コロナ対策費GDP比世界一<本澤二郎の「日本の風景」(3924)

<小出し対応と感染チェック大甘=電通五輪優先で深刻な事態続く>

 朝日新聞調査という数値を、朝日読者が知らせてくれた。それによると、日本政府のコロナ対策費は、GDP比世界一というのだ。その費用は、じつに234兆円。GDPの42%で、これはアメリカの15%、ドイツやイタリアの30%をはるかに超えているのだが、むろんのことで、この膨大な借金は、日本国民の負担として子供や孫も背負うことになる大事な金だ。


 返済のことを考えると、気が遠くなるどころか、絶望の二字である。しかも、中身がないのが、日本政府のコロナ対策だ。首相の菅義偉は、安倍よりも頻繁に雲隠ればかりしていて、国民にメリハリの利いた対策の詳細を知らせない。


 専門家と称する面々も、口をもぐもぐさせている。やることなすこと、対策が小出しで、破壊力がない。よって感染者はぐいぐいと増えて、人々を不安に陥れている。新型コロナウイルスとインフルエンザが列島を覆いつくす中で、肝心のPCR検査さえも、相変わらずちまちましている。

 検査を諸外国のように1日数十万単位で実施すると、大量の感染者が見つかり、治療できなくなるという不安にかられている。それ以上に、別の大きな政府の目標達成に障害になるからだ、というのだ。


 電通が仕込んだ東京五輪強行作戦のことである。


<「コロナ退治の証としてオリンピック実施」と大嘘垂れ流し>

 いま人類は、コロナから生き延びることに集中している。甘く見たのは、日本の安倍や菅だけではなかった。ワシントンの主は、それ故に大統領再選に失敗したが、往生際の悪さは今も継続している。

 アメリカの世紀の終わりの始まりは、もはや止まらない。


 この時点で、誰が来夏の東京五輪にうつつを抜かせるだろうか。一人日本政府の菅と、背後を固める人々に災いをもたらす電通である。


 安倍に次いで、菅も何度も叫んだ。五輪強行がコロナ退治の証である?と。伊勢神宮など、神社神道の日本会議の不気味な信仰に賭けているのであろうか。全く解せない。はたまた信濃町の池田裏切り教団を巻き込んでの、カルト信仰に賭けているのか。安倍や森喜朗の「神の国」に祈っているのか。あるいは、天皇家の神社信仰に賭けているのか。


 これを人は、中世の博打占い政治と決めつけている。五輪強行のためには、経済を回転させないと、動いてはくれない。したがって、GoToだ、GoToだとわめき散らし、富裕層の散財に賭けている。コロナの集団発生でも、GoToはやめられない。「高齢者は自粛して」が、目下のコロナ対策である。


 GDP比世界一の金をかけたコロナ対策も、なによりも経済優先であるため、結果的にコロナの襲来に歯止めをかけることが出来ない。

 「あと1週間が勝負だ」式の首相や専門家のいい加減すぎる嘘言動を、日本人は今年の春先から何度も聞かされ、それを今も、である。


 そんな時に、読者の悲しい話が届いてきた。


<年金18万円、1か月1・5万円収入でも介護保険強制徴収>

 「年金18万円の人が数万人もいる」というのである。1か月18万円であれば、生活を質素倹約すればお釣りがくるではないか、と即座に反論した。違った。年間18万円である。1か月にすると、1・5万円である。


 1か月1・5万円では、大不況下のデフレ経済でも、日銀の黒田に聞かなくても分かる。本当なのか?読者は断固として、事実だと強調した。貧困も貧困、大貧困である。そのような大貧困の年金生活者が、分かっているだけでも数万人という。実際は10万人もいるのであろうか。


 日本はコメが余っている。政府は直ちにコメをタダで提供すべきである。それは地球で食事に困っている人たちにも、提供すべきだ。災害と経済封鎖とコロナで厳しい生活を強いられている北朝鮮にも、日本のコメを贈呈すべきである。拉致被害者の運動とは、本来こうしたことにあるのだが、彼らは右翼政府に踊らされるだけの、反共運動団体でしかないことに気づいていない。

 何事も目的を間違えると、成果はうまれない。



<知られざる貧困層に追い打ち掛ける日本の福祉税制に衝撃>

 年金18万円の悲劇は、これだけではない。なんと福祉のための税金が、そこからも引き抜かれている、というのである。


 1か月1・5万円の年金にも介護保険料が、有無を言わせずに強制的に徴収されている!度肝を抜く話だ。これが日本の福祉税制なのだという。

 日本は、福祉の行き届いた国だと自負してきた人間である。実際は、血も涙もない福祉国家なのだった。ここに目を向ける政治家がいない日本であった!

 日本は本当に落ちるとこまで落ちてしまった政府と政治屋、司法ということになる。知らなかったとはいえ、なんとも恥ずかしい。年金から強制的に引き抜いてしまうものだから、滞納が出来ないのである。


 日本に政治家がいなくなって、政治屋が跋扈する永田町と、追随する霞が関であろうか。さしずめ女性を強姦して、性奴隷を強いるやくざの手口そのものの暴政ということになる。菅よ、何とかできないか。怒り狂う問題ではないか、犯罪税制であろう。TBS強姦魔を助けた菅には、関係ないのかもしれないが。これは断じて放置することが出来ない。


<増え続ける女性の自殺も公助なしの悲劇>

 つい最近になって話題になったばかりであるが、女性の自殺者が急増しているという。事情は様々であろうが、根本は貧困にある。貧困ゆえに、打つ手を打てずに自滅の道を選択するのであろう。


 そこでは自助の力もなく、共助も、そして公助もなく死を選ばねばならないという悲劇が、この国の社会に蔓延している。驚きの先に、悲劇の根源に政治の光が当たらないことが起因している。


 声を上げられない力のない女性が、この国に存在している。レイプ文化が災いしている半封建性の日本文化は、多くは教育で人々の人権意識を変えられるのだが、その教育に課題がある。沈黙の文化から声を上げる文化へと進まないと、この国は海賊や山賊のような野蛮な人種が権力を掌握してしまう。いい政治は行われない。

 

<菅は三度三度官房機密費を使って高給ホテルで美食三昧>

 このところ貧困社会が影響しているのであろうが、読者からの連日の叫びは、菅義偉という秋田県の恵まれた農家出身男の官房機密費の乱費のことである。

 「三度三度高級ホテルでの美食三昧が許せない。官邸には広い食堂と腕のいいコックが何人もいる。秘書官とのおしゃべりは、そこでやればいい。なぜ高級ホテルで、高額の金で飯を食うのか。首相も秘書官も高給を懐に入れている。それでいて、なぜ毎日ホテル通いなのか。自分の金で食事をしないのか。理由が知りたい。多くの国民の疑問である。ついでに何か別のことをしているのか」

 安倍は高給レストラン、菅は高給ホテルと、日本国民を愚民としてあざけっているのだろうか。やめるまで批判をしようと思う。

(追記)

 例の五島列島の動画カメラマンが上京、種苗法改正問題と加計孝太郎関連事件の裁判を取材したとメールが届いた。種苗法改正法は、大きな問題をはらんでいるが、国民の多くは筆者も含めて理解が及ばなかった。極め付きの深刻な問題は、やはり電通が仕込んだ国民投票法が来春にも強行採決されることから、いよいよ戦争放棄の平和憲法が破壊されかねないことが、現実味を帯びてきたことだ。菅と二階と枝野と福山が怪しい。背後の闇が知りたい。


 戦争国家の再現についての恐怖を、現在の人々はまるで分かっていないのか。そうではあるまい。


 加計孝太郎関連法廷の場で五島の動画カメラマンとおしゃべりしたという友人の話は、都内で「真実を伝えるデモ」が散発的に繰り広げられていることを、肌で感じたという。いうなれば「メデイァ批判だから、新聞は記事にしないが、これはすごいことだ。初めて知った」と驚いていた。


 新聞テレビが報道しない活動が、国会や裁判所、新宿界隈で毎日のように繰り広げられている。これぞ「声を上げる日本人」である。すばらしい日本社会の地殻変動である。マグマは噴火する時期へと増大しているのであろうか。


 菅や官房副長官の杉田、そして嘘の塊の安倍が見たくない現象であろう。先日、業務スーパーに行った。繁盛している。庶民の知恵だ。割安感が店内に膨らんでいる。月に1,2回利用すると、大分節約できる。永田町批判は、こうした視線からである。遠慮などしていられない。


 公共の電波を利用しているテレビなど、関連する悪徳ビジネスに目を光らせないと、民衆は破綻しかねない。電通に屈服する新聞テレビは、いずれ日本から追放されるだろう。「日刊ゲンダイに続け」である。

2020年12月4日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)