2019年07月

改憲軍拡と悪化する医療環境<本澤二郎の「日本の風景」(3391A

<患者も大変、医療従事者も大変な地域の病院>

 日帰りの簡単な人間ドックを初めて、君津中央病院で受診したところ、いつも通り中性脂肪を指摘され、覚悟の治療をするため、昨日予約時間9時30分よりも30分早く病院についた。「予定時間だと何が起きるか心配」という思いが患者の側にあるためで、もうそれだけでも医療環境の悪化を印象付けている日本である。


 北欧では、こんな不安はないに違いない。改憲軍拡に血税を投入する、この6年間の政府の方針に病院環境は、確実に劣化している。駐車場が満杯だ。市内の郊外病院だから車でないと、この病院に来ることはできない。専用のバスが何台も見えるはずだが、1台もない。患者も、医療従事者も大変だ。そこにミスも起きがちだが、医の倫理不在が輪をかけているため、筆者はすでに二人の家族を亡くしている。


 以前、五輪担当の鈴木さん(鈴木善幸の長男)と会見、息子の医療事故を話し合った際、安倍晋三の弟も同じ病気だったという。息子は植物人間にされ、ついには東芝病院で入院直後に、個室に放置されて窒息死した。もう9年にもなるが、東芝は反省も謝罪もしない。こうした財閥の体質は、日韓の従軍慰安婦や徴用工問題にもこびりついたままで、たとえようもなくいやらしい。安倍の弟は、まともな医者に出会って、現在は国会議員である。もしも、息子と同じような運命だとしたら、母親の洋子夫人も半狂乱の挙句、亡くなっていたかもしれない。医療事故の恐怖を人々は気づいていない。


<傍らで「今日は無理、改めて7時に来なさい」と追い返される患者>

 何とかして車を駐車して病院の玄関を入ると、もう患者で膨れ上がっている。受付案内のコーナーには、ガイド役の看護師2,3人が応対に大忙しだ。

 当方は予約していたので、診察券を機械に挿入すると、スムーズに治療を受けることができたが、傍らの初診者は「もう本日は患者でいっぱい。改めて出直しなさい。午前7時に」と追い返されていた。


 この病院に辿り着くだけでも、患者も医師・看護師らも大変である。患者の方は半日を覚悟して来たのであろうが、哀れ追い返されてしまった。

 このさい、血税が改憲軍拡の方向に流れ込んでいる証拠に国民は覚醒すべきである。166億円の皇位継承費、東京五輪、G20と、それでも日本医師会は自民党を支持している。金もうけに走る医師会も、厚労省も狂ってしまっているのである。


<「専門の内科医に診てもらいなさい」にうんざり>

 やくざの街・木更津市の唯一の善政である今年で最後という人間ドックの受診者は、病院の勧めで脳ドックも受診した。すると、もうそれだけで3万円近い負担となるが、一生に一度のことだと覚悟して、無料のはずが、大きな負担となってしまった。


 結局のところ、中性脂肪の治療を受ける覚悟をしたのだが、担当医は「うちで診るよりも、内科の専門医がいい」という。その意味がよくつかめなかった。「この病院には専門の内科医がいない」のか、それとも「混んでいるから、そこいらの開業医に診てもらってはどうか」ということらしい。


 念のため、内科医のプロをネットで調べても見つからない。知り合いの医師にメールしたが、連絡をくれない。やむなく、君津中央病院にしたのだが、案の定、担当医は若い。失礼ながら、ベテランとはいいがたい。もっとも、将来は名医になるかもしれないが。ともあれ、こちらは籠の鳥だ。任せるほかない。


<不景気だけではない、劣化する地方の医療福祉環境>

 中国は北京の大病院を見学した人間だから、比べると、病院の対応は、よりスムーズである。医師の能力という点だと、友人は「中国の医師の担当する患者の数は、べら棒に多い。その分、経験が豊富なので実力がある。あなたの息子のような、膿と腫瘍を取り違えるような誤診はあり得ない」と断じる。


 確かに、息子の帝京の担当医は、東大OBの頭でっかちの臨床経験の少ない医師で、年齢からすると、ベテランのはずだったが、見事に失敗して、息子は希望の人生を奪われてしまった。哀れでならない。


 息子の死の衝撃と、東芝病院の無責任対応に妻が肺をやられていたが、開業医はレントゲンをとっても、単なる風邪と押し切って、その診断ミスで妻も3年後に、大金を使い果たしながら、あの世に逝ってしまった。

 悲しいかな、医療事故の連鎖に医師も病院も目を向けてはいない。遠因に、改憲軍拡の危険すぎる日本政治の存在に気づこうとしない政府と政党にうんざりである。


 20年余のデフレ経済は、地方経済をガタガタにしてしまっている。金融機関が黒田のゼロ金利で、倒産の危機に追いやられている。余計に医療環境・福祉環境は悪化している。

 幸運な健康人は気づいていないだろうが、改憲軍拡の余波はただ事ではないのである。国も地方も疲弊している。


<それでもやくざ関連の自民党が当選した千葉県>

 先の参院選で、自民党やくざ代議士の運転手が、どこでどうなったのか知る由もないが、千葉県で公明党の推薦を得てトップ当選を果たしている。千葉県警のやくざ捜査に、力が入らない原因の一つに違いない。むろん、医師会も支持したらしい。日本人の命は、改憲軍拡政治のおかげで、やくざも跋扈しながら、どんどんと悪化している!

 品格のある日本政治は遠くなるばかりだ。

2019年7月31日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

北ミサイルに浮かれる防衛省<本澤二郎の「日本の風景」(3390)

<超軍拡の概算要求見積もり季節に符合>

 「まだ新聞テレビは、北朝鮮の単距離ミサイルについて、ああだこうだといって脅威論を煽っている。金儲けの仕事とはいえひどすぎる」と官邸の裏事情に通じる清和会OBは連日、文句たらたらである。


 この季節が霞が関にとってどのような季節なのか。事情通であれば、よく理解できる。そう予算の概算要求見積もりをする季節なのだ。がぜん防衛省は意気上がる。超軍拡の概算見積もりに財務省も抵抗できない。北ミサイル騒動のおかげである。結果、貧困層など弱者の人々の命は、確実に奪われて行っている。


<笑いが止まらないトランプ・シンゾウ=日米産軍体制>

 手あかのついた軍事評論家というイカサマにとっても、大金を稼げるシーズンだとしても、なんともひどすぎて泣けてしまう。北ミサイルのピント外れのテレビ論争騒ぎに、平和を願う多くの市民は、どうしてよいのか、肝心の野党がバラバラなので、ひたすら怒り食うだけのようだ。


 こんな日本に誰がした?答えは、あなたとあなたのような、無数の国民であると回答せざるを得ない。

 その中には、平和のための「人間革命」を読んできた、たくさんの信濃町の人たちも含まれている。そのことを参院選で、野原善正は大誓堂の前で叫んだばかりである。

 超軍拡予算に笑いが止まらない、われらのシンゾウとトランプである。日米の産軍複合体の暴利は、もちろん、天文学的である。10%消費税もその一翼を担わされるだろう。


 死の商人ほど悪魔的ビジネスはないだろう。人間同士の殺し合いを狂喜する精神はどのようなものか。身近なところで、たとえば三菱財閥関係者に質問してみるといいのかもしれない。


<「再選と四選向けに空前のリベート」と専門家>

 中村長芳をご存知か。A級戦犯容疑者から首相の座を射止めた岸信介の秘書で、政界で知らないものはいなかった。

 彼との接触はなかったが、彼から薫陶を受けた清和会秘書から、彼が後輩のために指導した秘書らしい秘書の基本姿勢を聞いたことがある。ちなみに、福田赳夫が創立した清和会の古参秘書で、中村を知らない者はいない。中村は、永田町で秘書の見本のようなワル人物だった。


 黒い疑惑だらけの岸のもとで、その疑惑の渦中で利権アサリを巧妙にし抜いた人物が、中村長芳といっていい。その言い分は、実にふるっていた。


 「君ら清和会秘書としてだな、何をするか。それは塀の上を歩いて、金集めをすることが、秘書の本分である」

 まじめな日本人が聞いたら、おそらく腰を抜かすだろう。純情な日本人は「政治家は国民の代表として、憲法を尊重して、法律に準じて立派な仕事をしている人」と考えるだろう。大学で法学部に籍を置いた貧乏学生は、そう信じて政界の取材を始めたものだから、この中村の言動に怒り狂ったものである。

 1991年10月に「代議士秘書残酷物語」(エール出版)を書いたが、この取材で中村の途方もない言動を耳にしたものである。

 秘書たるもの違法行為を承知で金集めを、親父に代わってする。アベ晋太郎時代のシンゾウもそうだったものか。

<破憲の政治屋=軍事利権=売国奴>

 そういえば「塀の上を歩く金バッジの面々」(ぴいぷる社)が処女作であるが、現役記者でありながら、よくぞこれほど大胆な本を書いたものか、われながら自分を誉めたい気分である。

 この本を参考にした社会部の記者やフリーランス・ジャーナリストは多かったはずである。東京タイムズは、それでも首にしなかった素晴らしい新聞社だった。

 ところで、この中村の金集めの一つが、軍用利権のリベートだった。軍用機の部品の輸入からも、リベートを取っていたというからすごい。「同じことが繰り返されているとすれば、四選向けの資金におつりがくるだろう」とは清和会OBの指摘だ。おそらくトランプにすれば、来年の再選向けの莫大な資金が集まることになるのだが?


 モリカケごときで責任を感じるようなシンゾウでないことが、このような風土を前提にすれば、容易にわかるだろう。


 中国脅威論と北朝鮮脅威論で超軍拡予算を編成してきた自公内閣は、来年も空母「出雲」を先頭に、空前の予算を編成することになろう。2019年危機を象徴するような北ミサイル騒動ではある。

2019年7月30日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)


ゆでガエルの信濃町<本澤二郎の「日本の風景」(3389)

<得票激減!それでもアベ改憲軍拡・池田裏切りを続けるか>

 選挙制度と低投票率に救われて、議席をわずか増やした公明党創価学会の前途に、明るい希望のローソクは全くともらない。7月21日の参院選で、実に得票数を100万票も激減させた。選挙のたびごとに激減の流れは止まらない。アベ改憲軍拡路線を踏襲して、師である池田大作戒めを破って裏切りを続けているためだ。そのことを今回の選挙において、初めて東京選挙区で大っぴらにされた。今後もゆでガエル路線を続けるのか、年内にも実施される総選挙で、再び厳しく問われることになる。


<創立者の教えと真逆の極右路線に大ブレーキ>

 アベ官邸は、そこを見越してか、3分の2議席実現のため、胡散臭い政党と見られてきた国民民主党丸抱え作戦に切り替える構えを見せている。同党は維新の二番煎じである。野党の体たらくの証である。


 公明党沈没原因は二つ。創価学会の活動家の高齢化と、もう一つは公明党創立者の教えとは、真逆の政策、すなわち特定秘密保護法・戦争法・共謀罪・カジノ法・10%消費税など大衆いじめ路線を強行してきた。それはすなわち、大衆を敵視する日本右翼・財閥1%のためなのだ。

 信仰者にとって、師の教えは格別の重いものがあるとされる。他党・第三者には想像もつかない宗教的縛り(師弟不二)が脈打っている。それにもかかわらず、山口那津男や太田ショウコウが率いる公明党は、官邸の毒饅頭で腹を膨らませた、と専門家は指摘している。その重すぎる師弟の約束を反故にしての暴走7年である。

 師の池田は「大衆と敵対した時の公明党は叩き潰せ」と言明しているという。今回の参院選で、ついに池田親衛隊が決起、ナツオの公明党と原田の創価学会に挑戦状をたたきつけたものだ。


 元自民党本部職員の自宅には、選挙の時は、必ず知り合いの学会員から「公明党をよろしく」との電話がかかってきたが、それがなくなった。世上「戦争党」と揶揄されているため、平和と福祉の公明党と訴えることができなくなってしまった、そこに原因があると受け止められている。


 特定秘密保護法・集団的自衛権行使の9条破壊・共謀罪など一連の戦争法制の強行に深く関与、推進してきた太田国交相と山口代表の公明党、それにもかかわらず強力にバックアップしてきた創価学会という6年間に、怒り心頭の池田側近が内部から立ち上がったものなのだ。

 師の教えに執着する信仰者が決起する土壌が、必然的に池田親衛隊とでもいえる勢力を誕生させている。参院選で、初めて表面化したことで、強固な組織に分裂を意味する亀裂が生じた。もはやアリの一穴どころの話ではない。

 「原田と谷川の確執も表面化して、総崩れの様相を呈している」が、信濃町監視人の報告である。100万票激減の真相である。

 

<山本ー野原の攻撃は総選挙でも大爆発か>

 大衆を犠牲に追いやる、大義のない不条理の信濃町執行部の変質は、池田裏切りそのものである。自民党のように金や利権で結びついている組織と違って、公明党創価学会は無報酬の集票マシーンだから、理想の根拠が崩れると、その反動は小さくない。前回の参院選と比較して、100万票もの激減は当然なのである。


 繰り返し紹介している木更津市の美人栄養士のKT子さんが、太田の裏切りを指摘したのは、特定秘密保護法を強行した2013年12月のことである。彼女は「池田先生は決して太田を許さないッ」ときっぱりと断罪した。今からすると、彼女の一撃は池田親衛隊第一号ということになろう。


 人は思考停止の創価学会員と決めつけがちだが、実は理性の信仰者もいる。KT子さんは戦争遺児として、そのことを証明してくれた。ただし、声は出さないがKT子さんのような学会員は、ほかにもたくさんいたのだろう。

 信濃町の地盤沈下は、予想外の速度で進行している。そのことを今回の参院選が証明してくれたことになる。平和を反故にして、真逆のアベ戦争という路線の大展開なのだからである。


 子供を持つ学会員の中にも、公明党支持を止めている。「お母さん、うちには息子がいるので、もう公明党には入れないよ」と息子に言われたという、お年寄り学会員が直接打ち明けたものだ。

 消費税廃止を公約する山本太郎と野原善正の戦いは、次の総選挙でも大爆発することになるだろう。第二第三の野原が、信濃町の足元を揺さぶると見られている。


 「木更津レイプ殺人事件」の被害者となったKT子さんは、泉下で太田ショウコウを追及を止めないが、刺客候補を恐れてか、彼は東京の選挙区からの出馬を取りやめた。山本・野原の攻勢にいち早く逃げ出したのであろう。むろん、池田親衛隊の追及は、宗教的信念を貫徹するため、途中で引き返すことはしない。徹底追及するであろう。

 「公明党を叩き潰せ」が池田の本意であると野原は信じている。金では動かない。


<内輪の痛撃は内部崩壊を約束する!>

 城が強固でも、内部からの攻撃には弱い。いまの創価城がそうである。

 信濃町の駅前の大聖堂は、正しくは大誓堂という。野原が口走る師弟不二を祈る場所に違いない。そうしてみると、破戒のナツオや原田らは、この場所に立ち入る資格がないことになろう?


 これは大変なことになるだろう。鉄壁を誇る信濃町の城壁が、内側から破壊されているのであろうか。


<勢い込む池田親衛隊>

 池田の小説「人間革命」を読んで、これまで奮い立ってきた面々の高齢化による地盤沈下は致し方ないようだが、彼らは今の信濃町執行部への不満と不信が積もり積もっている。

 創価大学で教養を身につけたOBたちも、これまで違和感を抱いてきたが、今回の山本と野原の大活躍をYou Tubeで目撃している。

 KT子さんは、聖教新聞と公明新聞を購読して、毎日1時間ぐらいかけて目を通していた。無知蒙昧の徒は確かに多いようだが、すべてではない。

 池田親衛隊は、老壮青に及んでいる。

 信濃町から遠ざかるもの、逆に野原のように目覚める者と創価学会内部は、揺れ動いていると分析できる。

 ナツオの裏切り作戦がどこまで続くのか。興味深い。以下に公明党の支援報道に徹する時事通信記事を貼り付けようと思う。

 

 公明党は参院選比例代表で、得票数を2016年参院選から100万票以上も減らし、自民党との連立政権発足以降の国政選挙で最低となった。支持者の高齢化が進み、盤石を誇った組織力には陰りが見える。過去最多に並ぶ14議席を獲得したにもかかわらず、党内には危機感が募っている。
 公明党は、候補者を擁立した7選挙区全てで議席を獲得、比例でも7議席を得た。改選11議席を14に伸ばし、16年に並んだ。山口那津男代表は25日の党会合で「公明党の歴史でも最高タイ記録だ」と胸を張る一方、「党の発信力をどう強化していくのか、参院選の総括として議論してもらいたい」と幹部に指示した。
 ただ、5割に満たなかった低投票率に助けられた面は否めない。比例の得票数は653万6336票で、17年衆院選に続く700万票割れ。計画的に準備ができる参院選は750万票超で推移していたが、今回は大幅に下落し、05年衆院選で898万7620票とピークを迎えて以降の減少傾向が鮮明になった。
 原因について、党関係者は「支持者の高齢化で運動量が低下している」と指摘。一時的な現象ではなく同党が抱える構造的な問題との見方を示した。集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法の成立など、「安倍1強」の下で党の基本的立場と相いれない政策に協力していることへの支持者の不満もあるとみられる。
 ある幹部は「投票率が下がっただけで100万票も減るわけがない。深刻に受け止めないといけない」と懸念を示したが、党勢回復への妙案を見いだせるかは不透明だ。


2019年7月29日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)


太郎票再点検<本澤二郎の「日本の風景」(3388)

<各地で山本と山田票のトラブル発覚>

 山田太郎と山本太郎が出馬した参院選のことを、筆者を含め多くの国民は知らなかった。後者は6年前の東京選挙区で当選、国会でも大活躍、今回は特定枠に障害者二人を擁立、自らは三番手に甘んじた。古巣の東京選挙区には、沖縄の玉城知事誕生に一役買った池田親衛隊ともいえる野原善正を擁立した。新聞テレビは無視を決め込んだが、ネットでは独占炎上、東京での野原との演説会を伝えるYou Tubeは、どのようなドラマを見るよりも面白かった。

 山口那津男ら、池田大作への裏切りを告発する、野原の勇気に聴衆から拍手が巻き起こっていた。信濃町の屋台骨を揺るがす大健闘だった。

 他方で、自民党の山田太郎の存在を、ほとんどの国民は知らなかった。それでも選管が発表した得票は、自民党比例区の二番手。多くの国民は「おかしい」と感じている。


<自民の山田大量得票に疑惑の声が>

 山田の経歴を開いてみると、2010年に「みんなの党」という国民も記憶していない小党から立候補して、当然の落選。得票は3万である。2年後に仲間が衆院選に出馬したため、繰り上げ当選という幸運が舞い込んで、3万得票の参院議員が誕生した。

 いい加減すぎる選挙制度のおかげでバッジをつけた山田である。2016年には、改憲軍拡の維新へ鞍替えしたものの、すぐさま除名。何があったのか。そのような人物が2019年3月、自民比例公認を手にした。この背景を調べると、いろいろなことがわかってくるはずだ。


 そして今回、54万の大量得票で自民党の二番手で当選、おかしくないか、という疑問が噴出している。

 一部に「選挙屋ムサシの陰謀ではないのか」「山本太郎の票が流れ込んだものか」といぶかる声がネットでも聞こえてきている。


 ここは太郎票を精査すべきだろう。少なくとも東京の太郎票の再点検を、むろん、手作業でする責任が選管にある。「ムサシ」が100%正しいというのであれば、それを証明をする好機ではないだろうか。


<政党除名は即議員辞職が国民の声>

 近年いかがわしい政治屋が目立つ。特にOOチルドレンと呼ばれる、単なる金儲けの、ろくでもない国会議員が少なくない。志のある正義の士は、極端に少ない。与野党とも、である。


 したがって、不祥事が頻発している。政党から除名にされても、議員を止めようとしない維新の議員は、それゆえに年間1億円の血税を懐に入れている。政治不信の最たるものであるが、国会も政党も無力である。このまま放置できるものではない。肝心の日本財政に余裕はない。

 今度は、秘書を奴隷のようにしていた自民党議員が告発され、警察が捜査している。自民党の新潟県連は「除名が相当」と党本部に進言した。


 それでも、除名後も国会議員として居座るとどうなるか。国政に参画することは、政党政治の元では不可能だが、それでも年間1億円の血税が投入される。そこで提案である。

<公認段階で、除名即議員辞職を先約させればいい>

 まずは政党が、候補者を公認する段階で、不祥事を起こし、除名にされたときは、直ちに議員を辞職すると約束させればいい。

 小選挙区制のもとでの公認権は重い。政党が責任をもって公認する以上、失格者を除名にするだけでは、国民に対して責任を果たしたことにはならない。当然であろう。公認の条件に除名は、即議員辞職を約束させるのである。


 よく知らないが、NHKから国民を守る党から一人当選した。いかにNHKが国民を裏切って、安倍の広報宣伝をしているかの証明だが、数日前の報道では、維新を除名された議員失格者を、改憲条件に国会で提携するという。


 新たなる裏切りに愕然とするばかりである。裏切りが横行する永田町を放任していいものか。これでは不正選挙への懸念が噴出して当然であろう。


 この機会に、まずは太郎票の再点検をして、不正選挙の有無をはっきりさせる必要がある。新聞テレビが無視する事案ではない。

2019年7月28日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

北ミサイルと2019年危機本番<本澤二郎の「日本の風景」(3387)

<イージスアショア設置などアベ超軍拡実現が目的>

 まだトランプと金正恩の38度線上の劇的な会談の余韻が残っている7月25日、北朝鮮は2発の単距離ミサイルを、日本海に向けて発射した。これに対して日本のマスコミは異常な反応を見せて、NHKを先頭に大々的に北朝鮮脅威論報道合戦を繰り広げている。

狙いは日米産軍体制の必死の要望、わかりやすく言うと、リクエストに応じたものである。武器弾薬を売り込むワシントンの死の商人と、それを導入したい東京の死の商人の期待に沿ったミサイル発射であろう。日本政府とメディアの共闘による世論操作向けということになる。そんなに難しい方程式ではない。


<北脅威論を継続して日本人に信じ込ませる策略>

 朝鮮半島は、もはや双方が武器を誇らせるような、馬鹿げた無駄なことは止めている。南北は連携して、日本のトランプをまねた、韓国いじめの経済報復措置に対抗している。

 他方、安倍の拉致問題への取り組みも、この6年間もの長期間、北朝鮮脅威論をまき散らすためという、いい加減な策略だったことも証明された形である。

 国民は、アベ自公政権の、憲法を冒涜する「戦争国家」・超軍拡路線に反発している。年金一つとっても、それどころではない。それでいて自公内閣は、空母「出雲」を先頭に、艦載ステルス戦闘機F35Bの大量購入や、地上配備型ミサイル基地・イージスアショアの秋田県設置などに本腰を入れて取り組んでいる。


 沖縄県民の意思を無視した普天間の辺野古移設にも、独裁的な手法で、公明党国交相を先頭に必死で強行している。憲法に違反する暴政は止もうとしていない。

 以上のような暴政を敢行するために、北のミサイル発射は必要なのである。冷静に考えれば、納得できる当たり前の論理である。


<ワシントンの産軍体制の要請である>

 ワシントンの経済は、軍需産業で成り立っている異様な国家に変質して久しい。そのための犠牲が、朝鮮戦争やベトナム戦争だった。その先に中東で繰り返されたアメリカの戦争だった。

 イラク・アフガンから現在、イランとの対立を、意図的に引き起こして、武器弾薬の需要増に必死のトランプは、まさに死の商人そのものと言っていい。トランプこそが、米産軍体制が誕生させたアメリカ大統領なのである。


 もうおわかりだろう。米朝和解にブレーキをかけているのは、北朝鮮ではない。アメリカの武器弾薬を売り込むことに専念しているトランプなのだ。そのためには、北朝鮮脅威論はしばらく継続させねばならないのである。


<ゴルフで動じないアベと「約束は守られている」とトランプ>

 論より証拠である。2発のミサイルに対して、従来だと髪を吊り上げて抗議するシンゾウが、ゴルフに興じて一蹴、トランプは「問題ではない」とこれまた一顧だにしなかった。


 トランプの心は「何はともあれシンゾウに武器弾薬を買わせなければならない。そのためのポーズをとってもらっているだけさ」ということなのだ。


<日本の新聞テレビのみが嘘の情報で脅威論宣伝>

 「ボルトンの日韓訪問に合わせたミサイル発射だ」「米韓合同軍事演習を再開しようとしていることへの反発」など北朝鮮の狙いを、さもありなん、といった解説を流している日本の新聞テレビは、一つとして真相を抉り出す解説をしていない。いうところのフェイクニュース・嘘情報の垂れ流しばかりである。


 ずばり秋田のイージスアショア設置実現に向けた日米政府の依頼に応えたもの、がプロの分析である。

 北朝鮮脅威論をさんざん悪用して改憲軍拡の銅鑼を鳴らし続けてきたアベ自公内閣は、今もそれを続行している。それどころか、議会での3分の2を確保のための謀略に突進している。


<アベ自公の別動隊は維新+国民民主党>

 すでに国民民主党が、アベ自公の改憲に応える宣言を、昨日、代表の玉木が公言した。同党は第二の維新である。


<2019年危機本番!>

 思うに、日本会議の改憲軍拡に向けた策略は、大きな政治的イベントを、次々と用意して推進してきている。

 嘘と買収で獲得した東京五輪、166億円かけた皇位継承祭祀、100億円かけたG20で、参院選を圧勝で手にした自公は、とうとう軍国主義本番の日本へと改編を急いでいる。


 2019年危機本番である。ゆでガエルは、いまだに居眠りから覚めない。

2019年7月27日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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