2019年05月

5・28川崎殺傷事件<本澤二郎の「日本の風景」(3331A)

<2019年危機=病んだ社会の政治テロ?>

 2019年は戦後最大の政治危機であろう。平和憲法が破憲内閣によって、風前の灯という厳しい立場に追いやられているためである。この現実を直視しながら、5・28川崎殺傷事件を分析してゆくと、この悲惨な事件を単なる偶然と受け止めるのは、危険ではないだろうか。日本型の政治テロではないのか。アメリカでは銃の乱射だが、日本では台所で、主婦が日常的に使っている包丁である。病んでしまった日本社会の危機は、したがってまた起きるのだろうか。

<一本の糸>

 5・28児童殺傷事件には、大きな政治的出来事が、一本の糸で太く連なっていることがわかる。

 政府自民党の、破憲を目的とした、徹底した皇室政治利用である。色眼鏡をはずして冷静に眺めてみると、それは明らかである。51歳の犯人が、そのことを意識していたのかどうか。現時点ではわからないが、全く無関係と言い切れるのかどうか。

 何かが引っかかる。国際社会もまた、ワシントンに突如現れた不動産王の政府が、地球の隅々までかき回している。米中貿易摩擦・覇権争いに限らない。欧州もロシアも混乱している。


 絶望が人類の頭上に降り注いでいる2019年である。99%の人々が右往左往しながら、精神を病みながら、かろうじて生存している危うい世界に、日本も埋没している。

<皇位継承=新元号+新天皇+新国賓>

 貧困化する中で、福沢諭吉を大量に印刷、それを使って日本銀行は1%のための株式を爆買いして、日本経済を混迷の淵に追い込んでいる。

 国民のなけなしの金・資産である年金を、これまた株式に投入して恥じないアベ自公内閣である。背後で、怪しげな極右団体がうごめいている不透明強権政治だ。そのもとで1%は、450兆円、500兆円の資金を懐深くため込んでいる日本株式会社だ。

 暴政破憲内閣は、皇位継承でもって平和憲法を破壊しようとしている2019年である。お分かりだろうか。平和を希求してやまない国民の、希望が奪われる2019年になるかもしれない。


 天文学的借金と貧困化の中での日本政治の暴政は、166億円の巨費を使っての、新元号ー新天皇と新国賓の、贅を尽くしたお祭り騒ぎという一本の糸が浮き彫りになる。

 犯人はなんらメッセージを発していない。たった一人の、暴政に対する自爆テロ?だったのか。

 新国賓を前にして日本首相は、欠陥機とされる1機100億円以上もする米機105機を爆買いした。そのことを死の商人の新国賓が、5月28日に明らかにしたのだが、犯人はその直前に恐ろしい事件を引き起こし、国民の目をくぎ付けにして、直後に自害した。

 日本版の自爆テロなのか。

<アベ+トランプ=新空母(かが乗艦)=最新鋭戦闘機F35爆買い>

 犯行現場は、偶然だったのかどうか。

 この日、安倍とトランプは、川崎市を経由して横須賀の海軍基地に向かっていたのだが、犯人の犯行時間は、それに警鐘を鳴らすかのような時間帯だった。

 悲劇の被害者を強いられた児童の通う学校は、ミッションスクールだった。トランプは、そのことに気づいたらしく哀悼の言葉を述べている。場所は二隻目の空母「かが」の艦上だった。

 「日本はF35を105機買ってくれる。同盟国で最大だ」といって安倍を絶賛したのだが、それは悲惨な事件直後だった。


 安倍は拉致被害者の大会に出ても、すぐに自宅に引きこもってしまうが、この日も悲劇の現場に立ち寄った形跡がない。

<犯人の30代、40代の足跡を洗うべし>

 日本が平和憲法を放棄するようでは、もう先はないだろう。それでも、この恐怖の戦略に、平和主義を放棄、加担する太田ショウコウ・山口那津男の公明党に恐怖を抱く国民は多い。信濃町の支持なくして、安倍の恐怖の戦略が成功することなどないのだから。

 病んだ暴政社会では、第二の川崎事件が起きないとも限らないだろうことを恐れる。

 犯人は引きこもり人間と決めつけているようだが、そう簡単に割り切っていいのかどうか。30代、40代をどう過ごしてきたのか。徹底的に洗えば、必ず自爆・暴走した理由がわかるだろう。


 この事件が、もしも日本型の政治テロだとしたら?いい加減に放置はできないはずである。

2019年5月31日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

病んでしまった鬱の日本<本澤二郎の「日本の風景」(3330)

<初めて聞いた天皇制廃止論>

 川崎殺傷事件報道に驚愕した友人が、日本は政治も経済も社会もすべてが病んでしまっている。その根源は、無責任をはびこばせる天皇制にある。廃止するほかない、と断じた。初めて聞いた天皇制廃止論である。「風が吹けば桶屋が儲かる」という因果の法則があるが、確かに民主主義に天皇制を結び付けた法体系には、大きな矛盾がある。21世紀に原始の祭祀など論外だろう。

 廉恥の政治家・勤勉な労働者と経営者の日本は、当の昔に消えてしまっている。上から下まで病んでしまった社会の日本である。他方で、極右首相は、徹底した天皇政治利用に奮戦、これに同意する国民までがいるという。

<川崎殺傷事件に限らない精神の荒廃>

 川崎殺傷事件の犯人像は、まだはっきりしていない。社会の隅にたくさんいる、希望を失っている庶民の一人であろう。突然、刃物を隠し持って、児童の隊列に向かって、それを振り回した後、自らものどに突き刺して死んでしまった。

 犯人の動機は?あるのかないのか?

 はっきりしてることは、犯人の精神がほぼ完ぺきに壊れてしまっていたことである。社会全体が壊れている鬱(うつ)の社会ということであろう。本来、最も保守的な人生を歩んできた友人は、戦後の過ちにあると断定したのである。


 極右首相は、日本を武器弾薬国家にするための手段として、とことん天皇制を悪用しているが、友人はその反対で、天皇制を廃止することで、正常な倫理と道義の日本に改造しないと、日本は崩壊する、と決めつけた。安倍・日本会議政治に危機感を抱く、福田康夫並みである。

 ことは川崎殺傷事件にとどまらない。根源にさかのぼれ、本末を見究めよ、と叫んでいるのだ。

<霞が関の覚せい剤汚染>

 日本の一番のエリート世界で知られる官界・霞が関が、いま荒れ切っていることが判明した。経済産業省や文科省のエリートが、犯罪である覚せい剤を、役所内で使っていたことが発覚した。

 「木更津レイプ殺人事件」の取材で、覚せい剤は強姦レイプの重罪に用いられる麻薬であることを知ったのだが、これを独占しているのが、日本のやくざである。

 魅力的な女性をレイプ・性奴隷にして、左うちわの暴力団が跋扈する日本は、レイプ文化が付着して久しい。このことを、事実上、受け入れてしまっている日本人女性と警察である。これ一つ取り上げても、日本は犯罪国家そのものである最悪の国である。

 このやくざの人脈が、日本の頂点につながってしまっている現在なのだ。悪質な老人いじめの詐欺事件も、やくざの犯罪である。やくざと官界の結びつきは、それ以前はやくざと政治屋の深い仲を意味した。やくざは、日大など学界や文化、スポーツ芸能の世界に及んで久しい。


 やくざ強姦社会の頂点に、自公という怪しげな宗教人脈が君臨して権力を行使していると考えると、もう夢も希望も無くなってしまうだろう。

<抵抗力を喪失した野党とマスコミ>

 野党はというと、議席が少ないため、比例して政権への抵抗力を喪失してしまって、国民の期待に応えようとしない。党利党略に埋没して、それを由としているのだから、大半の国民は無党派へと沈殿することになるしかない。


 結果、史上最低の危険な内閣に対して、4割前後の支持をしている。暴政の原因だ。「議会とマスコミが健全にならないと、民主主義は正常に機能しない」(宇都宮徳馬)のだが、この二つとも壊れてしまっている現在の日本である。

<平和主義を放棄した信濃町>

 昨夜、友人宅で食事会をしてくれたおり、一人の熱心な学会員に対して信濃町の現状を聞いてみた。悲しいかな、聞く耳を持たないのだ。信仰の強さなのか、宗教の恐怖なのか。


 極右政治を補完している信濃町の平和主義放棄は、日本国民とアジア諸国民の、安全と安定に対して、大きすぎるマイナス効果を生んでいる。そのため、少しでも真実を伝える努力を惜しんではならないだろう。

 そう考えての説得だったが、成果はゼロだった。病んでいるのは信仰者も、である。

<空母「出雲」「かが」の艦載機(F35B)105機購入を感動したトランプ>

 史上最低の首相は、借金を山のようにしながら、毎夜国費で美食三昧、それでも死の商人大統領に「F35を105機買う」と約束した。そのことを、軍事同盟の深化だとほめられて喜んでいた。偶然か、その日の早朝に川崎事件が起きた。これにそっぽを向く首相に対して、米国大統領は外交辞令で哀悼の意を口にした。


 F35は欠陥機である。それでも、値段は一機100億円でも買えない戦闘機だ。しかも、アジアの緊張向けである。二隻の空母艦載機だ。「出雲」は不沈空母ということらしい。改憲軍拡の証拠武器である。

 これは軍事力による平和を、日本も米と共有したことになる。戦前回帰の日本である。歴史認識で隣国と対立するのも当然であろう。隣国の経済重視に便乗した極右路線でもある。

 まともな国民にとって、むなしい悲しい出来事である。

<皇室の嫁入りに1億5000万円の皇室典範>

 皇位継承費用166億円に反発する国民は多い。

 同様に皇室の女性の嫁入りに1億5000万円が血税から拠出される。国民は驚く。皇室典範という特例法で決まっているというのだ。


 したがって、自由な結婚に文句がつくことになるのだろう。

 女性天皇を禁じていることも、現代にそぐわない。男尊女卑は神道という原始の宗教と関係している。どうでもいいことだが、相撲のルールもそうだから、女性相撲は存在しない。

<年収3000万円の公証人の山分けする法務検察と最高裁>

 友人は、年収3000万円の公証人の人事について、怒りをみなぎらせる。

 法治も、法も下の平等もいい加減な日本である。筆者も息子の医療事故死で体験したので、検察の違法行為について承知している。

 その法務検察が公証人という途方もない利権に関与していたことが、一部の報道で発覚した。それだけではなかった。最高裁も、この利権の山分けに関与していた。

 世の中は真っ暗闇である。

 まともな人間は生きられない社会である。夢も希望もない日本ということになろうか。ごく普通の日本人が、予想外の事件に巻き込まれてゆくのだとすれば、川崎事件はうなずくほかない。

<赤紙一枚で数百万の若者を殺した天皇責任を棚上げした戦後>

 極右首相の犯罪はいっぱいだが、法務検察は頬かむりを決め込んでしまう司法である。政教分離違反は当たり前の国民の代表と皇室である。

 いとも簡単に立憲主義の日本国憲法が破壊されている。それが許されるいかがわしい日本の原点は、敗戦後の日本の議会いい加減さにある。

 友人はいう。「赤紙一枚で命を奪われた若者は数百万人もいた。その最高責任者である天皇が問われない。それを国民も司法・立法・行政も問わなかった。東京裁判で終わらせてしまった日本人が、問題の元凶である」と。


 「政治家も軍人も財閥も戦争犯罪者をよみがえらせた元凶は天皇制にある。廃止するしかない。みな知っているが誰も口にしない。それは間違いだと、最近、気づいてきた」と彼は現在の心境を吐露した。

 日本社会すべてが病んでしまっている。うつ状態の日本である。冷静・公正な天皇制研究が望まれる時代であろう。

2019年5月30日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

166億円の収支<本澤二郎の「日本の風景」(3329)

<死の商人丸出しのトランプ大統領>

 皇位継承費166億円の一部も支出したであろう、国賓トランプの収支が判明した。国賓とは名ばかりのワシントン「死の商人」は、一連の行事の締めくくりの場面で、やはり本領を発揮してアベら右翼の日本人を感動させ、むろんのこと本人も大満足してエアーフォースワンの人となって、昨日午後、羽田国際空港から帰国の途に着いた。皇室活動では、政教分離に厳しい目を向ける皇后と秋篠宮が光った。原始宗教の祭祀をやめて、アベの外遊に代わって世界を飛んではどうか。雅子さんにお似合いだ。

F35を105機調達のアベ日本会議内閣を世界一と絶賛>

 アベとトランプの5月28日は、小泉純一郎の地元・横須賀で日米の艦船に乗り組んで、好戦派らしい行動と演説で、お互い興奮してすごした。その日に川崎市で悲惨な事件が起きていたが、犯人に宗教的な絡みがなかったのかどうか。


 それにしても、なぜ自衛艦「かが」に乗船したのか。理由は空母「出雲」の二隻目の空母化が決まっていたのだ。知らなかった。恐ろしい速度で戦争する日本へと自公内閣は舵を切っていたのである。

 この空母の艦載機が、米国の最新鋭のステルス戦闘機F35Bである。いまや欠陥機で有名なのだが、トランプは「日本はF35を105機調達する。これは同盟国で一番だ」と絶賛した。

 憲法に違反する攻撃機105機の値段は、1兆円を軽く超えるのだが、アベは茂原のゴルフ場で「しっかりと確約した」のであろう。そのことをトランプは公然と世界に発信した。実は、中国向けに、といっていい。

<ワシントンの鷲=武力威嚇の平和=令和か>

 一度取材で、ワシントンのホワイトハウス前を見学したことがある。そこで平和運動家のおばさんから「Peace」と絵具で描かれた、小さな石を1ドルで買った。大事に玄関に置いてあるのだが、米国の平和運動家にとって、ホワイトハウスは、時に戦争屋・死の商人の出先機関なのだ。

 アメリカのシンボルである鷲は、鳩を食い殺す獰猛な鳥である。

 トランプは、素朴にも、武器の威嚇による平和を、日米の海軍兵士に向かって吠えた。日米艦船で中国を抑え込むというのである。これは日本国憲法が、憲法前文で日本政府に禁じているが、日米の戦争屋には通用しなかった。

 勘ぐると、令和の真意がどこにあるのかが、見えてくるだろう。令和とは軍事力による平和構築ということなのだ。令に美しさ・寛容さはない。命令であろう。新聞も議会も沈黙しているのが危険きわまりない。

<おまけは参院選後に広島級の爆弾投下を公約>

 ゴルフ場でのやり取りの、もう一つの重大な件は貿易不均衡問題である。そこでアベは、近く強行する衆参同時選挙のことで、トランプに哀願した。「頼むから8月の選挙後にしてほしい」「わかった。そのかわりに米国の農業・牛肉業者を満足させるよ。いいなッ」


 事情通は、広島級の爆弾投下に匹敵するものになろう、と分析している。

 日本の農業団体・酪農団体がパニックに陥るような事態を、トランプ自身が共同会見で暴露、アベに釘を刺したのだ。アベの心臓が止まりそうな、唯一の場面だった。

<中国と北朝鮮脅威論の偉大なアベ成果>

 トランプとアベの進軍ラッパに対して、多くの国民は真っ青である。5・3の憲法集会には、6万5000人が東京の会場を埋めた。平和を願う国民は、むろんのこと圧倒的である。新聞テレビが真っ当であればだが、不幸にして現在は、財閥と右翼に屈してしまったマスコミだ。


 そうして6年有余の中国と北朝鮮脅威論を喧伝させてきた政治的効果は、これまた絶大である。拉致問題の効果は少なくない。


 現在の日本は、多くが貧困大国化におびえて生活している。年金の支給年齢はぐんぐん引き上げられている。戦争屋は民意を軽視している。超軍拡路線は、9条解体狙いでもある。


 6年間の脅威論で一部の国民の精神は壊れてしまっている。そのことが超軍拡を可能にさせているのであろうが、事実は誠に恐ろしい事態なのだ。

<それでも枝野の野党バラバラで壊滅へ>

 重大なことは、それでも同時選を目前にして、打つ手なしの野党の体たらくである。野党第一党の枝野はA級戦犯になろうとしている点である。


 何度も指摘しているが、この人物の感度には閉口するばかりだ。平和を欲する国民をイラつかせている。壊滅的敗北を予見できないのか。


 166億円の効果でもあろうが、なんとも情けない。野党がバラバラでは、自公の3分の2確保は確実であろう。アベの心臓を止めることはできない。

 歴史を知らない世代、歴史を教えない教育が、アベを支援してしまっていることでもある。

2019年5月29日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

公の裏切り<本澤二郎の「日本の風景」(3328)

<公証人(10年間年収3000万円)利権を検察と裁判所が山分け>

 公と公の利権の山分けが一部の報道で発覚した。一般人にとって、公証人は資産家の遺言の場面で登場する役人・公人である。公証人になると、10年間、年収3000万円という。福島の放射能除染会社の役員の年収70億円には手が届かないものの、年金年収150万円そこらと比較すると、天と地ほどの開きがある。国民を裏切る重罪だ。貧困社会で、それを法の番人が隠れるようにしてやってきた日本である。

 法務検察と裁判所、最高裁判所が一体となって、公証人利権を山分けしていた。結果、いえることは、国民に対する重大な裏切りとなり、司法の腐敗が底なしであることを裏付けている。

<法の番人の腐敗極まれり、知らぬは国民ばかり>

 日本は法治国家である。これは教科書でも教えている。日本人は法律に違反すると、罰せられる。街のダニであるやくざをのぞいて、法律に違反しないように生活している。

 他人の物を盗まない。他人に嘘をついて、金儲けをしない。これらは日本人の最低の倫理となっている。これに違反すれば、だれでも罰せられる。法の下の平等である。

 これが壊れると、国が乱れることになる。悲しいことだが、いまそのことが問われている。首相の犯罪行為に対して、法務検察は見て見ぬふりをしている。この国の崩壊を裏付けている。


 法の番人の腐敗が、公人の犯罪を助長しているのである。議会と言論の衰退を証明している。まだ気づいていない国民が多数である。ここ数日間のトランプ旋風に付和雷同する国民と、そこへと追い込んでいるNHKである。

 今日も友人が、新聞テレビを見ていると、気が狂いそうになる、といって電話してきた。我が家にはテレビがない。たまにラジオをかけるが、ラジオもトランプにかこつけて、極右首相の宣伝に貢献している。


 選挙で野党壊滅的敗北との予想分析通りだ。166億円の威力でもある。

<民は之を由らしむべし、之を知らしむべからず>

 論語の一説が浮かんできた。

 「民は之を由らしむべし之を知らしむべからず」と。いろいろな解釈があるようだが、為政者の独裁的政治姿勢を説明する場面で用いられる言葉である。この言葉でもって、孔子の人気は大きく下がってしまった。

 民主主義は、人々の思いを爆発させて、徐々に集約して、一つの方向を見定めてゆく行く。全員参加による合意形成を基本にしていて、上位下達や上からの目線を排除する。こうした民主的手法を、右翼は排除する独裁を好む。今のアベ自公政権・怪しげで正体を隠したままの極右団体の日本会議がそうである。


 平和と民主を重視する凡人・庶民大衆は、強権的独裁のファシズムを決して受け入れない。民主主義は秘密を許さない制度である。にもかかわらず、悪しき政権は鉄の板で蓋をしてやり過ごそうとする。

 賢明な国民はこれを突破してゆく存在である。アベもトランプも、取り巻く環境は厳しい。厳しい者同士の同盟強化に笑いがこぼれる。

<科挙制度は大失敗>

 友人は、エリートの犯罪を解説する時、必ず中国が古来より選択してきた科挙制度を取り上げて、これを失敗の制度と断じる。


 日本の明治の科挙制度である「高等文官試験」がそうだ。戦後の国家公務員上級職試験である。

 人間の優秀さを、主に丸暗記筆記試験で決める方法が問われている。公人の犯罪には、倫理観の喪失が根底にある。人間性の欠落だ。これが科挙という丸暗記の試験では、テストできない。


 北方領土を視察中、アルコール依存症の維新の国会議員が「戦争」を口にしたり、女買いに飛び出そうとしたりした。彼はエリートとされる経済産業省のキャリアだった。上級職合格者だ。

 それも両親の努力で進学校へ、ついで東大経済学部を卒業して上級職に合格して経産省入り、次いで松下(現在パナソニック)政経塾で、とことん極右思想を叩きこまれて政界入りした、ほとんど世の中の常識がわからない30代だ。

 同省には、省内で麻薬を使用するキャリアも見つかった。ということは、霞が関で覚せい剤など麻薬が蔓延している。法務検察にいないだろうか。


 その点で、検事から国会議員になって、弁護士と不倫を続ける女性議員が、10日間の長期休日を利用しての、無断のアメリカ旅行をけしからんと文句などいえまい。

 科挙制度は失敗だ。人間性のチェックができていない。平然と国民を裏切る人間は、財務省の佐川だけではない。日本沈没の場面だ。3000万報酬を300万円にして、公募するという当たり前のルールにすることである。それでも法務検察と最高裁が利権化するのかどうか。資格と金力の関係を絶て、だ。

2019年5月28日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

ポチと鷲<本澤二郎の「日本の風景」(3327>

<改憲軍拡アベと死の商人トランプ同盟深化?>

 3年前の今日5月27日、米大統領オバマは、原爆投下の地・広島に出向いて、非核の世界を祈ったものだが、今回は逆転、トランプは鋭い鷲の口ばしと爪で日本列島の、さらなる軍事基地強化へと引きずり込んでいる。感動するアベは、2020改憲施行に自信をみなぎらせている。

 トランプの今回の来日とアベの共演・饗宴から、以上のような感想が妥当ではないだろうか。改憲軍拡アベと死の商人トランプの同盟深化の心臓部は、アジアにとっても危険極まりない。

<房総半島の森でひそひそ商談で浮かれた日米首脳>

 房総半島のゴルフ銀座には、やくざ代議士秘書から二人の国会議員が誕生している。「やくざの賭けゴルフ」は有名だ。首都圏のオアシスは、やくざ代議士らによって破壊されて久しい。


 水源地の巨大な産廃場には、恐ろしいことに、311福島の放射能汚染物質1万トン以上が投棄されていることが、君津市などの調査で判明している。産廃場にやくざが紛れ込んでいないか、と市民は警戒している。千葉県知事はやくざっぽい人物との評価も。アクアライン入り口の「やくざの街」木更津市に、米欠陥輸送機のオスプレイを基地にしようと企んでいることが、最近になって発覚した。オスプレイ襲来は官邸と防衛省の策略だ。清和会OBの報告である。本命の佐賀県では、漁民や市民が「漁場が破壊される」といって、5月26日も反対の決起集会をして、弾き飛ばしていた。房総半島のノリ漁場もSOSだ。


 日米同盟深化を旗印に、ワシントンのポチと鷲は、昨日茂原のゴルフ場に潜り込んで、ひそひそ話に明け暮れて、すっかり満足して、その後はモンゴル相撲観戦と炉端焼きで過ごした。アベのトランプ外交接待には、昭恵ではないが本当にあきれてしまった。日米の大嘘指導者が、そろって森の奥深くでの密談は、日本国民の生活に重大な影響を与えることになる。

 事情通は二人の密談の一部を推測して連絡してきた。「おいシンゾウ、F35は約束通り、100機大丈夫だろうな」「むろんだ。100機以上だ。日本円で数兆円になる。我が国の財政事情からすると、大変な金額になる」「イージスアショアの方も問題ないか」「もちろんだよ。心配ご無用さ」といった具合だったという?

 米産軍体制の僕(しもべ)のトランプは、大いに満足した。「これで大統領2期目が見えてきた」と内心ほくそ笑んだであろう。

 ほかにもある。農産物関税引き下げと車であるが、これには「選挙前は表に出さないよ。シンゾウわかっているよ。その代わりあらゆる手を使って、選挙を圧勝して、目的を果たせ。俺がついているから心配するな」と口走ったかどうか。十分に想定されることではある。

<欠陥機など数兆円を押し付け、再確認して大満足?>

 日本国民は、バブル経済崩壊後の財政出動や超軍拡予算などで莫大な借金の山を作ってきた。現在、国民一人当たり1000万円ちかい借金をしている計算だ。

 なけなしの年金でさえも、株式に投入してきたアベ内閣である。クロダの日銀も禁じ手の株購入に特化、株と為替の操作に翻弄している。全く先が見えない世界では、戦争に誘惑される懸念も強い。

 トランプのイラン攻撃は、いつでも点火する状況にある。EUなど先進各国とも荒れていて、ロシアの北方4島での軍拡も忙しい。


 問題の最新鋭ステルス戦闘機のF35は、欠陥機である。それを100機以上も買い上げるというアベである。F35Bは空母「出雲」の艦載機用だ。オスプレイ同様に危険な戦闘機である。

 これらを「言い値」で購入するというのだから、死の商人が満足するはずだろう。そう読める5月26日の茂原のゴルフ場での密会ではなかったのか。

<農産物関税引き下げは選挙後に決着>

 トランプ再選のカギは、もう一つが車と農産物である。

 こちらもアベが「了解」したらしい。そのことをトランプと側近が漏らしている。選挙後になって、自公支持者は地団太を踏むことになるのだろう。


 アベの盟友の麻生太郎は「大統領とのゴルフ5回は最高記録」とくだらない評価をして、国民の怒りを買っている。5月23日付の米紙ワシントン・ポストは「安倍ほどトランプに媚びへつらうおうと心血を注ぐ指導者は、世界のどこを探してもいない」と酷評している。


 本日の日米首脳会談は、単なる雑談のレベルで終始するかもしれない?

2019年5月27日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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