自己防衛コロナ作戦<本澤二郎の「日本の風景」(3677)

<体温計も買えない!安倍晋三に頼れない庶民の知恵>

 半年ぶりか、埼玉県で介護施設を開業しているA君に、習いたての携帯SNSで「元気かな」と発信したところ、大きな声で返信してきた。元自民党代議士秘書で、性格の明るい青年も、もう60代だろう。江戸時代だと一心太助のような、気っぷのいい男前の人物で、今も当時の面影を残していて変わらない。人脈が豊富だから、安倍に屈せずに威勢がいい。


 「安倍のお陰で体温計が買えません。1000円ほどの値段が、いま1万円、2万円近い」というのだ。数年来、体温計を使用したことがないジャーナリストには、体温計の話がピンとこないのだが、どうやらマスク不足・医療従事者の防護用品不足だけではないのだ。PCR検査の入り口となる体温計までもないのだという。

マスク業者どころか、体温計屋まで儲けさせる政府をいただく市民は、踏んだり蹴ったりだ。政治が、この国を落下させていることは間違いない。


 彼には「日本の保健所は市民の味方ではない。病院と癒着しているいい加減な公的機関だから、特に注意しなさい。私の6日のブログをみてね。19年間も、身内の入院先の病院から、保健所を観察監視してきた君の大先輩の体験話だから、うそではないよ。日本のPCR検査の、いい加減な様子も見えてくるよ」と指摘した。


<「漢方薬・清肺湯飲んで2日間熱、3日目に治った」!?>

 彼は、知り合いの話を紹介してくれた。漢方薬に「清肺湯」とかいう薬が効くというのだ。

 詳細にメモを取らなかったので、少し混乱しているが、要するに「金沢大学の小沢教授が論文を書いてあるそうだけれど、ツムラでも売っている確か清肺湯とかいう漢方薬を飲んだところ、2日ほど熱が出たけれど、3日目には治った。私の知り合いの報告なので確かですよ」という。


 現在は、コロナウイルス感染者に対する治療薬はない。医療現場ではあれこれ試しているのであろうが、中国だけでなく日本でも漢方薬に依存していることが、少しだけ理解できた。彼の話では、中国のそれは名称が少し違うらしい。


 リウマチの特効薬で「アクテムラ」という薬のことか。コロナは肺を直撃するため、寝ていると苦しくなる。起きることで、呼吸ができるようになるという。これは確かだ。寝たきり患者の病状悪化は当然のこと、肺を駄目にしてしまう。ベッドを起こすことを心掛けないと、肺炎死亡率を高めてしまう。このことは息子の介護で学んだことである。



<「万能酵母君」で鼻の菌退治!>

 文字が正確か自信はないが、彼は歯科医の受付で「万能酵母君」なる液体薬を見つけて、それにも取りつかれている。寝る前にこれを数滴鼻に垂らすと、鼻に付着している菌を退治してくれるという。

 東京医科歯科大学が、タンポポとヨモギの発酵液から採取したものだそうで、彼は妻と孫も使用して、インフルエンザの予防にもなっているという。


 鼻に入ったコロナ菌を退治できるかどうか?彼はできるらしい、と信じている。民間の知恵なのか、いい話は試すしかない。

 漢方薬の副作用は大きくないという。特に肝臓病の特効薬の「強ミノ」は、免疫力を高めてくれ、普通の量では副作用はほとんどない。オーナーの宇都宮徳馬さんから、何度も聞かされている。



<「コロナは米化学メーカーがボーリング中に発見培養」説?>

 彼は元代議士秘書として大変な情報通である。秘書でありながら、新聞記者のように腰が軽く、地元の支持者や霞が関の役人と接触することに、生きがいを感じるようなところがあった。

 嘘か真か、聞いたこともないコロナ真犯人説を語った。新型コロナウイルスは「米国製」という。どこで聞いたものか、犯人のコロナウイルスは、米国の巨大な化学メーカーで、これまでは防護服をそこでほぼ独占していた。

 政治献金も巨大で、政治力も強い。当初は火薬メーカーとしても知られていた。彼の説明では「ボーリングをしていてウイルスを見つけ、それを培養したものだ。目下、トランプは中国を犯人に仕立て上げようと必死だが、どっこい真犯人はアメリカの可能性も」という意外な話である。

 すべてデマとも思えない。


<岩手県は森林・空気清浄機でコロナ排除?>

 彼は大学で生物学を学んだ。そこから「岩手県は現在のところ、コロナ感染者が一人もいない。あそこは森林が豊富で、空気が清浄である。コロナも近寄れないらしい」という。清潔なところにコロナは少ないかもしれない。

 市民の知恵は、政府の専門家会議よりも分かりやすい。

2020年5月7日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

PCR対応不能の保健所<本澤二郎の「日本の風景」(3676)

<お粗末専門家会議+保健所の無能無責任>

 「日本のPCR検査数は、OECD加盟国の後ろから2番目に低い」「結果として、感染者も死者の数は低く抑えられているため、WHOは韓国を評価しても日本を評価しない」という事実が、緊急事態宣言発令から1か月後、昨年12月からだと半年後に判明した。出鱈目すぎるコロナ対策の日本か。中止確実の五輪に執着する安倍・自公・日本会議の右翼政権や、政府専門家会議のお粗末判断もさることながら、PCR検査有無の入り口に指定された「保健所」に感染病対応能力が全くないことを、実に19年間、身内の介護のため、徳洲会病院に通い詰めてきた遺族(元国土庁長官秘書官)が、わざわざ筆者の下に駆け付けて証言した。


 「あなたは保健所を知っているか」と尋ねられて正確に答えられる市民はいるだろうか。調べて分かったことだが、確かに公的機関だが、国ではなく、都道府県などが設置したもので、権限だけはかなりある。所長は、.医師と同等の能力のある者でないとなれない。名誉職のような存在で、本気で市民を守る使命を帯びている組織では、全くないと指摘せざるを得ないようだ。

 専門家会議などは「能力を超えている」などとほざいているようだが、保健所は無気力で、能力そのものが「ない」のだという。極論すると、PCR検査の少ない日本は、政府・専門家会議・保健所の「無能無責任」体制で対応していると判定しなければなるまい。


<日常的に患者のための病院監視機能を放棄>

 19年間、毎日病院通いをした日本人がいたことが不思議なのだが、そのような人物の視覚には、優秀とされる日本の病院が「いい加減」「出鱈目」が多すぎるという。筆者も6年間、千葉県市原市の帝京病院に、ほぼ毎日のように通った。

 ばい菌と腫瘍の判断を間違えたお粗末な東大医学部OBの教授と助教授によって、一番期待した早稲田大学OBの息子を植物人間にされてしまったことから、彼の鋭い指摘に頷くばかりである。入浴から散髪、タンの吸引から、おむつの交換と、看護師に代わって、妻と命がけで息子を介護した経験者だから、なるほどと理解できる。ここ数年の、北京での義母の介護に苦痛を感じない理由でもある。彼女は今日96歳の誕生日だ。


 人は現場に足を入れることで、正確な判断ができる。そこから保健所のいい加減な体質を、彼は何度も体験していた。「病院でインフルエンザにかかった。ダニの疥癬にもかかった。それでも、保健所はなんら行動を起こさなかった。医療事故死に対して、病院はインフォームドコンセントさえも、まだしてくれない。そのことさえも、保健所はまじめに対応しない。立ち入り検査をしなければならないはずだが、そうしない。警察も捜査を打ち切って、病院に味方している。要は保健所は、病院を監督・監視する使命を忘れて、病院と癒着して、患者と遺族に向き合ってくれない」という悲惨な公的機関なのだ。


<病院での院内感染に目をつむる保健所の無法体質>

 この病院は「24時間逃げないで救急医療」で評判になった日本、否世界最大の徳洲会病院である。暴利を得た徳田虎雄は、石原慎太郎に巨額の裏金を流して、都政を壟断した。今の小池は、それを糾弾するはずだったが、右翼秘書に少しだけツケを回して済ましてしまった。小池も怪しい、したたかな人物なのだろう。

 目下のコロナ禍で院内感染が全国的に起きて、担当医・看護師が震えながら治療に当たっているようだが、元を正すと、保健所の出鱈目な病院監視体質・無能無責任に帰着する、というのである。真相を知って、仰天する市民は多いだろう。


 100歳で老人施設で亡くなった我が母は、疥癬が原因だったが、施設の派遣医も看護師もダニの存在を否定した。木更津市の中郷記念館である。コロナ禍は大丈夫だろうか。

 また、千葉県松戸市の徳洲会グループの老人施設のコロナ崩壊についても言及した。「同じ仲間であるのに、徳洲会病院はコロナから逃げている」という。あべともこの反論を聞いてみたいものだ。


 「病院看護師の能力も低い。バイタルチェックもいい加減すぎる。前日の容態と比較して、何か変わっていないか。そこの基本が出来ていない」とも指摘した。思い出した!息子のことだ。「頭にばい菌が入り、七転八倒しているのに、普通の痛め止めでやり過ごした帝京の看護師、それに従った東大OBの教授だった。もしも、本物の看護師のバイタルチェックであれば、悪性の脳腫瘍ではなく、ばい菌だと判明したろう。適切な治療なら、安倍晋三の弟の岸信夫参院議員のように生還できたのだ。そう思うと、医療事故と保健所の緊張関係が、労使関係同様に、不可欠だと理解できるだろう。無念の極みである。

 保健所がしっかりと医師や病院を監視することで、医療事故は少なくなる。今回のコロナ対策も、韓国レベルになったろう。いま自由に病院にも行けない。


 結局のところ、安倍は当然のことながら、専門家会議の尾身も、保健所の実情を知らな過ぎたのだ。「能力を超えている」のではなく、能力が全くなかったのだ。叱咤激励しても無駄なことだ。


<立ち入り検査の権限も放棄、医師と病院に寄り添う保健所>

 本来の保健所であれば、国民の命を守る先頭に立って、欠格の医師や病院を監視、立ち入り検査を容赦なく実施する義務を負っている。医事法にも明記してある。もちろん、保健所の任務は環境問題や食品衛生、病院開設許可、薬剤師や医師の申請受付など幅広い。


 中でも病院監視任務は、事柄が患者の命と即直結しているため、そこに疑惑があれば直ちに行動する責務を帯びている。現在の、保健所と病院の癒着関係は断じて許されないだろう。それがコロナの混乱の真因である。


 思うに、最期は東芝病院で命を奪われた我が息子の事例では、ナースセンターから離れた個室に入院させておいて、警報装置さえつけない、入院直後の窒息死に警察にも通報しなかった、など病院としての責務を放棄していた。ゆえに警視庁に告訴したのだが、検事の松本朗が病院に味方し、保健所は沈黙をしていて、存在さえ気づかなかった。実は、今日この日まで、保健所の重責を知らなかった。

 保健所が真っ当に機能していれば、医療事故の大半は解決する。この出鱈目すぎる保健所が、いまのコロナ対策の最前線に立たされている?19年の病院通いの友人は、病院と保健所をしっかりと観察してきた結論から、コロナ禍で、すでに日本の誇れる病院は「医療崩壊」をしている、それゆえのPCR検査回避と断定できるだろう。

 医療事故遺族の一部の人たちだけが知る日本の医療現場を、政府・霞が関が認識する時代が来るのかどうか。このような無様な、幻想の日本医療大国論に騙されて、大金をはたいているという一部の金持ち外国人がいる?漫画であろう。


<高齢者介護施設はSOS

 保健所どころか、病院でさえも感染病対応能力がない。いわんや高齢者のための施設は、ダニの疥癬さえ理解も知識もない。コロナに無力もいいところである。

 遅きに失してしまっているが、感染予防の専門家の養成が急務である。保健所大改革と高齢者向けの感染症対策が、政府・厚労省の重大任務であろう。強く、強く警鐘を鳴らす必要がある。

2020年5月6日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

赤木雅子訴状<本澤二郎の「日本の風景」(3675)

<痛ましい「うつ」「自殺」への経過に衝撃>

 世の中には変人が少なくない。その一人かもしれないが、ほかにもいた。広島地検に電話をかけまくって、河井夫妻の検察捜査に激励をしている友人の友人が、森友案件の国有地タダ払い下げ事件で、公文書の改ざんを財務省理財局長に強要され、最後は一人だけスケープゴートを強いられ、強い鬱状態から自殺した近畿財務局の、本来は公僕のはずだった赤木俊夫さん、その妻の雅子さん原告、三好雅子と佐川宣壽両被告への損害賠償の訴状(43ページ)が、自宅に郵送されてきた。


 「読め」ということだろう。さっそく斜め読みしたのだが、心優しいはずの公務員が、首相犯罪を逃れるために霞が関に指令を発したことから、財務省の担当局長が担当する近畿財務局に対して、公文書の改ざんという国家犯罪を強いたため、とどのつまりは最末端の担当者の俊夫さんが、犯罪者にされていく過程は悲惨すぎる。


 首相官邸の犯罪を一人背負わされて、大阪地検特捜部による事情聴取の時点で、赤木さんの精神は完ぺきに破壊され、死に至る無念が、事細かに記述されている訴状である。


 記者生活の大半を永田町の権力闘争の取材に追いまくられてきたジャーナリストが、訴状を読んだのは初めてのことである。職業とはいえ、原告代理人による核心的事実を、細大漏らさない記録に敬意を表したい。



<真犯人は安倍晋三・昭恵夫妻と麻生太郎>

 以上は評価できるが、なぜ安倍晋三首相夫妻と麻生太郎財務相が、被告から除外されているのか、ここが不思議でならない。


 原告の赤木雅子さんも納得できないのではないか。相当因果関係説を持ち出す必要などない。日本国民は、改ざんを指示した主犯は安倍であり、麻生であると正確に理解している。佐川はそれに順じて、強力な改ざんを部下に指示をしたもので、まさに安倍犯罪の典型である国権乱用罪であろう。これほど明白な犯罪、国家権力の乱用も珍しい。


 この重大犯罪者が、今もコロナ対策の中心人物の日本である。呪われた日本を象徴しているではないか。うまく対応できるわけがない。東京五輪も崩壊した。その損失だけでも6400億円という。これを安倍と麻生の懐から吐き出せるのか?


 不可解な法律論の極め付きは、佐川も一部負担するが、1億円もの巨費は、国の費用、すなわち血税、国民が負担をするというのだ。どなたか、納得できる日本人はいるのであろうか?



<法律家の超国家主義的な思考がこの国を危うくさせている?>

 欧米の訴訟を詳しく知らないが、訴訟社会と言われるアメリカではどうだろうか。為政者の犯罪による損害賠償を、血税で支払う?ありえないことだろう。


 刑事訴訟法もそうだが、民事訴訟法もおかしいということになる。三権分立が確立している韓国の場合はどうだろうか。


 監獄に入っている朴前大統領の不始末を、韓国民の税金で肩代わりする?ありえないだろう。そのありえない法理論を駆使する、日本の法律家の前近代性は、戦前の国家主義に洗脳されてしまっている。違うだろうか。


 訴訟法の大改革が必要不可欠であろう。強く提起しておきたい。国民が理解できない法律論など不要である。



<なぜ真犯人を刑事告訴・告発しないのか>

 森友事件は、赤木さんの遺言と手記が、国民の目に入った、その瞬間から、同事件に新たな訴訟の理由・根拠・原因が生まれたことになる。これまた常識である。


 黒川弘務検事長は抑え込むだろうが、善良な検事・検察は、再捜査を開始する責務を、国民に対して負っている。当時の女性の大阪地検特捜部長の課題でもある。すでに失格の烙印を押されているが、再捜査に協力すれば、汚名挽回の機会ともなろう。


 赤木夫人の刑事告訴、支援する市民らの告発も可能であろう。関西の進歩的な法律家の対応にも期待したい。法律は国民のためのものであって、不正腐敗の権力乱用者のためのものではない。



<「改ざん真犯人は安倍と麻生である」が全国民の認識>

 繰り返し指摘しておきたい。「赤木俊夫を改ざんの犯罪者に仕立て上げた真犯人は、安倍夫妻と麻生太郎、そして指示に従った佐川宣壽とその配下の役人である」と。これが国民の常識であろう。

 因果関係は決定的だ。報いを受けるのは、国権の乱用者とそれに従って、出世した赤木さんの上司らである。誰しもが断言できる真実で、判事の判断など不要である。


 自らの犯罪発覚を封じ込めようとした安倍が、麻生を取り込んで、佐川に指示した、その約束を果たした佐川に国税庁長官の地位をプレゼントした。これが赤木さん自殺の原因である。国民の理解であろう。



<縛りをかけられた法曹人の覚醒と法律改正が重大課題の日本>

 赤木雅子さんの訴状から、こうした記述がないのが悔しい。原因はどこにあるのか。法律家にある。国の試験で誕生した法律家に対して、国家主義は太い鎖で縛りをかけているのである。


 それは、ハサミを使って切れるような、漁師の使う網ではない。鉄の鎖である。しかし、鉄は年月を経て腐り、土にかえる。もうその時を迎えている。

 法律家が覚醒する時代である。その契機をつくってくれている、森友事件といえるかもしれない。進歩的な法律家の誕生の時である。国民を守る常識的な法律家によって、訴訟法を大改正する時であろう。


 それはまた、民主主義の日本への一里塚ともなる、そんな赤木訴状のような感じがしてならない。支援する元NHK記者の奮闘も期待したい。優雅すぎるNHKの給料を、棒に振ったジャーナリストの存在を、国民は忘れないだろう。

2020年5月5日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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