森と山口の深い仲<本澤二郎の「日本の風景」(3297)

<「二回生議員からジャパンライフと関係」と清和会秘書会ボス>

 「サメの脳みそが二回生のころ、すでに山口と特別の間柄だった」と清和会OBで秘書会ボスのN氏が明かしてくれた。「サメの脳みそ」とは元首相の森喜朗である。森の時代から、日本政治は極右路線を走るようになった。そのためで、相当遅れてジャパンライフの巨額詐欺事件が捜査の対象になった。4月25日ジャパンライフの会長宅が手入れを受けたことに、昔から事情を知るN氏は感慨深げだ。選挙目前のドブ掃除だ。


 山口というと、TBS強姦魔も山口である。池田大作の裏切り人も山口だ。そして詐欺商法巨人の山口が、ついに権力の保護から解放されたことになる。この山口には、報道によると、安倍人脈が深く広く関係している。驚くべきは広告塔に安倍御用記者も。ただし、NHKの岩田の名前は出ていない?

 政界と言論界が、この大掛かりな詐欺事件に関与するという前代未聞の大事件が、安倍周辺へと向かうのかどうか。ありえない。ガス抜きだろう。


 森は、フランス司法当局による五輪買収事件との関係も注目されている。二つの難題をどうやりくりするのか、永田町の注目を集めている。

<森喜朗とハナ肇が当初の山口人脈>

 森が二回生というと、福田内閣のころだ。幹事長が大平正芳、森はたくさんいる副幹事長の一人だった。

 清和会秘書会幹部だったN氏にも、山口が接触を求めてきた。彼は「あいつの詐欺師をすぐに見抜いた。衆院議長をした山口喜久一郎の身内だとほざいたので、詐欺師と分かった。山口の人脈がサメの脳みそと芸能人のハナ肇だということも。山口には森はろくなものではない、と言ってやったら、彼はすぐに森事務所に駆け込んだ。するとまもなく、清和会事務局長の恵比寿から注意するようにとの電話がはいった。逆に山口はインチキ人間だと反論したことを今も覚えている。以来、森との関係が悪くなった」とまるで昨日の出来事であるかのように打ち明けたものだ。


 大掛かりな詐欺商法には、政治屋と芸能人、それにマスコミ関係者が関与するらしい。筆者などは、ジャパンライフがどんな会社なのか、昨日のN氏の電話で教えてもらうまで知らなかった。

 それは「数万円の磁器の健康器具?を、やや欲の突っ張った老人たちに100倍の値段で売り付けて、それを第三者に貸与することで、高額の配当金を出すという詐欺商法」という。

 ずいぶん前に破産し、被害者が大騒ぎしても、政治力で逃げ切ってきた。いま安倍の外遊時期に合わせての捜査開始という、ここにも政治判断が働いている。


 安倍家執事の加藤も山口の配下だった、と報道されている。法務検察がどこまで手を出すのか。国会議員には手を出さないかもしれない。

<安倍の政治力低下の証拠>

 これまで安倍に関する犯罪は、まずは森友事件から、加計幸太郎事件、次いでTBS強姦魔事件などなどであるが、それらすべてをやり過ごしてきた。

 法の下の平等という近代法の大原則に違反して、長期の政権を続けてきている。山口の「下駄の歯」政党の支援のおかげだ。

 そのことで、日本の法務検察は死んでしまっている。正義のない日本である。安倍自民党が信仰する神社で、生活に困ったホームレスが賽銭箱から10円でも取れば、警察は窃盗罪で逮捕している。

 加計は公金数百億円を懐に入れても、のうのうと生きている。この大きな法的落差は、いかんともしがたい。


 それでもジャパンライフの山口を守れなかった?被害者の怒りをなだめて、自民党支持にさせようとの魂胆に相違ないが、それでも安倍政治力の低下は、二つの衆院補選を落としたことと関係があろう。

<法務検察の監視を忘れるな!>

 このような犯罪を放置放任するということは、今日の世界では想定できない。アメリカやフランス、ドイツ、韓国などでは考えられない。主権者である国民が許さない。

 税金泥棒の法務検察が容認されることはない。野党や国民の監視故である。新聞テレビが許さない。

 日本では、この三つの柱が腐ってしまっている。それでも正義を受け入れる国民は、腐りきった法務検察の監視を、執拗に続けなければならない。

<政権の交代で官邸犯罪を血祭りに!>

 主権者である国民、特に無党派層が決起すれば、政権の交代が起こる。早ければ、この夏にも実現する。

 新政権は、直ちに法務検察の人事を刷新する。今の高官は首にして、一連の安倍事件を徹底捜査させる。韓国のように、前首相逮捕へと突き進むことになるだろう。トランプも危うい。

 主権者が沖縄県民のように覚醒すれば、自公を撃墜することができる。枝野の責任は重い。ひどく重い。

2019年4月27日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)