなく、むしろ幸いして、一番安穏な日々を送っているかもしれない。



<外相秘書官を首にした大きなツケ>

 秘書に脅される政治屋という話題は、永田町の噂話に聞いたことがないが、事実とすれば、大変なことであろう。それこそ警察に駆けこむわけにはいかないだろうから。どんな人間にも苦労は付き物なのだ。

 しかし、なぜ秘書が刃を向けたのか。それは「外相秘書官だった秘書を首にした怨念」だったという。

 飼い犬にかまれた晋太郎の晩年は、厳しかった。その心労が重い病の原因となったのかもしれない。


 思うにワシントンの主はといと、側近を次々と首にしてきた。内部の秘密が暴露されるわけである。


<相続の手伝いをした秘書は「奥の古い金庫に万札の山」と>

 結局のところ、夫人は秘書を信頼することになる。晋太郎が亡くなると、相続の扱いが深刻な悩みの種となる。今の中曽根康弘家はどうか。彼女は信頼した秘書を、奥の間の開かずの金庫を開けるのに秘書に手伝わせた。


 万札の束が山のように見つかった。なぜ開封して、使用しなかったのか、理由は何か。これが超巨額脱税事件になるはずだったが、むろん、安倍家は秘密裡に処理した。物知り曰く「これは関与したKO秘書が打ち明けたことなので、まず間違いはない」と太鼓判を押した。


 事情通は「毎日新聞国有地払い下げの謝礼金のはず」と指摘している。大手の新聞社は、国有地に社屋を建て、いまでは不動産業で金儲けしている、というから、まず事実に違いない。


<中卒・集団就職の酒屋の丁稚小僧も大物秘書に>

 物知り博士になれた理由を尋ねると、これはKO秘書の破天荒な人生が関係している。

 東北の集団就職というと、行く先は東京であるが、北海道の場合は、札幌である。KOはそのルートで札幌の酒販売店の丁稚小僧となった。主人が市議会議員だったことから、中学校しか出ていないKOも、主人の選挙運動に狩り出された。


 顔つき・性格も明るかったのだろう。加えて「女たらし」の技も?その後に二人の清和会国会議員秘書を次々とこなした。一人は村上北海という書の大家。名人が失敗した書をかき集めて、それを売りまくって大金を手にしたという、なかなかそろばんに長けた人物だった。


 村上落選中に晋太郎が、北海道で後援会を発足させる準備を始めた。そのころ物知り博士は、KOから次なる代議士秘書探しを持ち掛けられた。早速安倍秘書のKAに要請した。


 北海道事情に明るいKOは、喜んで迎い入れられた。父親のカバン持ちをしていた晋三をススキノに案内したした御仁だ。KOはすでに、そこに店を持っていた。親父のカバン持ちは、札幌詣でに俄然若い体をぶつけて、歓喜したという。

 心臓に対してKO秘書は、格別の地位をつかんだことになる。


<札幌・ススキノで大人になったシンゾウ?>

 物知り博士は、かくして二人の後輩秘書と飲み会する中で、安倍家の裏の裏を知る機会を手にできた。しかも、晋太郎の彼女の選挙応援にKO秘書を指名したことで、それはさらに広がった。


 KOの安倍家での裏の実力は、晋太郎の彼女と夫人の三者から信頼を得て、結果三者を手玉に取ることで、側近ナンバーワンとなった。

 KOの娘婿は、財務官僚である。そろそろ政界に手を出すころかもしれないが、肝心のKO秘書は、もう亡くなって5年になる。桜を見る会でのホテルニューオータニに対しての、補填した領収書封じの脅し役は、別の秘書である。


 河井1・5億円選挙には4人もの秘書が、河井案里支援に投入されている。いずれ4人のうちの誰かが口を開くことになろう。


 晋太郎の巨額脱税問題は、もう時効だろうが、1・5億円事件の時効は、まだ先のことである。声を上げる秘書が誰なのか。国民・広島県民は、固唾をのんで見守っている。あと3か月もすれば、桜が咲き出す季節である。

2020年12月16日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)