愚民政治大噴火<本澤二郎の「日本の風景」(3868)

<強権とイカサマと甘い誘惑懐柔策で世論操作する悪徳戦術>

 電通主体の新聞テレビ報道弾圧、日常的な監視の強化の下で、遂に新たに学問の自由を規制する暴挙発動である。戦前国家主義の強権政治が爆発したようなもので、歴史を知る識者を畏怖させている。かの元自民党幹事長の小沢一郎でさえも「恐ろしい」と言い出した。


 他方で、ハンコ廃止FAX廃止と言いふらす閣僚も。一片の通達で済む話で、新聞テレビが大騒ぎするテーマではない。三流国レベルでしかない。当事者は話題作りでもって、永田町で頭角を現わそうとしているだけの、たわいのない自己顕示欲の塊を暴露しているにすぎない。それを御用ヒラメ記者が宣伝役を買っていて恥じない。


 すると今度は「大学受験生に2万円を」と言い出す勢力も、とコロナ禍をこれ幸いとばかりの、いうところの公金悪用の選挙向けの買収作戦である。



<狙いは通常国会冒頭解散向けの愚民・イカサマ戦術競争>

 コロナ禍以前から、この国を襲っている貧困の二字に配慮しない行政・立法・司法と一部の富者ら特権層は、我関せずとばかり、我が世の春を謳歌している。その中には、すべてではないが、新聞テレビ関係者も含まれているために、貧者の立場をなかなか代弁することが出来ない。


 貧困のかさ上げは、内部留保金500兆円の特権層のお腹のふくらみを減らして、肥満体重を大幅に引き下げることによって、より公正で平等な社会の構築が可能となるのだが、愚民政治においては政府も議会もそのことを無視して、自らの特権に酔いしれている。


 やることといえば、選挙向けの有権者を欺くための、ちまちましたイカサマの政策をぶち上げることに専念する。たとえば携帯電話の引き下げだが、これは公共の電波を、政府が独占企業向けに、特例で認可させたものである。


 本来は、国民の資産を公正に認可することで、いくらでも値下げは可能である。それを延々と引き延ばして、選挙前にぶつけようとしている。それをまた新聞テレビが、批判もせずに宣伝して、有権者の頭脳を混乱させている。


 同じことは民放テレビも。政府が、破格の安い認可料金でもって対応しているため、彼らの給与はNHKレベルかそれ以上である。最近は、企業の商品宣伝から売却まで、公共の電波を利用させるという事実上の違法行為で、テレビと企業をぼろ儲けしながら、それを国民に還元していない。愚民政策の最たるものである。


 新聞テレビ社員の高給化は、報道の質を著しく劣化させることになる。それは、公共放送のはずのNHKでも同様である。

 安倍晋三や菅義偉らのNHK人事介入事件に対して、労働組合が全く抵抗を見せなかった。給与の高給化は、結果的に報道の質と社員の劣化を招くことになる。会長に財閥代表が君臨することにも抵抗しないNHK労組だった。


<東北復興での狼藉三昧ゼネコンに沈黙する政府与野党と検察>

 半月ほど前か朝日新聞読者が「東北復興のあくどい実態を1面で大きく取り上げている」との連絡が入った。このことについて「311から9年。なぜ今頃なのか。なぜもっと早く報道しなかったのか。何を恐れているのか」という感想を抱いたものであるが、東北出身者の怒りの思いは如何ばかりであろうか。


 鹿島・大成・清水・安藤ハザマら日本を代表するゼネコンの「出鱈目すぎる仕事は、放射能汚染地区の除染事業での水増し事件で頂点に達した。それでも、国交省・復興庁・環境省どころか、警察・検察も不問に付している」という深刻過ぎる事態に、国民は声も出ない。


 それは、やくざが跋扈する東北復興事業そのものだった。反社会的勢力の違法ビジネスを放任する愚民政治を、これほど露呈していることも珍しい。ここでのやくざ退治のための強権主義なら、反対しないどころか大賛成だが、ネズミを捕らない猫のようになった警察検察に呆れるばかりである。


 この延長線上にゼネコン幹部による、東京銀座での酒池肉林へと連鎖することになる。「銀座のママに頼まれて、ゼネコンの支店長を追いかけた」という当事者の話から、いかがわしい東北復興の税金泥棒の内実を知って、仰天したものである。今も不祥事続きの東北復興に違いない。


 新大臣は、幸い警察官僚である。警察を動員してドブさらいすれば、有権者も少しは納得するだろうに。無理かな。



<貧困は家庭崩壊・やくざによる家庭崩壊・不正腐敗も>

 コロナ禍で世界の政治経済社会は、一変している。世界最大の軍事と経済の強国だったアメリカで、それが爆発している。衰退する帝国の怒りが、中国に集中して、新たな経済不況に追い打ちをかけている。


 目を小さな家庭の単位に向けると、そこでも悲劇が至る所で起きている。夫婦関係から親子の関係までが傷ついて、悲惨な事件が相次いでいる。高給を食む輩の多くは、金で解決するだろうが、金欠者はそうはいかない。

 離婚する家庭、刃物沙汰の家庭、他人の家庭で金銭を奪うもの、命を失うもの、自殺者と不幸の山が、日本の財政のように無限に拡大している。


 創価学会信仰者を名乗る介護施設経営のやくざが、純真な栄養士を強姦した「木更津レイプ殺人事件」には、今も衝撃を受けているが、さらなる衝撃は、やくざ事件から逃げる警察と公明党創価学会執行部のことである。


 中国では、これを無法無天と呼んでいる。


 貧困は、社会の分断を招来させる。格差と差別とありとあらゆるこの世の悪徳が支配する。政治の不正腐敗が止まらない、これこそが「恐ろしい」のである。


 昨日、近くの医院に寄ったところ、インフルエンザ予防接種の季節だと表示してあった。過去に打ったことなどなかったが、今年はコロナ禍のこともあるので、注射するしかないのか。昨年は台風15号に震え上がったが、今年の14号も首都圏・房総半島に襲い掛かるかも。

 地球温暖化のツケとはいえ、天も見放したような日本列島の愚民政治に新芽を出すには、まずは愚民・イカサマ政治からの離脱が先決なのであろう。

ハマで鍛えられた菅に民衆の声が届くのであろうか?

2020年10月8日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)