混迷の法務検察<本澤二郎の「日本の風景」(3498)

<安倍と菅の水面下の乱闘が浮上>

 凡人は法務検察の内情に詳しくない。過去に法務大臣経験者複数から、恐ろしい人事抗争の内情を聞いて驚いたことがある。次男が東芝病院で、単純な医療事故死を強いられ、それでいて反省も謝罪もしない東芝経営の東芝病院を刑事告訴したものの、東京地検の松本朗という悪党に不起訴にさせられたことから、法務検察の怪しげな体質を学ばされたものだが。


 しかしながら、それでも法務検察の、一般人が予想もできない検事総長レースを、日常的に繰り返されている現実に無関心を決め込んできたのだが、最近になって事情通に叱られてしまった。目下、法務検察人事をめぐって、安倍と菅の間で、激しい水面下の乱闘が繰り広げられている!


<菅ー黒川ー森本ー中村ラインに安倍が森雅子投入で反撃>

 外国の権力維持機能というと、軍事か法務検察を握る、ということになる。国粋主義内閣の下では、誰が法務検察を握るのか、で決まる。目下の韓国の政情を目撃すれば、ある程度理解できるだろう。

 民主派大統領は、必死になって側近を法務大臣にしたものの、検察が容赦しなかった。世論が納得せず、側近の首をはねた。


 新聞テレビを配下にした日本では、世論は埒外だ。コップの争いが決め手となる。事情通は「菅は従来の慣行を破って、黒川官房長を事務次官、検事総長にして法務検察を掌握した。配下に森本・東京地検特捜部長、その下に中村格が控えている。この体制を、さらに強固にするために、菅は河井を法務大臣に押し込んだ。要は安倍の首に鈴をつけたことになる」と深読みする。


 幸い、河井が腐敗の尻尾を見せると、安倍はすかさず首をはねた。直ちに森雅子を後任に据えた。「実に素早い後継人事選びだった」と言われると、確かに頷ける。


<伊藤詩織さんの告訴をつぶした中村の背景判明>

 日本で一番勇気のある女性というと、TBS山口強姦魔に対して刑事告訴した伊藤詩織さんということになる。

 強姦された女性が刑事告訴するという事例は、ないか、わずかである。訴えても、頭を隠してのものだから、一般人は被害者が誰なのかわからない。

 彼女は命がけで、顔を出して叫んだ。警視庁高輪署が詳細を暴き、裁判所も認定して、山口逮捕を認めた。


 あろうことか、これを止めて、山口の強姦事件を押しつぶした犯人が中村だった。当時、警視庁刑事部長である。その前は菅の秘書官として、忠誠を誓う間柄となっていた。中村も相当な悪党である。

 その結果、彼は警察庁幹部へと大出世した。つまりは強姦魔救済の指令は、菅ラインによって具体化したものであろう。菅の法務検察ラインは、女性の敵ということになる。


 この点で、野党の追及はいかにも弱い。徹底追及する使命を帯びている。女性の味方であれば、これに蓋をすることは犯罪の共犯となろう。


<雅子の伊東正義尊敬はポーズなのか>

 安倍の指示に、二つ返事で河井の後任となった森を、当初は有名な歌手なのかと勘違いした。念のため、ネットで調べると、苦労して弁護士になっている。経歴は、世襲議員に比べると、格は上である。


 彼女の「尊敬する人物」がいい。伊東正義である。彼こそが、護憲リベラルの大平正芳の盟友で、政治後継者だった。彼は首相になれたが、断った。「看板を張り替えても、自民党は変わらない。やっても無駄だ」と判断して、政権に執着しなかった。


 そんな伊東を尊敬するという森は真っ当であるが、その先が不透明である。伊東の宏池会に入らず、右翼の清和会に参加している。彼女の精神に狂いが生じているかもしれない。


 女性蔑視・レイプ文化の日本に、切り込める勇気があるのか。宏池会の上川陽子は、安倍の期待するオウム事件関係者の死刑執行だけで終わり、国民を失望させ、安倍と乾杯した。


 森の役割は、安倍や菅の不正腐敗にメスを入れることである。到底無理だろうが、挑戦する価値はある!権力者がその地位を悪用して、政府の行事に招待させるという栄誉と財貨を提供するという前代未聞の首相犯罪に対して、法務検察を動かせないとなると、森の政治生命も終わることになる。


 この世は、原因と結果を結び付けている。

20191117日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)