5・28川崎殺傷事件<本澤二郎の「日本の風景」(3331A)

<2019年危機=病んだ社会の政治テロ?>

 2019年は戦後最大の政治危機であろう。平和憲法が破憲内閣によって、風前の灯という厳しい立場に追いやられているためである。この現実を直視しながら、5・28川崎殺傷事件を分析してゆくと、この悲惨な事件を単なる偶然と受け止めるのは、危険ではないだろうか。日本型の政治テロではないのか。アメリカでは銃の乱射だが、日本では台所で、主婦が日常的に使っている包丁である。病んでしまった日本社会の危機は、したがってまた起きるのだろうか。

<一本の糸>

 5・28児童殺傷事件には、大きな政治的出来事が、一本の糸で太く連なっていることがわかる。

 政府自民党の、破憲を目的とした、徹底した皇室政治利用である。色眼鏡をはずして冷静に眺めてみると、それは明らかである。51歳の犯人が、そのことを意識していたのかどうか。現時点ではわからないが、全く無関係と言い切れるのかどうか。

 何かが引っかかる。国際社会もまた、ワシントンに突如現れた不動産王の政府が、地球の隅々までかき回している。米中貿易摩擦・覇権争いに限らない。欧州もロシアも混乱している。


 絶望が人類の頭上に降り注いでいる2019年である。99%の人々が右往左往しながら、精神を病みながら、かろうじて生存している危うい世界に、日本も埋没している。

<皇位継承=新元号+新天皇+新国賓>

 貧困化する中で、福沢諭吉を大量に印刷、それを使って日本銀行は1%のための株式を爆買いして、日本経済を混迷の淵に追い込んでいる。

 国民のなけなしの金・資産である年金を、これまた株式に投入して恥じないアベ自公内閣である。背後で、怪しげな極右団体がうごめいている不透明強権政治だ。そのもとで1%は、450兆円、500兆円の資金を懐深くため込んでいる日本株式会社だ。

 暴政破憲内閣は、皇位継承でもって平和憲法を破壊しようとしている2019年である。お分かりだろうか。平和を希求してやまない国民の、希望が奪われる2019年になるかもしれない。


 天文学的借金と貧困化の中での日本政治の暴政は、166億円の巨費を使っての、新元号ー新天皇と新国賓の、贅を尽くしたお祭り騒ぎという一本の糸が浮き彫りになる。

 犯人はなんらメッセージを発していない。たった一人の、暴政に対する自爆テロ?だったのか。

 新国賓を前にして日本首相は、欠陥機とされる1機100億円以上もする米機105機を爆買いした。そのことを死の商人の新国賓が、5月28日に明らかにしたのだが、犯人はその直前に恐ろしい事件を引き起こし、国民の目をくぎ付けにして、直後に自害した。

 日本版の自爆テロなのか。

<アベ+トランプ=新空母(かが乗艦)=最新鋭戦闘機F35爆買い>

 犯行現場は、偶然だったのかどうか。

 この日、安倍とトランプは、川崎市を経由して横須賀の海軍基地に向かっていたのだが、犯人の犯行時間は、それに警鐘を鳴らすかのような時間帯だった。

 悲劇の被害者を強いられた児童の通う学校は、ミッションスクールだった。トランプは、そのことに気づいたらしく哀悼の言葉を述べている。場所は二隻目の空母「かが」の艦上だった。

 「日本はF35を105機買ってくれる。同盟国で最大だ」といって安倍を絶賛したのだが、それは悲惨な事件直後だった。


 安倍は拉致被害者の大会に出ても、すぐに自宅に引きこもってしまうが、この日も悲劇の現場に立ち寄った形跡がない。

<犯人の30代、40代の足跡を洗うべし>

 日本が平和憲法を放棄するようでは、もう先はないだろう。それでも、この恐怖の戦略に、平和主義を放棄、加担する太田ショウコウ・山口那津男の公明党に恐怖を抱く国民は多い。信濃町の支持なくして、安倍の恐怖の戦略が成功することなどないのだから。

 病んだ暴政社会では、第二の川崎事件が起きないとも限らないだろうことを恐れる。

 犯人は引きこもり人間と決めつけているようだが、そう簡単に割り切っていいのかどうか。30代、40代をどう過ごしてきたのか。徹底的に洗えば、必ず自爆・暴走した理由がわかるだろう。


 この事件が、もしも日本型の政治テロだとしたら?いい加減に放置はできないはずである。

2019年5月31日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)