日米醜態競争<本澤二郎の「日本の風景」(3897)

<哀れ菅首相の日本学術会議6人斬り説明不能>

 昨日午後、運動不足を少しでも解消しようとして、亡き母の実家である山奥の部落を目指した。歩いていると、懐かしい祖父母が頭に浮かんできた。4、5歳のころであろうか。一人で何度も、出かけ、小学生になっても繰り返した。当時は電気はなく、ランプ生活だった。唯一の喜びは、朝ご飯に祖母が、放し飼いの鶏が生んだ新鮮生卵に、庭先のネギを刻んで、醤油をかけてくれた栄養たっぷりの、当時としては最高級の卵ご飯に舌鼓を打ったことだ。譬えようもなくおいしかった。


 この山道には、米軍機B29に撃墜された日本軍戦闘機の残骸が、道端に無残に放置されていたものの、それが何なのかさえ理解できなかった。若い未来ある航空兵の悲劇的死について、考慮する能力もなかった。誤れる国の指導者の存在さえも、理解不能だった。


 散歩から帰宅して、思い出したようにラジオをかけると、参院予算委員会で共産党の小池晃が、日本学術問題について菅に噛みついていた。映像を見ていた国民がどれくらいいたろうか。例によって、しどろもどろの出鱈目答弁に質疑は何度も止まった。


 ラジオからも、菅の無能答弁が耳に飛び込んできた。テレビ観戦者の菅評価は、推して知ることが出来よう。「この程度の日本国首相か」「いま首相に手を上げたことを猛省しているのではないか」「無能無力の菅義偉がかわいそうだ」という感じを抱いてしまった。まさに醜態である。



<往生際が悪すぎる権力執着魔神のトランプ哀れ>

 ワシントンでは、再選に失敗したドナルド・トランプが、同じように権力にしがみつこうとして、往生際の悪さを世界に発信していた。

 誰もがトランプの再選を信じていなかったものだから、余計に彼の醜態に付き合わされている国民も哀れだ。昨日も書いたのだが、財閥富裕層向けの「アメリカ・ファースト」に中間層も落下、貧困層は政治から見放されていた。したがって、そうした弱者が決起した異常な大統領選挙だった。


 無党派層・弱者が決起した選挙なのだから、票数でジョー・バイデンが上回ることになる。不正選挙さえなければ、バイデンの勝ちだが、トランプは証拠もなく法廷闘争へと持ち込んで、政治危機を増大、事態を混迷化させている。


 不動産屋の習性なのであろうが、彼の対応は、到底世界から尊敬されることはないだろう。哀れトランプである。



<野球なら直球も変化球も空振り三振の日本国首相>

 日本学術会議問題に対する菅答弁を、野球に例えると、バッターボックスの菅選手は、相手のピッチャーの素行調査までした上で、慎重に構えたものの、

直球も変化球も見逃しの三振。

 ホームランはおろかバントで打ち返すこともできなかった。


 過去に田中角栄は「地方議員上りは、地元でのドブ板選挙、手練手管はうまいが、国家ビジョンがない。国政は無理だ。国のトップに立つことは出来ない」と決めつけていたが、日本国憲法を尊重擁護する義務が課せられていながら、破憲首相では話にもならない。


 「菅は一度も憲法を読んでいない。読んでいれば、人権主義・学問の自由への政治介入という、憲法違反をするわけがない。官房副長官の杉田も雲隠れしているではないか。公安・警備の杉田の破憲判断を、そのまま受け入れた菅は、文句なしに首相失格。辞めて秋田の土になるしかない」とも酷評されている。



<尊敬されない破憲首相と加憲ナツオの政治責任>

 菅を尊敬する日本人がいたら、手を挙げてもらいたい。おそらくいないだろう。彼は、既に官房長官時代に自爆しているではないか。東京新聞の望月記者に見破られている。


 ただし、支持する人たちは一部に存在する。支援勢力は財閥1%・電通大魔神である。電通は、IOCのバッハという利権アサリの弁護士を抱き込んで、来年7月の五輪を強行する構えである。


 電通が死力を尽くして、人の命よりも、利権アサリに突進する姿に、改めて大魔神の野蛮すぎる実力に驚愕するばかりである。


 問題の6人斬り事件に沈黙している加憲のナツオも、墜落寸前と今朝ほど連絡が入ってきた。大阪都構想では、自ら大阪入りして、それまで逃げ回っていた4人の公明党衆院議員を連れ出して、維新に忠誠を見せつけたのだが、それでも公明党創価学会の半数以上が反対して、ナツオを撃墜した。


 結果、ナツオの責任問題が、信濃町で表面化しつつあるという。当然のことであろう。太田ショウコウと共に、あろうことか戦争三法を強行、カジノ強行にも手を貸した、やくざ弁護士の正体をさらけ出したのだから、因果応報といえるだろう。



<米国民主主義も壊れてしまっている!>

 トランプ敗北を占いで知ったものか、安倍晋三はそそくさと病気理由に退陣して、多少は安堵しているようだが、彼はおそらく改憲による日本分断の先輩として、アメリカ分断をトランプに伝授したものか?アメリカンデモクラシーは大統領選挙で危機に瀕している。


 トランプの暴走に対して、足元の共和党内部からも批判が出ている。米産軍複合体が水面下でどう動くのか、注目したい。連邦最高裁と米国下院をも巻き込んでの泥仕合を、世界に発信するのであろうか。


 ともあれワシントンの内外政は、心臓部が壊れた時計そのものである。公正・公平な社会であれば、経済衰退・コロナ禍でも乗り切ることが出来るが、どうなるのか。人類がつかんだ史上最高の民主主義が、日米ともに危機に追い込まれている。

2020年11月7日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)