死に体=窮鼠猫<本澤二郎の「日本の風景」(3722)

<河井選挙巨額買収事件=安倍1・5億円事件=退陣か解散か>

広島の河井選挙巨額買収事件の原資は、元自民党本部職員によると「自民党本部の政党助成金179億円から、総裁である安倍が1・5億円を、特別に河井夫妻の選挙区支部に送金したものである。安倍、菅と二階も岸田・宏池会追い落としを図った1・5億円。したがって、河井事件は、安倍事件そのものである。そこにメスを入れた稲田検察の河井逮捕を、世論は強く支持している。死に体内閣の残された手段は、退陣か解散しかない」ことに尽きるのである。



<稲田検察・世論に対抗、腐った解散権を抜く、と言い出した心臓>

 窮鼠猫を噛む、のたとえ通り、会期延長を回避、いったんは逃亡と見せかけて、捲土重来作戦を見せつけたようだ。やや手の込んだ策略か。


 「腐りきった解散権を行使する構えを、身内の右翼弁護士との対談や、いつもの右翼新聞を動員して、しぼんでいた改憲を再び膨らませて、検察と世論に対抗しようという作戦が見え見え」と事情通はずばり指摘している。


 クロカワ防護服で身を守る策略によって、森雅子の法務省を動員したものの、

世論の大反撃(#検察庁法改正案に抗議します)を受けて挫折。残された手段は、それでも世論に対抗して解散権を行使するしかなくなってしまったのだ。悪党に、反省する余裕も考えもない。


 「何としても現職首相として監獄入りは避けたい」というのであろうが、前途は必ずしも明るくないと極論する向きも。



<自民党本部・安倍事務所+Hニューオータニ家宅捜索>

 政界雀の中には「首の皮一枚で心臓を動かしている」などと酷評する御仁もいるようだが、安倍・日本会議のしぶとさには以前から定評がある。


 他方、コロナ禍による極め付きの不況が、人々の不安を増大させていて、稲田検察も手抜きはできない。常習とばくの黒川を、懲戒免職にできなかった汚名を着せられている稲田の、次なる一手は1・5億円事件に絡んでの自民党本部や安倍事務所の家宅捜索だ。


 「二階は広報紙に使った、という自民党本部の人間であれば、誰でも二階が嘘をついていることを知っている。安倍は公認会計士云々という、これまた出まかせ弁護も大嘘だ。党本部、安倍事務所の家宅捜索が不可欠だ。もし、しないとなると、稲田検察も黒川と50歩100歩だ」と検察をけん制する厳しい指摘をする専門家も少なくない。


 稲田検察のもう一つの正念場は、桜事件の核心ともなるホテルニューオータニの家宅捜索だ。ホテルの帳簿類を押収すれば、安倍は完璧に袋のネズミになる。「これに検察が手を付ければ、安倍の腐った100%解散権は行使できなくなる」のである。



<二階外しの安倍・麻生・菅・甘利の鳩首密議=中央突破>

 安倍は、心臓をえぐるような国会審議から逃げ出すと、真っ先に河井事件捜査に対抗するための鳩首密議を開いた。

 6月19日の夜、2時間半かけて虎ノ門のホテル内のレストランで開催した。

 作戦会議の主役は、黒川に救済されたという安倍の側近中の側近の甘利だ。確か、彼の親父は河野洋平の新自由クラブに所属していた。農協出身の目立たない政治家だった。ところが、倅は安倍に精神のすべてを投げ打って、犯罪事件から脱出したが、今は立場が逆だ。


 彼は麻生のほか官房長官の菅を呼んで、安倍との和解を約束させたようだ。河井事件は、安倍事件であるとともに、菅事件でもあるのだから。「同舟相救う」でしか、現在は二人とも生き延びることはできないのだ。


 会期末に、野党の内閣不信任案の提出を受けて即解散という予想は、肝心の野党側がひるんで、不信任案を提出しなかった。次なる解散時期は、秋の臨時国会冒頭ということになろう。


 甘利は、すぐさま政府寄りの時事通信との単独インタビューで、解散権行使を大々的に宣言した。むろん、安倍も。悪党は、数の力で国民投票法改正案を強行する方針までぶち上げた。そして任期中に改憲強行をにおわせることで、死に体内閣の衣を脱ぎ捨てる精いっぱいの努力を見せつけた。狙いは、世論と稲田検察けん制である。


 「蛇の道は蛇」に国民は、警戒する必要がありそうだ。



<一律10万円=全国民を公金買収+野党分断=圧勝か自滅か>

 さしずめ腐った蛇の解散権は、野党の足元を見ている。内閣不信任案さえ提出できなかった、無力野党の存在である。野党バラバラで、永久に政権と無縁の、ゆでガエルとの認識であろう。

 事情通は「民主党内には、官邸の息のかかったスパイが紛れ込んでいる。労働貴族の配下もいる。警察公安の腕で踊るいかがわしい政治屋もいる」と決めつけている。


 野党は強くないのだ。加えて一律10万円支給で総額13兆円がばらまかれている。7月か8月には、すべての国民一人残らずに配ることが出来る。これほど恵まれた解散環境は珍しい。


 自公維圧勝の皮算用も成り立つ?甘利の目論見と見たい。


<「稲田検察の総決起で巨悪を退治」が世論の総意>

 繰り返し、稲田検察の「巨悪を眠らせない」という秋霜烈日の思いに賭けようと思う。

 市民には捜査権限はない。「木更津レイプ殺人事件」を目の前にして、歯ぎしりするしかないジャーナリストも、同じ思いである。


 市民に告訴告発の権限はあるが、警察検察が受理しなければ、彼らがやくざや悪党と提携していれば、市民の正義が貫徹されることはない。いまこのジレンマに泣いている人間からすると、やはり稲田検察に賭けるしかない。世論の総意でもあろう。


 稲田検察のさらなる奮起に期待したい。

2020年6月22日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)