安倍の岩盤崩落<本澤二郎の「日本の風景」(3595)

<モリカケTBS山口強姦魔救済事件、桜事件カジノ汚職に決起か>

 5年か6年前になるだろうか。中国の武漢大学のシンポジウムで、当時は聞きなれない日本の極右団体「日本会議」のことを話しかけたが、会場はポカンとして聞き流すだけだった。

 昨2月14日に初めて聞く「日本の尊厳」「国益を守る」という自民党極右代表が、官邸に乗り込んで、中国・国家主席の国賓どころか、来日そのものに反対する文書を突きつけた。


 安倍の岩盤の崩落を象徴する出来事であろう。アベ独裁を野党ではなく、右翼が押しつぶした格好である。安倍「死に体」政権を裏付けている。安倍の解散権は封じられたようなものだろう。


 右翼も、モリカケから始まってTBS山口強姦魔救済事件、そして桜事件とカジノ汚職にいらついての決起なのだろう。この日公表された時事通信世論調査は、支持不支持が逆転していた。

 安倍内閣支持率38%不支持39%、自民党24・3%、公明2・8%、維新1・3%。国民の政府への支持は、まことに心細いのだが、それに輪をかけての野党の沈下に救われている。国民民主党は政党として認知されていない。


 要するに、日本という国を、多数国民は支持していない。支持する政党なしは、実に60・6%である。日本の政府も国会も国民から見放されている異常・異様な国なのだ。


<2・26にかこつけての反中尊皇派・第二青嵐会>

 まもなく有名な日本軍将校らの反乱で有名な、2・26事件が目の前である。それにかこつけたものかどうか不明だが、令和の反乱に天皇が飛び出すことはできないので、安倍・日本会議が抑え込むしかない。出来るだろうか。


 この7年の自民党と公明党という、まやかしの右翼政党に興味を失ってしまったジャーナリストは少なくないだろう。

 国民の6割が、支持する政党がない異様な社会である。

 そこでモリカケ事件から、TBS山口強姦魔救済事件、ついで桜事件とカジノ汚職と続いてきた。これらの事件封じに、飼い猫の配下の検事を次期検事総長に祭り上げるという違法・脱法人事を、売国奴法相が強行、それを閣議決定という不当な手段で安倍が断行した。

 右翼もじっとして居られないのであろう。決起したのだ。

 ともかく出鱈目の連鎖、独裁もいいところだ。安倍の岩盤崩落も自然の成り行きなのだろう。


 はじめて安倍の地盤である右翼グループをネットで調べてみた。数人の仲間の会と思っていたが、なんと40人から50人もいるではないか。相当の資金力を見て取れる。30数人が名前を出しているが、安倍人事を考慮してか、隠れて参加している議員も。

 1973年ごろ発足した青嵐会の黒幕は、岸信介と蒋介石だったが、現在の第二青嵐会と呼べそうな極右の黒幕は、誰なのか。


<習来日反対、中国への5000円支援NO

 彼らは、習近平来日反対ということから、安倍・自公内閣と真正面から対決する構えである。

 隣人が困っている時である。少しでも励まそうという自民党の二階幹事長が決断したとされる、自民党国会議員5000円を、報酬から天引きすることに反対、彼らは支援しないことを打ち出して、二階のメンツをつぶしてしまった。


 年金生活庶民は貧しても、日本の国会議員は、世界一といわれる高額の報酬を懐に入れている。それでいて5000円なのか。みみっちい過ぎる支援だが、中国の人民日報ネット日本語版は、大きく報道してくれている。


 この際、せめて一人10万円支援を全国会議員に呼びかけたいが、どうだろうか。官房機密費をふんだんに悪用している安倍と菅は、このさい、100万円、1000万円を出してはどうか。


 意外な効果を期待できるだろう。巨万の富を懐に入れている中国の腐敗官僚も、すべてを吐き出すかもしれないのだから。


 日本国内の70万中国人や中国との友好を重視する日本人も、マスクを送り届けるなど賢明である。霞が関の官僚だって、5万円は出せるだろう。


 思想信条関係なし、隣人が困っているときは、手を差し伸べる、それが人間の道である。極右に振り回されてなるものか。ただ、政治論でいうと、安倍が終わりを告げている極右の反乱といえる。

2020年2月15日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)