塀の上と世紀の決戦<本澤二郎の「日本の風景」(3421B

<60兆円ひも付き援助利権+空前の超軍拡利権>

 朝日新聞のお株を奪ってしまったような反骨の下関市のローカル新聞・長周新聞が、同市の水道工事無競争入札疑惑を取り上げた、とネット掲示板に出た。いずれ国民も注目を集めるだろう。他方、韓国への有償・無償の8億ドル援助が、安倍の祖父の岸信介のもとで行われた、という核心に迫る大掛かりな汚職事件を韓国テレビが暴いた。


 そこから眺めてみると、安倍のバラマキ援助金・60兆円の紐付きの内情が露呈するだろう。海外渡航75回の実績だから、消すことは不可能である。JICA関係者が知る常識であろう。


 そして今回、来年度から執行される、連続7回目の超軍拡予算の疑惑も浮上している。岸の金庫番・中村長芳いわく「本物の秘書は塀の上を歩いて、決して塀の内側に落ちないことだ」と。


<元衆院議長金庫番が明かした秘密の軍事利権のすごさ>

 読売OBで、竹下登と親しかった元衆院議長の伊藤宗一郎の金庫番が「土建族から防衛族に転身した金丸先生は、いまスコップを使ってざくざく金を集めている」と恨めしそうに打ち明けたことを思い出した。


 伊藤はナベツネが大嫌いだった。理由は「最近になって、読売は俺に献金しなくなった。ナベツネの野郎のせいだ」と公言していた。彼の秘密の話の一つは「ドイツのフランクフルトで、ドイツ人売春婦から自慢げに、ナベツネの名刺を見せつけられた。奴に話たら、宗ちゃん其の話は勘弁してくれと。以来、ひどくおとなしくなった。アハハ!」というものである。


 読売を、まともな新聞と勘違いしている読者からすると、政治家に政治献金している新聞社だと分かると、さぞ仰天するだろう。どんな会計処理をしているのか、不思議ではある。


 思うに、ナベツネが金バッジをつけなかったのは、正解だった。後輩への最後?の仕事が、スイス大使にすることだった。早くも、ここでの仕事は、従軍慰安婦もみ消し工作だろうか、との憶測も飛び出している。ナベツネの配下も大変なのだ。


<どうなった公証人利権人事の結末は?>


 そういえば、最近の読売の特ダネというと、公証人という世人が初めて知った利権ポストを、検察と最高裁などが利権人事として、闇で転がしている事実を暴露した。繰り返し報道して、凡人を驚かせたものだが、背後で何があったのか?マスコミ界の関心を集めている。


 一説には、200億、300億というナベツネ蓄財資産の相続税対策という?貧困ジャーナリストにとって、資産1億と聞いただけで、腰を抜かしてしまうのだが。一つこの機会を借りて、我が先輩の早坂茂三・元田中角栄秘書が、東京タイムズ政治部時代、ナベツネの読売ハイヤーにお世話になったという。ここは人として感謝せねばなるまい。

 NHKや朝日、読売は、常時、自民党本部に何台ものハイヤーを駐車させておくほど金持ち企業だった。今も変わらない?


<血税を吸い取ってお腹を膨らませて権力維持>

 大分話が横道に反れてしまったが、血税の使途そのものに莫大な利権が生じるということである。そのために会計検査院と国会審議が存在するのだが、悲しいかな国民の期待に応えてはくれない。


 国民を欺く機関でしかない。政治不信の根源の一つなのだ。悪しき権力者は、途方もない闇の金を手にして、権力を存続させる。したがって、悪党ほど政権は長期化することになる。


 民主主義が機能しない中での民主主義は、悪党にとって住み心地がいいのである。借金漬けの予算下、公務員給与やボーナスを毎年引き上げる狙いは、内部告発を阻止する手段なのだ。


<空母「出雲」の改修費、艦載機F35Bの購入と笑いが止まらない>

 来年度予算概算要求は、これまで同様に、税収の倍額予算105兆円である。半分が、借金とその返済に充てる、家計では想定できない、とんでもない予算編成を約束した概算要求額である。7年続行してきた安倍・日本会議・自公連立内閣の実績に、本当に反吐が出る思いだ。


 消費税10%で日本経済は底が抜けるほど消費は落下する。値上げ前の需要さえも起きていない。世界経済はさらに落ち込む。円高株安で税収は、大幅に落ち込むことになる。

 他方、アメリカのポチ・日本のお陰で、米軍需産業に不景気風ゼロ。日本の軍事費5・3兆円の中から、米国の死の商人の懐へと流れ込む。そこから5%から10%が、商社を経由して還流・キックバックしてくるという。ロッキード事件の腐敗構造はそのままである。


 ステルス戦闘機と空母「出雲」の出撃先は、大西洋ではない。目と鼻の先の半島と大陸である。戦前回帰そのものだ。そのための改憲軍拡実現に向けた秋の臨時国会である。野党と国民は、戦争する日本へ本格化する軍事国家路線を阻止できるかどうか。


 予算はそれを見越して先へと突き進んでいる。空母「出雲」の改修工事費や艦載機6機分として846億円も予算化する。F35は軽く100機を超える。トランプは「日本が一番買ってくれた。安倍サンキュウ」と喜んでいるが、日本の新聞テレビと野党・国民はまともに反応しない。


 日本の死の商人・財閥に屈して恥じない。朝日どうした!


<安倍の心は中国と北朝鮮に感謝、感謝>

 田布施の歴史を担って「運命の人」となったとされる安倍晋三には、まともな日本人としての精神・常識などない。憲法破壊を当たり前のようにして暴政を敷いている。そんな手合いを、毒饅頭を食らった信濃町が必死で支えてくれたおかげで、安倍は長期政権のお株を手にした。それを公然と支援する新聞テレビと、奴隷のように従う日本国民ということなのか。


 安倍の心を冷静に分析すると、超軍拡を走ってきた原動力は、中国と北朝鮮ということであろう。中国脅威論と北朝鮮脅威論である。二つの脅威論を捏造しての超軍拡である。明治を構築した田布施の野望の再現なのであろうが、その先には再び日本の破局が待ち構えているに違いないが、今のところの勝者は、残念ながらお祓い宗教の神社本庁(戦前の国家神道)が仕切る日本会議と財閥、そして自民党と集票マシーンの公明党創価学会ということになる。


 戦後政治の一大決戦のゴングは、まもなく鳴る。自民党と内閣の人事が、その号砲である。それへの決意と覚悟が、野党と国民にあるのかどうか。その場面でも、読売産経化を演じる新聞テレビなのか。


<世紀の決戦が近づいてきた!>

 繰り返すが、世紀の決戦は近づいてきている。若者が立ち上がる日本なのかどうか。緊張する2019年危機到来である。

2019年9月1日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)