日本の民主主義<本澤二郎の「日本の風景」(4464)

<言論と議会が正常に機能することが前提条件>

 人類がようやく手にした人民が主人公となる民主主義も、それを正常に機能させることは容易なことではない。そのことを人びとは、特に弱者である庶民は、日々肌で感じさせられている。要するに、民主主義が正常に機能していない日本なのだから。


 どこに問題があるのか。首相が公然と犯罪行為に手を染める。しかし、警察も検察も取り締まろうとしない。原因ははっきりしている。言論・マスコミが正常に機能していない。権力を監視するどころか、逆に権力者の情報操作・広報活動に専念している。

 第二に立法府である国会が、正常に機能していない。「提案型野党」と吹聴して、すべてを政府与党任せに徹しているイカサマ野党が現れた。戦前のヒロヒトの侵略戦争時に登場した大政翼賛会という、議論をやめてしまった非常時の悪しき体制に潜り込んでしまっている。

 日本の民主主義は、形はほぼ完ぺき・立派だが、肝心要の二つの機能が腐蝕してしまっている。それを良しとする無気力な戦前の国民性が、今も継続している。戦後77年は戦後最大の危機といえる。敗戦後憲法が否定したナショナリスト(国家主義者)の勢力が権力を掌握して、今も危険な航海をしながら、羊のような国民を危ない餌場に引きずり出している。


<天皇も政府も憲法を尊重し順守する義務を負っている!>

 現在の日本国憲法は、戦前の天皇制国家主義体制下、近隣諸国家を侵略植民地にし、その歴史的な敗戦の教訓を真摯に反映させた戦争放棄を、政府に約束させた人類がうらやむ平和憲法である。戦争は政府の行為によって始まる。決まって防衛の名のもとに始まる。それにカンヌキを差し込んだ不戦の憲法である。

 天皇も当然のことながら、政府も憲法に拘束されている。それ故に死の商人の一翼を担うナショナリストや、戦前の国家神道という極右戦争宗教が、あれこれと屁理屈をつけて、平和憲法を破壊しようと日ごろから暗躍してきている。

 戦争の悲惨さは、今のウクライナの様子を見聞するだけでも理解できる。実際はもっともっと悲惨だ。特に女性と子供たちの運命は、より深刻である。未来ある青年が、殺し殺される戦争は、いかなる事由をつけても正当化することは出来ない。

 はっきりといわせてもらう。天皇が信仰する神社神道は、戦前の侵略戦争を強行した精神的支柱そのものだった。そこへ昂然と参拝することを、憲法は禁じている。首相や国会議員の参拝もNOである。国際社会では、戦争神社と評価されている。戦争を禁じる憲法の政教分離規定は厳しい。森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三の清和会は、ナショナリストの売国奴派閥であると断じるべきだろう。


<権力に屈する新聞とテレビばかりの日本メディア>

 言論機関は、第四の権力といわれる。国民に代わって権力を監視する重要な任務を帯びている。社会の木鐸なのだ。権力を監視しない新聞テレビは、ジャーナリズムといえない。

 「ジャーナリズムとは報じられないことを報じることだ。それ以外は広報に過ぎない」(ジョージ・オーウエル)

 現在の日本の新聞テレビは、ごく一部の例外を除いて、ジャーナリズムといえるものはほとんどない。公共の電波を使うNHKが、政府の宣伝機関ではお話にならない。これまた売国奴放送であろう。

 政府宣伝の反ジャーナリズム新聞テレビは、政府の世論操作の役割を担っている。到底民主主義の日本では許容されてはならない。

 

<世界一高給という恵まれ過ぎた待遇に満足する翼賛体制下の国会議員>

 正常に機能しない国会は、これまた売国奴議員の特権的集団という評価を受けるだろう。国会は国権の最高機関である。行政府の暴走や悪政を糺す責任ある重大な使命を帯びている。

 与党議員の質問は聞いていられないほど低調である。八百長質問という昔からの評価は変わっていない。政府の不正を追及する野党には、爆弾男といわれる勇猛果敢な議員がいたが、今はいない。

 世界一恵まれた高給を枕にしている議員ばかりではないのか。戦前のヒロヒト体制下の翼賛体制に似ていて、不気味この上ない。


<死に体マスコミと国会=庶民に襲い掛かる貧困と格差社会>

 国民はどうしたらよいのか。

 世界不況下のコロナ経済、そして日銀の悪政で、急激な円安による物価急騰、一方でロシアとウクライナの戦争が、エネルギー価格を異常に引き上げて、庶民の懐は日々いたぶれている。政府は原油元売り業者の面倒を見ても、庶民のための消費税廃止を決断しない。

 死に体マスコミと死に体国会の被害者となって、厳しい生活を強いられて、変わるところがない。貧困と超格差に耐えられない事態に追い詰められているのではないか。泣きたいが声も出ない!民主主義の死滅を許してなるものか。

2022年6月4日記(東芝製品・サントリー不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

アメリカ大陰謀?<本澤二郎の「日本の風景」(4463)

<バイデン=これ以上ロシアを追い詰めない=東アジアに舵を切る!>

 数日で決着がつく、と思い込んだロシア・プーチンのウクライナへの軍事侵攻は当てが外れた。2022年5月30日米国大統領のバイデンは「これ以上ロシアを追い詰めない」と宣言し、いち早く舵をヨーロッパから東アジアに切り替えた。その先頭にウクライナに代わって、日本を選んだとみたい。かつて米陰謀集団CIAが育んだ、反共ナショナリスト右翼勢力の活用である。


 従来のアメリカ覇権超大国の手口は、米兵が自ら血を流すことで対応してきたが、繰り返し大敗を喫してきた。今後は戦前のロンドンの大英帝国の方針に切り替えた。

 ロンドンの戦略は「アジア人同士で戦わせる」もので、今回アメリカはスラブ人同士の戦いをさせて、ヨーロッパでほぼ成功した。戦前の日本人が浮かれた日清日露の勝利は、背後の大英帝国の強力な支援の賜物であった。日本は近現代史で教えていない歴史の真実である。


 現に敗戦後の日本支配を強固にするために、米占領政策は戦争犯罪者を擁立し、強引に政権に就かせて、日本を反共の砦とした。その血脈が今も安倍・清和会に流れている。ワシントンにとって、実に好都合な布陣といえるだろう。ワシントンの「死の商人」は東アジアに狙いを定めたといえよう。危機的な東アジアだ。日本は参院選後に改憲軍拡を本格化させるだろう。


<深追いしないワシントン=ロシアは大混乱=プーチン失墜>

 モスクワとワシントンのホットラインは、デジタル時代の現在、当たり前のように機能しているだろう。極秘のプーチン・バイデンの会談が行われている。その核心は「モスクワの核」を封じ込めるための双方の密約だろう。その見返りが、バイデン発言につながったと推論できる。

 プーチンの目論見は外れた。隣国のフィンランドなど北欧中立国がNATO軍事同盟入りを宣言し、これに目下、トルコのエルドアンがブレーキをかけているが、どうなるか。米国の最新鋭兵器のウクライナ投入も、裸の王様にとって予想外のことだった。ゼレンスキーがCIAの操り人形であることも、プーチンは気付かなかった。


 深刻なことはロシア経済の破綻である。国内からプーチンNOの合唱が噴き出ている。いま戦争をやめても、ロシアの混乱は続くことになる。「プーチンを生かさず、殺さずが得策」がワシントンの判断か。


<米産軍複合体の最高の餌は東アジア利権>

 戦争こそが空前の暴利を得る手段と考えるワシントンの産軍複合体・死の商人の標的は、人権侵害を大義とした中国介入である。「中国の習近平を台湾におびき寄せる作戦」は、二匹目のドジョウ狙いであろう。バイデンにとって幸いなことに、台北には北京が決して譲歩できない台湾独立派政府が存在している。日本では安倍晋三・岸信夫兄弟が、祖父の岸信介以来の悲願ともいえる台湾独立に、とことん入れ込んでいる。ワシントンの台湾ロビーは、イスラエルロビーに次ぐ勢力だ。


 とうの昔から防衛省と在日米軍は、台湾有事のための布陣を敷いてきている。台湾有事を煽り立てる台北政府と日本の極右勢力、さらにはワシントンの台湾ロビーも派手な動きを見せて、北京をイラつかせている。

 覇権大国の二匹目のドジョウ作戦で、まんまと北京をおびき寄せることに成功すれば、ワシントンは笑いが止まらない。その場合の先陣役に、日本を指名してきているとみたい。これに安倍同様に、外交音痴の岸田が乗ってしまうと、日本は100%破滅することになるのだが。


 先月の日本初訪問時の記者会見で、バイデンは台湾有事に応戦するというきわどい発言をして、日本と台湾の右翼メディアを喜ばせた。具体化すると、沖縄県民どころか、54基の原発を保有する日本列島に人間が住めなくなる覚悟をしなければならない。こうした事態を回避する戦略が、日本政府に不可欠だが、目下の財閥傀儡政権は掉さして、改憲軍拡に狂奔していて危うい。


 ワシントンの死の商人跋扈をどう阻止するのか。このことが日本政府と国民の深刻な課題であろう。杞憂とは言わせない。ワシントンが用意した中国封じの経済戦略は、事態を悪化させるばかりだ。日米豪印の4か国体制も危うい。中国は世界最大の消費市場である。日中友好は、アジアの平和と安定の基礎であることに変わりない。


<欧州ウクライナ・ゼレンスキーアジア版は日本の台湾派?>

 日本と中国・南北朝鮮との関係は、ぬぐいがたいヒロヒトの侵略戦争の深い傷が、未だ癒えることなく存在している。1972年の国交正常化という日本外交の成果を無にしてはなるまい。米中対話と日本の橋渡しが基本だ。日米の資本家・財閥の犬でいいわけがない。

 ウクライナのアジア版を断固として拒否したい。警鐘乱打しておきたい。

2022年6月3日記(東芝製品・サントリー不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員) 

変よ、ホントに変だ!<本澤二郎の「日本の風景」(4462)

NHK日曜討論会=自衛隊は憲法違反と誰も言わない>

 教養人が声を上げ始めた!筆者はNHKの日曜討論会を聞いたことがない。各党がそろって党利党略・自党宣伝する場のため、情報の価値がない。それでも真実の情報を得ようとして、毎週の政党討論会を聞く教養人はいる。

 そんな一人が電話をくれた。「おかしい。どうかしている。変だよ」と声を上げた。「恐ろしい。この国がひっくり返るのも、そう遠くない」と言ってうめいた。

 討論の中身は、安倍や高市ら極右・日本会議の主張に岸田も同調、改憲軍拡の嵐が本格化していることに対する各党の対応だったらしい。


 政府は日本国憲法を順守する義務を憲法上、課されている。憲法は武器の所持を禁じ、戦争を禁じている。答えは決まっている。それなのに「どこの政党、政府も日本国憲法について、出席者の誰も口にしなかった。もともと野党は日米安保に反対していた。それなのに日本共産党でさえも、発言しなかった。正論で勝負しない共産もどうかしている。なぜ政府の腹の中に手を突っ込もうとしないのか」といって声を詰まらせた。


 多少、日本の先行きを考えている識者は、以上の指摘に同意するだろう。「イケイケどんどん」の日本政府に野党までも追随している現在の日本である。

 歴史を振り返ると、ドイツの民主的なワイマール憲法体制が、選挙で選ばれたナチス・ヒトラーによって崩壊してゆく。同じ有様が、今の日本であることが、はっきりと見て取れるというのにである。だが政府も野党も、憲法を口にしない。どういうことか?筆者の不安が的中する2022年の、戦後最大の日本危機に、教養人も遂に口を開いてくれたのかもしれない。


<日米安保・地位協定・合同委員会=占領体制そのままに沈黙>

 アルバイトで学費を稼ぐのに忙しかった筆者は、法学部に籍を置いても勉強は二の次だった。それでも橋本公亘教授が憲法9条を解説してくれた時は、本心から「日本はすごい国だ」と感動した。中学や高校で、9条のことを教えてくれる教師はいなかったものだから、戦争を拒絶する平和な日本の前途に、心底から希望を感じたものである。

 言論活動の原点である。日本人の普遍的な原点だ。これを何人たりとも破壊することは無理だろう。改憲軍拡は憲法に違反する行為だから「世の中は変わった」というイカサマの煽りで、死の商人の言い分に与することは、日本人にとって大罪である。

 独立国として平和に生きるためには「日米安保を廃止することである」という論理へとつながるはずだが、この点が筆者も「寄らば大樹」を決め込んできた。しかし、教養人は「日米安保・地位協定・合同委員会が日本の平和主義を損なう元凶だ」と喝破した。最近になって「合同委員会」を調べると、まさに77年前の占領下の日本が継続している。


 自民党本部の国際局に所属していた人物も委員会は「ジャパンハンドラーズが事実上、操っている。彼らこそがワシントンの死の商人」と決めつけた。国際条約にも関わらず、秘密裏の組織が日本政府を拘束しているとなると、もう開いた口が閉まらない。日本はアメリカの属国そのものである。

 敗戦後の日本は、平和憲法によって平和に生きる権利を手にした。が、その実、ワシントンのポチ・ワシントンのポケットを強いられている。このことに野党でさえも、現在はなびいて恥じない、今の日本なのだ。ウクライナのゼレンスキーと大差ないだろう。


<駅前で自衛隊員募集=大変な事態=これに気が付かない国民>

 プーチン独裁下のロシアでは、若者の兵役拒否が表面化しているという。当然であろう。ウクライナもそうだが、こちらの報道を西側はカットしている。21世紀において、人を殺し、殺される人生に飛び込む人間などはいない。

 それでも生きるために軍隊に入る若者の多くは、アメリカでも貧しい家庭の黒人青年が多い。


 100歩譲ろう。軍拡を叫ぶ与野党の議員と政府要人、霞が関の特に原子力ムラの輩は、率先して子弟を戦場に送り出す義務があろう。これを自衛隊法に規定してはどうだろうか。憲法を蹂躙する輩の義務として?できるか!

 「駅前に自衛隊員を募集する事務所が列島にくまなく配置されている」という教養人の説明に頷くばかりだ。ことほど人の道に反する、殺し合いの世界を誰もが拒絶する。しかし、働く場所のない青年、最近は子供を持つはずの女性も自衛隊に入隊している。

 憲法違反を堂々と推進する財閥傀儡政権に反吐が出るだろう。日米安保を廃止すれば、憲法に従って武器弾薬を海中に放棄し、魚介類の住み家に提供することが、真っ当な憲法人間なのだ。


<憲法を前面に出す政党がいない>

 それにつけても「討論会において、憲法を取り上げて改憲軍拡の非を指摘する議員が一人もいなかった」というのである。


 世界一の高給を自分たちで決めて、優雅な昼寝する国会活動に、自民党から共産党までが、永田町劇場でお芝居をしている?いまこうした真実に目を覚ます国民は、かなり増えている。間違いない。


<原発反対の知事候補が大敗した新潟>

 ヒロシマ・ナガサキ・フクシマの核爆発を経験した日本人である。誰もが核はNOであるが、安倍晋三は違った。「彼はロシアから核兵器の技術を手に入れようとして、27回もプーチンと肩を叩きあってきた大罪人。そのためだろう、北方四島を二島でいいと主権放棄もした大罪人」との指摘は、おそらく事実に相違ないだろう。


 教養人は、最近実施された新潟の知事選に触れた。「反原発派候補が現職を打倒するかもしれないと期待した。たとえ敗れても、接戦に違いない」と判断していた。蓋を開けると反原発派候補は、完璧に敗北してしまった。

 東電からの選挙資金がモノを言ったのだろうが、フクシマの教訓さえも活かそうとしなかった新潟県民に「腹が立つ」といった。当然であろう。読売宣伝の成果ではないにしても、日本国民の劣化にも識者は衝撃を受けている。


<「戦争停止せよ」と誰も言わない日本と国際社会>

 確かにおかしいことばかりの日本と世界ではないだろうか。日本は憲法に違反して、ワシントンの指示に従ってウクライナ支援に狂奔している。肝心要の「戦争を止める工作」に無関心である。このことはウクライナとロシアの共倒れを狙っているとしか言いようがない。


 不思議なことは、唯一トルコのエルドアンだけが調停役で、中国が全く動こうとしていない。「ロシアがこけると中国にプラス」ということが、果たして本当なのか?戦争被害者は、アメリカを除く人類すべてだ。それなのに国際社会は、戦争阻止に動こうとしていない。まるでドラマを見るように、偏見映像に興味を示している。おかしいと教養人は嘆く。 


NATO軍事同盟に日本の首相が参加する!=どういうことか>

 NATOは軍事同盟である。その外相会談に日本の外相が参加した。ワシントンの厳命に従ったものだ。今度はNATO首脳会議に首相が参加するという。まるでNATOの一員になって、戦争の世界に埋没する日本に、誰も異論を唱えようとしていない。

 危険極まりない事態に掉さすだけの日本丸に、武器弾薬のみが膨らんで、財閥を喜ばせている。狂喜乱舞の列島か。

2022年6月2日記(東芝製品・サントリー不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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