2019年危機(13)「死の商人」決起<本澤二郎の「日本の風景」(3280)

<平和の平成天皇を困惑させた元凶>

 退位目前の平成天皇の発言中、30年を振り返って「戦争が起きなかった」という安堵したくだりで、涙声になった場面を忘れない。ところで主権者である国民は、皇居の中を想像することもできない。分厚いカーテンで囲われているためだ。宮内庁の任務であるらしいが、さりとて天皇周辺には、それでも情報が集中しているようなのだ。

 嘘か真か、以前、辛辣な政権批判をする御仁が「私の読者は天皇」と口走ったことがある。戦前の侵略戦争の元凶は、いうまでもなく一部の悪徳官僚や交戦派軍人、政治屋が深く関与したのであろうが、本丸は財閥・死の商人である。

 皇室にとって、財閥の表の顔である大手町の行方に関心が向くことになろう。そうしてみると、この6年間のそれは、死の商人が牙をむいていることがわかる。高齢者は「軍靴」の音をかき分ける。平和軍縮派である筆者にもわかる。

 大手町が危機の震源地なのである。憲法改悪の震源地も大手町なのだ。そういえば、読売本社も大手町である。死の商人決起に皇居が震えあがっていたことなのか?

<日立・経団連会長の「原発作れ」の大号令>

 数日前になるのか。大手町の主は、現在、財閥・日立の番である。日立というと、茨城県を思い出す。福島の東電原発爆破現場の隣である。さぞかし放射能アレルギーが強いと考えられるが、名前など知らないが、この日立・経団連会長が「日本は54基の原発では不足する。再稼働は言うまでもなく、新規増設を図れ」と記者会見で、狂ったように吠えた。

 平和軍縮派は、当初、聞き間違いか、と思ったほどである。

 ネット情報に出ている。財界担当記者はみな知っている。記事にした記者もいるだろうが、問題は、この狂い咲きの発言をどう記事化したか、でその記者の価値が決まる。想像するに、大半が「垂れ流し」ではないだろうか。

<311の教訓ゼロ、広島長崎を忘却>

 日立はイギリスの原発建設を断念した。これほど危険で、コストのかかるエネルギーは、この地球に存在しない。311事故が証明している。ドイツのメルケル政権は、即座に廃炉に転換して世界をあっと言わせた。メルケルは賢明な政治指導者である。

 日立は311の教訓ゼロの財閥である。イギリスの原発建設に手を出して、失敗したばかりである。輸出がだめなら、日本国内につくれ、である。

 死の商人にとっては、広島・長崎も、2011年の311も関係などないのだ。むろんのことで、同じくトルコに輸出しようとして、安倍晋三を先頭に売り込んだが、ここも失敗した三菱重工である。

 それでも原発推進にこだわり続ける。なぜか?彼らには人間の心が存在しないのである。死の商人に人間性などあろうはずがない。欲得で行動する輩なのだ。

 東電福島3号機は核爆発を起こした。水素爆発と宣伝する政府関係者と製造企業の東芝は、現地に行って確かめるといい。1号と2号は水素爆発だが、3号機の東芝製は核爆発を起こしている。

 友人が白血病で入院している。白血病患者が増えているようだ。妻は肺腺癌で死んだ。2013年11月23日が命日である。311と関係がないのか。息子は311の前年の4月7日、入院直後の東芝経営の東芝病院で窒息死させられた。それでいて反省も謝罪もない。

 東芝は原発に手を出して、ついに沈没、それでも人間性のある経営者は現れない。日立も東芝も三井系という。

NHK+読売などマスコミ制圧>

 死の商人決起は、公共放送のNHKに財閥代表を送り込んで制圧してしまったことで判明した。政権もまた、財閥傀儡である。NHKから政権批判が消えて、安倍広報機関に堕してしまった。これは大変深刻な事態である。

 言論の自由を喪失した日本国民は哀れを通り越した。戦前回帰であろう。


 まずは、権力の横暴とはいえ、こうした事態を受け入れてしまったNHK関係者に驚愕する。なぜ言論の自由を守らなかったのか。それこそ体を張って守れなかったのか。確かに、一皮むいたNHKには、政治屋や財界人の裏口就職組が相当数存在していた。土壌を改造させられていたのである。NHK労組の弱体化のもとで、財閥は決起したものだ。NHKの読売化は事実である。


 新聞を読まない21世紀は、テレビ報道と連携するスマホで、悪しき政府は国民を容易に扇動することができる。日本は、テレビチャンネルの少ない。読売の日本テレビ、産経のフジテレビ、日経のテレビ東京で、悪しき権力は人々を容易に操作・扇動することができる。

 その先頭にNHKが立ったということは、財閥傀儡政権が見事にクーデターを成功させたことになる。安倍晋三を操る真の黒幕が財閥・死の商人と断罪できる。平和国民を追い詰めている2019年危機なのである。

9条崩壊目前>

 森友事件・加計幸太郎事件・TBS強姦魔事件と次々と安倍犯罪が発覚しても、安倍はやめない。野党追及も、恐ろしく弱い。3分の2に軽く押し切られてしまう。

 驚異の超軍拡予算でさえも、スイスイ成立してしまう。超高額のミサイル導入、一機100億円をこえるステルス戦闘機を、今後100機も購入する。F35だけで1兆円を超える。

 4月1日から物価がぐいぐいと上昇している。その上に10月から10%消費税がのしかかってくる。莫大な借金財政の日本を、米国の学者は「日本沈没」と警鐘を鳴らしている。

 死の商人決起の当面の目標は、9条改悪に尽きる。これこそが2019年危機の正体であるが、新聞テレビは真正面から報道しない。恐ろしい2019年なのである。

<信濃町の軍国主義化>

 この恐怖の先導役が、意外や信濃町である。公明党創価学会である。ここを世人には理解不能であろう。というのも、信濃町の懐は国民が仰天するほど豊かである。

 三井・三菱などの銀行に腐るほど預金している。そのほかにも。本来であれば、財閥に圧力をかけることができる立場のはずだ。


 中国との信頼を培った池田大作のいなくなった信濃町で、劇的ともいえる変動が起きている。安倍晋三の腰ぎんちゃくになった太田ショウコウ・山口那津男らの信濃町クーデターである。


 9年も東京での中国大使を歴任した創価大学OBの程氏の回顧録が、事態の深刻さを証拠として裏付けるかもしれない。池田を排除した、背後での太田・山口らの、池田裏切りの真相を承知しているのかどうか。


 いえることは、信濃町の全面的な支援のもとで、一連の戦争法制は強行されてしまった、という史実である。最初の特定秘密保護法強行場面で、やくざに殺害された「木更津レイプ殺人事件」の美人栄養士の乾坤一擲の叫びは、いまも太田の心臓を直撃している。


 信濃町の強力な支援なくして戦争法制は実現しなかった。池田の無念は想像に絶する。財閥の決起に連動した信濃町の、悪魔のような戦いが、2019年危機の、結末を決めることになるのである。

 以上はだれも書かない、書けない2019年危機である。

2019年4月10日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)