醜態シンゾウと下駄の歯<本澤二郎の「日本の風景」(3397)

<広島・平和祈念式典でも核禁条約言及を回避した愚か者>

 2019年8月6日、人々は広島原爆投下の惨劇を乗り越えて、74回目の平和記念公園に集い、核廃絶と永遠の平和を祈った。夕刻には、原爆ドーム前で鎮魂の灯籠流しをした。他方で、安倍晋三という愚か者は、昨年に続いて、2017年の国連での核兵器禁止条約について「批准したい」とも言わなかった。被爆国の指導者失格を、改めて内外に誇示しただけだった。

 国民とアジア諸国民を欺く、自民党と公明党と維新の極右勢力の本心をさらけ出して、平和を祈る国民を嘆き悲しませた。

 

<ワシントンのINFミサイルを中ロ向けに設置する日本?>

 不動産屋からのし上がったワシントンのトランプも、危険極まりない人物だと人類は評価して久しい。1987年12月、米レーガンとソ連ゴルバチョフによるINF中距離核戦力全廃条約署名、翌年から発効した画期的な核軍縮条約を、今年2月トランプが離脱を表明、ついに8月に失効、新たな核軍拡競争のゴングが鳴り響いている。

 この間、安倍はG20という大阪会議でも、核廃絶問題についてトランプとプーチンに一言も発しなかった。国民は記憶しておく必要があろう。

 

 ワシントンの産軍体制は、既に新型INFを日本・韓国・台湾などに設置しようと企んでいることが明らかとなっている。狙いは中国とロシアである。

 両国とも応戦する構えを見せている。INFを軸にした核戦争体制の構築になることが、ほぼ間違いない。21世紀は、新たな危機の時代を到来させるのであろうか。

 

 安倍晋三の周辺には、核武装論者が少なくないことは、よく知られている。半島の南北は、経済を軸にした関係が強化される。となると、ワシントンのポチを任じる日本が、ロシアと中国と核軍事面で対峙することになるのであろうか。

 

 安倍晋三が改憲軍拡に狂奔する理由である。2019年危機到来に覚醒する日本国民とアジア諸国民でありたい。

 

<大量のプルトニウム蓄積と原発再稼働>

 数字は調べればわかるが、日本は原発からの使用済み核燃料からのプルトニウムが山ほどある。これを処理する技能など人間はないにも拘わらず。後世に莫大な死の負債を蓄積している。

 

 歴史の教訓を学ばない日本は、広島・長崎に次いで、311で福島東電原発爆破事件を起こしている。核は人類と地球を破壊する。そのことを体で体得した日本が、無反省のまま原発に手を出して、三度目の放射能被害を受けた。犯人は日本政府である。それでも政府は核を手放そうとしない。核に魅入られた悪魔政府なのか。

 

 こうした悪魔が政界を占拠している。筆者の現役政治部記者時代は、想定できなかったことである。永田町の劣化はいかんともしがたい。死の商人にも魅入られているようなシンゾウと安倍を救済する「下駄の歯」政党の存在に、平和を希求する日本国民は、怒りをあらわにしているのだが。

 

<それでも山口・太田は安倍の「下駄の歯」>

 安倍の暴政は、3分の2議席による。信濃町の強力な支援の成果である。

 そこから特定秘密保護法から、戦争法、ついで共謀罪という戦争体制が構築された。山口那津男と太田ショウコウの「下駄の歯」政党の貢献だ。

 

 破憲の自民・公明・維新のほか、まだ他にもいる。改憲に向けた国会発議が強行される臨時国会は、1か月後に訪れる。

 

<3分の2阻止に野原善正と山本太郎が決起>

 3分の2阻止は、今では立憲民主党ではない。いわんや国民民主党などではない。後者は安倍に尻尾を振りまくっている。

 

 歴史の教訓を学ぼうとしない野党のなかで、一人期待の星が「れいわ新選組」である。山本太郎と野原善正に期待が集まっている。

 

 今回の選挙で100万票を激減した信濃町に、池田親衛隊の刺客が迎え撃つことになる。公明党の議席ゼロへと追い込んでゆく。

 円高と株安と金の25年ぶりの値上がりという、日本経済の底が抜ける非常時に、消費大増税を引き下げる戦いを展開してゆく太郎である。国民の共感を得ること間違いない。

 

 真の政治指導者が誕生して、安倍の自公維を押しつぶす挑戦に、多くの国民も参加しようではないか。

2019年8月7日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

拝啓 警察庁長官・栗生俊一殿<本澤二郎の「日本の風景」(3396)

<信じられない女子大生誤認逮捕に長官コメントが不可欠>

 憲法に違反する悪法を次々と強行して恥じない安倍・自公内閣下、国や地方の組織が弛緩、信じられない不祥事が起きている。新聞テレビを排除しているジャーナリストは、国家公安委員長の地元の愛媛県での女子大生誤認逮捕事件について、その重大性を認識できなかった。友人は昨日、警察庁に電話して、応対した広報課員に対して「栗生長官の娘が、無実の手錠をかけられてもいいのか。よく本人に報告しなさい」と警告した。けさ報告してきた。勇気ある正義の行動に脱帽である。

 主権者である国民のすべてが「おかしい。警察は狂った狼か。やくざレベルの捜査をしているのか」と声なき声を発している!


<警察の目的=「個人の権利と自由保護」が最大の任務>

 警察法を開いたことはない。初めて冒頭の文言を確認した。立派な文言が並んでいる。

 いわく「個人の権利と自由を保護する」ことが、警察法の目的である。国家や行政組織を守ることではない。国民個人の権利・自由を保護する、と約束しているのである。

 警察の目的と任務を忘れてしまっている関係者が、あまりにも多いことに大衆の警察不信は、増大してきている。

 ネットを開くと、栗生長官就任時のよからぬ怪文書が飛んでいるようだが、大事なことは、警察の目的を真摯に実現することである。そうしてみると、女子大生に手錠をかけた重大事件は、警察庁長官として自ら胸に手を当てて、本人と主権者たる国民に対して謝罪すべきであろう。


<日本国憲法を破壊する一大不祥事!>

 警察法第二条では「いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利・自由の干渉にわたる等」とも明文規定して、目的の任務遂行を約束している。

 警察関係者は、日本国憲法の守護組織という、一番大事な大事な位置づけに留意しなければならない。憲法破壊行為に目を光らせることで、個人の権利と自由を死守する、そのために国民は血税を支出しているのである。


<手錠・自白の強要・家宅捜索した愛媛県警の恐怖>

 タクシーに乗った女子大生を、タクシー内の動画撮影に映っていたという早とちりから、警察は無関係な第三者を犯人と特定した。相手は新聞記者でも県議でもない。卒業を控えた女子大生という差別意識が働いたのかどうか。本人は真っ向から否定しているのだが、手錠をかけた。

 真犯人は他にいるのではないか、という強いメッセージを、手柄を立てたい捜査員は、逆に勢い込んで、腕力で劣る女子大生の精神を、羽交い絞めにして、追い込んだ。

 「就職に影響するぞ」「私はやってない!犯人は目の前のお前だ」と自白を強要、裁判所は即座に逮捕状を出した。裁判所も狂ってしまっている。そして無実の個人の人権と自由を奪って、手錠をかけて人権と自由を奪った愛媛県警。

 家宅捜索も強行した。無実の人間を、犯罪者に仕立て上げる警察の捜査に鳥肌が立つ。

 警察法は嘘なのか。

 栗生長官にいいたい。国民は、テロ対策よりも、国民の人権と自由を守ってもらいたい、と望んでいる。


<女性の安全確保に、真正面からやくざ退治に取り組め>

 警察庁長官というと、筆者には後藤田正晴のことが思い出される。政界に転じるや、破憲の中曽根康弘の監視を、官房長官の立場で貫いた。自衛隊派兵を止め、護憲を貫いた。後藤田の背後に田中角栄が控えていた。現在の菅とは、天地の差がある信念の人だった。

 在京政治部長会が首相・官房長官を招いた料亭で、後藤田と酒を酌み交わした場面で「今からでも遅くない。天下を取れ」というと、彼は「もう少し若ければなあ」と応じた。

 栗生長官の大事な任務は、女性を強姦、性奴隷として性ビジネスの世界に追い込んでいる、やくざ強姦魔を徹底的に退治することである。

 成果を上げれば、過半数の女性票で首相の座を約束される、その地位にいる長官である。娘がいたら、同じ要請を受けるだろう。


<この国の恥部はレイプ文化にある>

 2014年4月28日を期に、日本がレイプ文化に戦前から犯され、今日に及んでいる事実を悟らされた。「木更津レイプ殺人事件」が教えてくれた真実である。

 女性の人権・自由は保障されていない。この現実と向かい合ってほしい。


<「木更津レイプ殺人事件」捜査に発破かけて>

 「木更津レイプ殺人事件」は入れ墨やくざの犯罪である。千葉県警と木更津署の任務である。このほかにも直訴する事件も起きている。

 栗生長官とは縁があるらしいので、これからもお付き合いのほどを!

2019年8月6日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

恥知らずの藪蛇外交<本澤二郎の「日本の風景」(3395)

<1995年8月の村山談話を否定した安倍晋三・日本会議に根源>

 月刊日本8月号を開くと、日本金融財政研究所の菊池英博所長が指摘しているが、安倍の対韓外交の根源は、戦後50年の歴史的節目に打ち出した村山談話(日本の対外侵略謝罪)を否定したことである。安倍晋三ら自民党靖国派・日本会議の「侵略かどうかは後世の歴史学者がきめることだ」という暴論を国会で繰り返し主張、侵略戦争を否定した点にある。

 この点は強調しすぎることはない。

 安倍の本性・正体が浮き彫りになっている。まともな日本人が、断じて肯定できない究極の皇国史観にある。日本人は、改めて歴史と向き合わないと、日本会議の世論操作に振り回されて、進んで憲法破壊を受け入れさせられかねない。強く強く、警鐘を鳴らしておきたい。


<財閥傀儡・国家主義=侵略戦争否定=従軍慰安婦・徴用工表面化>

 こうしたアベの歴史認識は、1972年から自民党派閥を取材してきたジャーナリストの目からすると、自民党内でも、ごく少数の政治屋に限られてきた。おそらく現在でも、この歴史認識を公然と口にする戦前派は多くないはずである。

 少なくとも、宏池会や経世会、三木派と関係してきた者にはいない。中曽根派にも少ない。安倍の古巣の清和会にも少数である。稲田朋美、高市早苗くらいではないだろうか。


 戦前を肯定する悪徳政治屋は、同じく過去を否定したい財閥と一体である。軍部や官僚や政党を侵略に向かわせた植民地支配と侵略戦争の真犯人は、政商から財閥になった資源収奪目的の死の商人である財閥だった。


 いうなれば、安倍内閣は財閥傀儡政権そのものである。村山談話否定の背景である。歴史学者は勇気を出して発言すべきだろう。したがって、侵略否定から、従軍慰安婦問題や徴用工問題が浮上して当然である。韓国人の怒りは、北朝鮮や中国人も同様の認識をしている。


 特に36年間の日本による植民地支配は、言語・宗教・名前など文化のあらゆる分野に及んでいる。日本属国の屈辱は、人々の血肉深く浸透している。そうした中での侵略戦争否定論を、首相自ら、国会の場で展開したものだから、文字通りの火に油を注ぐような事態となって今がある。


 徴用工問題は、過去を否定したい財閥の過去を暴いたことである。財閥傀儡政権は、天高くこぶしを振り上げて、大義無縁のやくざ外交へと突進した。恥知らずの藪蛇外交を、人類は軽蔑しながら眺めている今である。

 この藪蛇外交を宣伝してやまない新聞テレビの暴走もまた、人々の排外的ナショナリズムに貢献している。恥知らずは言論界も同様である。


<憲法の平和主義・国際協調主義否定の対韓外交>

 日本国憲法は、平和主義・民主主義・国際協調主義の3本柱を根幹としている世界最高峰の基本法である。誰人もこれを評価してやまない。戦争屋・死の商人だけが不都合な憲法として、敵視している。改憲派は死の商人か、その仲間である。

 

 安易に改憲派に走ることは、戦後の日本と日本人を否定することなのだ。排外的ナショナリズムは、民主主義を否定するもので、人類は容認しない。


<内政=特定秘密保護法・戦争法制・共謀罪>

 繰り返すまでもなく、徴用工問題は日本の財閥問題、すなわちアベ自公政権のスポンサーどころか、日本政府そのものを直撃している。


 徴用工問題は、現政権のトラの尾そのものである。自公政府が怒り狂う原因である。経済的報復は、戦前なら侵略戦争そのものであろう。


 改めて、自公内閣が推進してきた内政の重要政策を振り返ると、それは特定秘密保護法を突破口に、自衛隊を戦場に狩り出す戦争法、それに反対する平和主義者や健全な野党を抑え込むための共謀罪ということになる。


 現在、進行中の静岡県の国際芸術祭に展示されていた従軍慰安婦シンボル・少女像が、会場から撤去された。右翼の圧力に、行政と政府がさらなる圧力をかけて、展示会場から公然と撤去させた。表現の自由を奪われた憲法違反に、多くが沈黙している。危うい日本を象徴していよう。


 一連の憲法違反の悪法に、こともあろうに公明党創価学会が深く加担したことが重大である。現在の政府与党を強く批判する理由である。


<外交=韓国いじめの排外・強権主義>

 そして外交は、徹底した韓国いじめだ。排外主義の国民性、集団主義の日本人復活を意図している点に注目する必要がある。


 韓国・朝鮮系のアメリカ人学者のハロルド・スヌー博士は、すでに戦後30年ごろの時点で、日本軍国主義の復活を分析した著書を発表しているが、彼の指摘に共鳴する半島の人々は、相当数に上るだろう。


 徴用工・従軍慰安婦についての日本の言い分に納得出来ようはずもないのに、経済の強みを悪用して、報復措置を次々と発するアベ自公内閣に、識者だけでなく警戒する国民は少なくない。 


<標的は9条の平和主義潰し=2019年危機目前>

 こうした隣国への強権的強行に、半島と大陸の人たちは、戦前復活のアベ自公内閣に驚愕している。


 韓国の怒りは北朝鮮の怒りだ。中国人民の怒りでもあろう。それは広くはアジア諸国民の怒りとなって、日本不信を強めている。これの損失は、計り知れないほど巨大である。


 しかし、韓国いじめによる日本国民のナショナリズム化こそが、平和憲法破壊に向けた大きな安倍ステップなのである。このことを指摘する識者・政治家が、いまだに一人もいないことが、日本の本当の危機なのである。

2019年8月5日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

↑このページのトップヘ