第二次電通腐敗五輪内閣発足<本澤二郎の「日本の風景」(3846)

<派閥論功行賞の安菅内閣、注目の法相に上川陽子>

 犯罪まみれの首相退陣も、蓋を開けてみると、首相の黒子が首班になるという前代未聞の政権が、2020年9月16日に発足する。企画演出は電通である。新聞テレビの宣伝報道に対抗して、あえて第一次が安倍内閣、菅は第二次の電通腐敗五輪内閣と呼べるだろう。


 戦前の満州人脈の狐に取りつかれたような人選なのか。電通被害者の言論人にとって、やはり信用のおけない派閥論功財閥傀儡そのものである。過去に田中曽根内閣と評された政府が存在したが、今回は安菅内閣と呼べるだろう。


 注目の安倍犯罪もみ消し役に選ばれたのは、オウム関係者の大量死刑執行者の上川陽子。予想された稲田朋美ではなかった。



<李香蘭の人生を狂わせた特務機関・大魔神の電通の操り内閣>

 余談だが、最近YOUTUBEで李香蘭の生涯の記録放送を見た。日本人でありながら、中国人女優・李香蘭名で銀幕スターとなった彼女の戦後は、華やかさをまき散らしながらも、精神は苦悩で満たされていた。敗戦後の人生に、女らしい幸せの日々は訪れなかった。第三者には想像もできない苦しみを与え続けたのだが、その元凶は、傀儡政権の宣伝と宣撫工作のアヘン王里見特務機関・電通の陰謀に巻き込まれたものだった。


 彼女が、人々に災いをもたらす大魔神・電通の正体を知っていたのかどうか、放送では確認できなかった。


 第一、恩師の宇都宮徳馬でさえも、読売の右翼新聞化に驚愕しながらも、背後の電通について、一度も言及したことはなかった。言論弾圧機関としての電通について、平和軍縮派の戦闘的リベラリストも気づかなかったのかもしれない。


 コロナがなければ、筆者の今頃は、前例のない政権交代劇をただ仰天して眺めているだけだったろう。それに加えて、東京五輪を計画・実施の主役が電通であることさえも、理解できなかったろう。



<事情通の稲田朋美予想を裏切ったオウム死刑執行者の元法相起用>

 宏池会で、さしたる話題にもならなかった上川陽子である。女性としての人権意識は、決して高くはない。それでいて、なぜ菅というよりも、安倍が指名したものか。


 大方のところ、安倍とは思想信条がぴったりで、とことん安倍にひれ伏すはずと見られてきた稲田起用説である。なにか両者に感情的なトラブルでもあったのかどうか。周辺では「昭恵に聞かないと、はっきりしない」ともささやかれているという。

http://www.asyura2.com/20/senkyo275/msg/752.html

 ただ、上川に一ついえることは、一般の女性にはない度胸があることと、それを安倍のために実行するという、これまた女性らしくない忠誠心であろう。これを安倍は評価している。


 事情通は「稲田だといかにも醜聞がちらついて、的を外す心配がある。そのための上川再登板であろう」「稲田だと露骨すぎてやめたのだ」などと分析している。


 確かに、オウムのサリン製造場所は、笹川陽平の広大な別荘と安倍の別荘に近かったらしい。一部では、石原慎太郎がそうだったように、何かとオウムとの関係もささやかれていた。それを一掃するためのオウム大量処刑だった、と見られたものだ。


 オウムを処理した上川法相を歓迎するような、どんちゃん騒ぎの映像がある。安倍の喜びようはなかった。上川の意外な一面を安倍は忘れなかったのか。ただし、オウムは犯罪者である。上川の新任務は、正義を排して犯罪者を死守する任務なわけだから、攻守所を変えることになる。

 上川が果たして悪魔になれるのか?


<論功行賞人事で変わり映えなし・官邸の金庫は安倍家のお庭番>

 論功行賞派閥人事の最たるものは、幹事長と財務相のお年寄りである。二階が菅を、麻生が安倍を支えた80代のじいさんが、いつまで続くものか。麻生は早期解散論者だ。

 二階の声を昨日聞いたが、なかなかとぼけ上手が板についている感じがするが、足腰が安定しているとはいいがたい。党内閣とも老人体制というのも始めてだ。


 官房長官・菅の後任は、安倍家のお庭番である加藤勝信。彼は竹下派に所属しているが、実際は安倍直近の人物。官邸の金庫を悪用して、菅の後釜狙いとみていい。「加藤が霞が関をにらむことになる」という。


 加藤の義母と安倍の母親の深い仲は、両者の夫の晋太郎と六月の仲を継承したものだ。官房機密費を使って、竹下派を分捕る野心もちらつかせている。安菅一体の象徴人事だろう。「晋太郎家と六月家は運命共同体関係。それが二代続いている。六月の女房と金丸信の女房の関係で竹下派。福田赳夫は六月を嫌っていた」との事情もある。



<唯一の菅人事=恩師・小此木彦三郎の倅を国家公安委員長起用>

 清和会OBなどは「この党と内閣の人事は、ほとんどが安倍人事。菅はいうなれば両手両足をもぎ取られたダルマさん。唯一、国家公安委員長の小此木八郎が菅人事」と決めつけている。


 小此木彦三郎の秘書から横浜市議、そして政界入りした菅にとっての恩人の倅を入閣させたのだが。一説によると、彦三郎の強い地元を菅が分捕ったことから、小此木家との信頼関係が壊れてしまっている。


 恩人の地盤を横取りしたようなことから、菅の隠したい情報が週刊誌に流れている。「これ以上は困るということで、倅を入閣させたが、同じ閣僚でも格下の国家公安委員長。警察庁を監督する立場だが、ハマにはやくざがいっぱい、とばく開帳も日常茶飯事。ちゃんと任務をこなせるかどうか心配」と地元の目は厳しい。


 総括すると、この内閣は「安倍犯罪から安倍を守る内閣。その頂点に法相の上川陽子。どう転んでいくのか」ということになりそうだ。臨時国会でしっかりと審議をするのか、それとも解散で逃げ延びようとするのか。政局の秋本番である。

2020年9月16日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)