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議員の投票は公開が原則<本澤二郎の「日本の風景」(3334)

<ジョン・スチュワート・ミルの民主主義の原則論>

 この6年間の政治を総括して言えることは、特定秘密保護法が象徴するように秘密主義が横行している。国家主義・全体主義の体質を露呈して、民主主義に抵抗している。そこで改憲軍拡の銅鑼を鳴らすものだから、善良な平和を欲する日本人ジャーナリストは、批判する義務を負ってしまった。しかし、日本人である限り止めることはできない。公開が原則である。議会も司法も行政も公開を当たり前とする社会にすることが不可欠である。

 そんな時に友人が、英国の思想家でリベラリストのジョン・スチュワート・ミルの民主主義論が新聞に出たといって連絡してきた。国民は無知であるため、そこで民主主義を開花させることは不可能だ。どうするか、何事も秘密主義を排して、公開を原則とする社会にするのである。正論である。

<国民すべてに開かれた政治を公約する!>

 一部の人たちをのぞいて国民は、何事にも無知である。ゆえにまともな判断ができない。特に政治がそうである。政治の中身が不透明である。そこから判断が狂い、誤れる世論が形成されることになる。

 

 国民生活を律する要件は、すべからく政治である。国の行政、地方のそれも、政治の結果としての法律・条令が100%影響してくる。

 その法律が正しいのか間違っているのか、これは行政府と立法府の議論の過程を公開することである。そうしてこそ国民は、事態の中身を判断することができる。特にその法律案に対しての議員の行動は、議会での公開投票によって一目瞭然となる。

 投票行動の公開で、その人物の評価も定まる。選挙の重要な判断ともなる。この部分を蓋しておいては、有権者は選挙で公正な一票を行使できない。民主主義も中身が伴わない。

 まずは議会の投票での公開原則を貫く日本にすることが、民主政治を開花させる決め手なのだ。政党はすべからく、このことを公約すべきで、それのできない政党を排除するしかない。

<議会と言論が衰退する日本では必要不可欠>

 不幸にして、今の日本政治は死んでしまっているかのようだ。国家主義・全体主義の政権によって、言論機関も衰退してしまっている。議会審議も低調である。

 悪政を監視する使命を帯びている議会と言論が死んでしまっている事態は、もはや正常な民主主義は、望むべくもない。悲惨である。この6年は、まさにそうである。

 特に世論操作の最前線に公共放送が死んで、政府の宣伝に徹してしまっている点である。これのマイナス・負の効果は絶大である。

 

 たとえNHKが死んでしまっていても、国会が公開による投票を行えば、国民の投票は、かなりまともになる。いかがわしい議員を選挙で排除することができる。いわんや、やくざと関係している議員がカジノ法に特化する様子も見えてくるだろう。

 

 言論と議会、さらには司法までおかしくなっている現代では、議会の隅々まで、公開の太陽で明らかにするルールを構築するのである。ミルの指摘は、当然のこととはいえ、さすがである。

 民主主義を開花するには、国民の資質の向上と、議会の公開による議員資質の公開が不可欠であろう。

<アベの6割支持は秘密主義の成果>

 驚いた世論調査というと、最近は、どこかの民放だったと思うが、官邸から金をもらっているのではないか、と疑惑を持たれるような内閣支持率が飛び出した。なんと6割近い日本人が支持をしたというのだ。

 

 「行政は無知だから、役人がそばにいないと1日も首相を続けていられない小僧。ただおいしい食事をして首相といられることしか能のないアベ小僧」とは清和会OBのアベをよく知る人物の評価だが、それでも6割の支持率?

 行政のみならず永田町と平河町と信濃町の秘密主義の成果である。

<トランプとの密約・菅の逃亡会見>

 先のトランプとアベのゴルフ場での密会と、二人だけの秘密の首脳会談で、日本は牛肉や農産物で相当な譲歩をしたことを、野党は問題にしているが、それも今の政府にとって当たり前のことである。

 「選挙前は秘密」でおしきるのだという。

 官房長官によると、官邸での首相会見の関係者名簿と議事録は作成していない、と明らかにしたことなどは、日本が民主主義を否定した政府であることを内外に鮮明にしたことになる。

 菅は、不都合な記者の質問も逃げる、それを公然と演じているのだから、国民から悪役と思い込まれてしまった。それでもアベ後継者という?

 

 国家主義を憲法は否定している。それでも、もう6年も継続する極右内閣である。したがって国民は、民主政治確立のために議会の公開を勝ち取らねばならない。次いで行政の公開、司法の公開、地方の公開へ!

2019年6月4日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

解散権の乱用<本澤二郎の「日本の風景」(3333)    

<首相の専権事項=違憲・違法>

 この国の首相は、犯罪を犯しても捜査も逮捕もされない。法の下の平等さえも確立していない。極め付きの大権である、首相の都合による解散権を行使することなど出来ない。近く行われる参院選に衆院選を絡める同時選挙は、違憲違法である。解散権の乱用であって、到底許されるものではない。政府の行為で侵略戦争を強行した教訓を踏まえた立派な日本国憲法だから、首相の暴政に相当する解散権の乱用を、主権者である国民が断じて許さないことを、三権の長はしっかりと認識しなければならない。

<条文に明記なし=司法・憲法学者の無能・無責任>

 首相解散権を憲法は明記していない。当然である。司法立法行政の三権は、等しく分立させ、お互い抑制均衡の関係に位置付けている。

 憲法を読んでいない政治屋や読むことができない無能政治屋に対して、憲法の番人である司法・法曹関係者は、しっかりと教え諭す責任があろう。

 世界に冠たる日本国憲法を隅から隅まで読んでみても、首相解散権を見つけることはできない。

 それでいて現実には、繰り返しこれが行われている。憲法に対する冒とくである。強く指摘したい。若者よ、憲法を読め、である。

<国会は国権の最高機関と明記>

 憲法を読んでいくと、国会は国権の最高機関であると明記した条文が出てくる。どうしてなのか。三権は分立して平等のはずだが、それでも国会・議会に特別の地位を付与している。

 日本は戦後、民主主義の国になった時点で、国民は天皇の奴隷ではない、この国の主権者となった。その主権者が直接選んだ代表で構成されている国会だから、国権の最高機関なのである。


 主権者の代表である国会議員には、したがって相応の身分・報酬を与えているのだが、同時に国民の見本となるような、正義と倫理観を体した廉恥の政治家であることを義務付けている。

 利権アサリなど不正と腐敗の徒は、国会議員失格である。やくざと連携するような人物は、人間の屑であって、議政壇上の人となることはできない。いわんや、やくざが姿を隠して国会議員になることなど論外である。

 民主主義は、主権者の質も問うていることでもある。

<任期は4年、任期前の解散に重い条件>

 主権者が選任した国会議員は、衆院議員の任期4年、参院議員6年の任期を保障している。

 衆院4年の任期は、短くもなく長くもない、この間に主権者に約束した公約を実現することに努力する。正しくは、命がけの努力をする義務を課せられている。この場面で、民主主義は立派に開花することができる。

 今の日本はどうか。両手を胸に当ててみて納得できるのであろうか。

 大増税は、政治の腐敗と連動していることが容易に理解できるだろう。国の会計は、収支が均衡であることが好ましい。壊れていると、その原因はあらぬ支出にあることが理解できるだろう。

 平和憲法に徹した政治に収支の不均衡はないか、あってもすぐに是正できるものである。中曽根バブルと中曽根バブル崩壊を、いまだに総括しない政府に問題の元凶が潜んでいることも分かるだろう。

 敗戦時の戦争責任を、主権者による総括もなかった日本を、いま改めて考えさせられる現在である。歴史の総括と教訓を生かせる政治が、民主政治であり、日本国憲法の大道である。

<不信任提出に解散の権限も大義もない>

 横道にそれてしまったが、政府の腐敗に対して野党が不信任を突きつけることは、珍しくない。悪政の政権であればそれは当然ことである。

 この場合、政府に対する議会からの不信任案の提出が、即解散の大義となるという発言が、最近、政府スポークスマンの口から飛び出した。

 とんでもない間違いである。発言の主は、地方から上京、苦学して大学に学んだようだが、アルバイトが忙しく勉強する時間がなかったのだろう。議員秘書から地方議員になって、利権アサリという経歴が災いしたもの、と事情通が指摘しているが、そうかもしれない。

<可決されたときにのみ内閣は解散か総辞職>

 日本国憲法は、衆院での政府・内閣の不信任が可決した時、首相ではなく内閣として総辞職する、もしくは解散をすることができる。これが憲法の立場である。


 不信任案は、通常では野党が提出、これに与党の一部が賛成した場合、可決する。その際の選択肢は二つ。内閣は総辞職か解散である。

 閣僚の中に解散を反対する者がいて、それが多ければ、総辞職するしかない。ことほど解散には厳しい枠をはめている。首相の暴走・独裁に歯止めをかけているのである。

 いざ解散という場面では、その際の儀式としての天皇の国事行為が明記してある。解散権が首相の専権事項というのは、明確な違憲・違法行為であって、許されない。憲法学者も裁判所判事も、憲法を読んだものは、みな知っていることでもある。

2019年6月3日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

信濃町大暗闘<本澤二郎の「日本の風景」(3332)

<池田を裏切った太田ショウコウ比例区転出の怪>

 このところ事情通が、数回、信濃町の暗闘を伝えてきている。池田を裏切りった72歳の太田ショウコウが、東京の小選挙区から比例区に転出する人事が判明したことと関係があるという。週刊誌も報道したが、まだ見ていない。ネット掲示板に転載されないのだ。ここにも信濃町の黒い霧が立ち込めている。不都合な記事は排除するという体質は、昔から変わらない。池田側近は、太田裏切り人を、オウムの麻原彰晃に関連付けて「ショウコウ」と呼んでいるのも納得できる。

 公明党という宗教政党は、確か70歳定年制を敷いてきている。この一線を超えた人物が、過去にいたのかどうか。本人の自衛本能と安倍晋三の野望実現のためであろう。「小選挙区では落選」がはっきりしているための比例区転出なのだ。見方によれば、ショウコウしだいで、安倍の改憲が実現するのだが、その先行きはまだ完ぺきとは言えない。

<70歳定年を破るアベの腰ぎんちゃく>

 公明党の裏切りショウコウは、これまで何人もいたが、裏切り人がその後もその地位を存続させた例は、ショウコウが初めてのことだ。

 それは極右の安倍晋三・日本会議の権力者の腰ぎんちゃくになった、そのためである。トランプと安倍の関係よりも、それははるかに強力である。


 腰巾着とは、その漢字通り主役一体である。主人からの毒饅頭でお腹が膨らんでいる召使という。人は狸とも呼んでいる。狐は山口那津男のことだ。両者とも無知な信仰者を騙して、事態を乗り切っているが、沖縄の知事選では、最も先鋭的で、優れた頭脳の持ち主で、かつ池田信者によって、内側から切り崩されてしまった。


 沖縄こそが池田親衛隊の牙城なのだ。これが大阪から東京に飛び火すると、安倍とショウコウが狙う、悪魔の3分の2議席確保は失敗する。アベの9条解体作戦は失敗する?成功するための工作資金は、したがって1%から、湯水のように注がれるだろう。皇位継承費166億円とも関係しているようだ。


 衆参同時選は、戦後最大の金権選挙となろう。それも始まっている。公明党の事前の違反ポスターは、すでに1年以上も前からだ。72歳のショウコウの一大勝負でもある。

<アベ暴政の主役は信濃町のショウコウ・クーデター>

 安倍政治は、民意無縁の暴政そのものである。破憲の政治を暴政と呼ぶ。

 そこに公明党創価学会を丸ごと投入した、ショウコウと山口であるという事実を、主権者である国民はしっかりと認識しなければならない。その覚悟がいい加減であっては、日本の将来と子孫に申し訳が立たないだろう。

 侵略戦争を二度と許すな、という歴史の教訓から手にした世界に冠たる日本国憲法を、事実上廃しての戦争国家への逆流を、池田時代の平和主義を排除して強行する、安倍とショウコウ・山口の野望に屈する日本人であってはならない。アジア諸国民の悲願でもあるのだから。


 そもそも安倍暴政は、ショウコウの信濃町クーデターによって表面化したものである。アベ自民党がシャカリキになっても、自衛隊が戦争する集団的自衛権の行使はできなかった。市民の言論や自由を奪う特定秘密保護法や共謀罪は実現できなかった。安倍にとってショウコウと那津男は、偉大な恩人なのである。

<「木更津レイプ殺人事件」被害者・戦争遺児のKT子さんの叫び>

 恐ろしいショウコウのクーデターの延長戦で、目下の創価学会内部の主導権争いが、進行しているのであるが、一般の会員はむろん、蚊帳の外である。


 この深刻な事態をいち早く声に出した人物が、なんと「木更津レイプ殺人事件」の被害者となった木更津市真里谷の美人栄養士のKT子さんだった。

 ショウコウのクーデターを見抜いた一番手と言っていい。2013年12月である。その時に戦争法制の最初の悪法・特定秘密保護法が強行されたのだが、そこで激しく抵抗して国交大臣を辞任するだろうと予測していた彼女は、むしろブレーキどころかアクセルを踏んだショウコウを「裏切り者」と断罪した。


 当時の学会員は、この憲法違反の悪法の何たるかを理解していなかった。彼女は戦争遺児であった。平和主義の池田路線を信じて、公明党を支持してきたものだから、断固としてショウコウ批判の声を上げたのだが、その5か月後にやくざ浜名に殺害されてしまった。浜名は、JR巌根駅近くで、デーサービス「かけはし」を妻にさせている性凶悪犯罪者だった。

 彼女が無事に生きていれば、国会デモで創価学会の三色旗を振っていたかもしれない。娘婿の公明新聞記者にもブレーキをかけたろう。彼女は、筆者が主宰した、1995年の戦後50年を記念しての、50人による南京と盧溝橋への平和行脚の同志でもあった。

 この企画を朝日新聞の千葉版が大きく報道してくれたおかげで、大学教授や高校の歴史教師、小坂善太郎秘書や宇都宮徳馬秘書(現在大田区長)、木更津市のブルーベリー生産者、鴨川市の亀田病院事務長(森美秀後援会幹部)、JR東労組幹部など50人で敢行したものである。


 性凶悪犯人犯人は特定している。学会員に変身したやくざだった。捜査当局だけでなく、創価学会の倫理が問われる重大事件でもある。

<アベ改憲のカギを握る信濃町>

 安倍は、日本を戦争国家にするために、改憲2020年施行を繰り返し豪語しているが、そのカギを握っているのは、安倍ではなく信濃町である。

 目下、創価学会上層部で、ショウコウ派と反ショウコウ派に分裂しているという。「現在の会長の原田を、後輩の谷川というショウコウと連携する悪人が、取って代わろうとしている」と事情通は解説した。


 ショウコウには、悪しき官邸の権力がついている。その権力でもって創価学会を掌握しようとしているのであろう。3分の2議席確保が、安倍とショウコウの悲願となっている。これに那津男も必死だ。


 池田不存在が、路線の逆転を招来させているのだが、多くの会員の中にKT子さんのような人物は少ない。日本国民も同じレベルだ。改憲を阻止する核心は、信濃町にくぎを刺すこのなのだ。いくら官邸デモをしても成果はでない。そこがわかっていない。ここがショウコウと那津男に幸いしている。

<老齢化した運動員と裏切り公明党への反発の行方>

 信濃町に課題も多い。老齢化した運動員のことである。

 事情通もいう。「選挙になると、妻のところに必ず公明党か創価学会の信者が電話してきていたが、最近はない」と。

 多少なりとも政治に関心があれば、公明党の裏切りを理解できるだろう。知り合いの大学教授は、いつも両親の電話で公明党に投票してきたが、最近は「僕には男の子供がいるので、もう公明党に入れない」と拒否してくるという。

 子供を持つ親は、たとえ学会員でも公明党はNOなのだ。

 平和主義を放棄した公明党に反発する市民も少なくない。内部にKT子さんの声を聞いた者も少しはいるだろう。間違いなく公明党は沈下している。だからこそ、2019年選挙に勝負をかけるアベと1%とショウコウ・那津男なのである。

<池田側近正木理事長排除と谷川の野望>

 すでに池田側近で創価大学OBの理事長だった正木を排除した谷川と原田であるが、今はこの二人が雌雄を決しようと暗闘を繰り広げている。資産数兆円という信濃町の人事抗争に、アベや菅も一喜一憂している様子がわかる。


 政局の核心は信濃町であって、首相官邸や自民党本部ではない。

2019年6月2日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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