声楽家と平和運動<本澤二郎の「日本の風景」(3782)

<美しい声・美しい心・美しい自然=平和主義=幸せの根本要件>

 美しい房総半島からの、美しい大地からの叫びは、たとえ絶望的であっても、心の美しい人々に対して、文句なしに美しく響くものである。性悪説そのものである首相官邸や霞が関・平河町・信濃町を包囲することで、性善説へと導く威力が少なくないからだ。


 最近、拙文にも信州から美しい反響をいただいている。それは美しい大地からの美しい声、美しい心からのもので、書き手に勇気を与えてくれる。平和主義そのものなのだ。声楽家と平和運動は、一本の太い線で結ばれているのは、偶然のことではない。文化・芸術は、正義不在の、醜悪な政治権力の元では開花しないものだ。幸せな家庭不在が根源だからでもある。 


<信州・ソプラノ歌手からのお便りと回答>

 美しい声の持ち主からのお便りは、日本アルプスを眺めることが出来る美しい森と湖水からのようだ。むろん、平和主義者である。自民党保守本流・リベラルの宏池会を紹介したことが、契機となったものらしい。以下に彼女の素朴で重大な質問を整理して、不満足な回答をしようと思う。

 1、安倍と麻生に赤子の手をひねるように篭絡された、宏池会会長の岸田文雄の復活は?


 安倍と菅と二階による宏池会つぶしの広島戦争勃発によって、岸田の評判はガタ落ちで、気の毒なくらいである。彼は生き馬の目を抜く政界では、まるで処女のような優しい人物だから、安倍と麻生の嘘に騙されて、騙されて失墜した。もう立ち上がることは不可能か、厳しい見方が多いが、自民党の中で唯一のリベラル派閥の伝統は生きている。広島戦争で河井夫妻の安倍金力と公明党創価学会の裏切りに敗北した溝手顕正こそが、宏池会そのものであった。


 ということは、池田勇人や前尾繁三郎、大平正芳、宮澤喜一、加藤紘一の護憲の宏池会伝統・信念は生きている、ということである。現在の自公・極右政権の長期化で、国民は対立を排除する、平和友好・経済を大事にする、リベラル寛容政治を希求している。


 宏池会復活は、そうした国民の声を反映しているため、消滅することはない。自公による戦争三法やカジノ法の強行で、人々の平和への叫びは強まっている。黒川弘務の定年延長・検察庁法改正案に対して、700万有余の反撃ツイッターは、その流れの一つとみたい。

 野党の申し分のない体たらくを見せつけられている国民多数は、自民党リベラル復活へと収れんするはずである。宏池会は復活する。人材は生まれる。


 2、小渕恵三は怪死なのか?

 確か小沢一郎との激論で精神が高揚しすぎて、深夜倒れたもので、怪死ではない。人間は激しい精神の高揚、悲しかったり、うれしかったりと、それが強すぎると、健全な脳や血液を破損して命を失うものだ。

 大平正芳の心筋梗塞も、党内抗争による精神的過労が原因である。岸信介の台湾派の猛攻に屈したといえなくもない。


 3、田中角栄の病気は?

 田中の命を奪った遠因は、ロッキード事件である。彼はロ事件の本丸を、中曽根・児玉事件と直感していたものだから、余計に検察が本丸捜査を回避したことによる無念、続く配下の竹下登と金丸信によるクーデターの衝撃に、正常な脳を破壊されたものであろう。


 筆者の妻は、医療事故被害者の息子を13年介護と、東芝病院に対する刑事告訴を検察に不起訴にされた衝撃が、不治の肺腺癌となって、息子の後追いへと発展してしまった。医療事故の連鎖である。父親はよく耐えたと自画自賛している。

 病は気から、強烈な精神的苦痛が命を奪う元凶といえる。


 4、安倍晋三は保守なのか?

 安倍は保守の保守、国粋主義者で、祖父の戦争責任者・岸信介レベルだ。統一教会との関係は、反共主義のカルト教団ゆえであり、これは岸と文鮮明との深い関係が、今も継続している。

 河井夫妻が統一教会幹部というのも、安倍が溝手・宏池会退治に、刺客として選んだ理由だ。武器弾薬に目のない戦前派思想の持主。平和憲法と侵略史の正当化が、安倍政治の核心といえる。

 中国包囲網に60兆円をバラマキ、韓国との緊張関係、北との対決は、日本国民を、偏狂ナショナリズム化にさせる改憲狙いである。

 日本国民は、直ちに北朝鮮に数兆円の支援をして、平和友好条約を締結すべきである。むろん、安倍は反対だろう。尖閣や竹島にこだわるのは、実にナンセンス、北方領土は購入すればいい。


 5、石破茂に期待が持てるのか?

 石破については、誤解する国民が一部に現れてきている。それは「安倍以外であれば誰でもいい」との甘い一部の世論に乗っているせいだ。

 彼もまた強烈な改憲軍拡派だから、危ういことに変わりない。リベラルには程遠い。改憲軍拡論は、財閥からの金目当てでもあることを忘れてはならない。

 ちなみに侵略戦争の元凶は、軍閥というよりも、財閥である。教科書が触れない点である。


 6、先祖が朝鮮人なのになぜ朝鮮に敵対するのか?

 筆者も、当初は不思議に思ったものだ。しっかりと手をつなぐ好機と勘違いしたものだが、朝鮮の歴史を少し学ぶと、列島に流れ込んできた人たちは、島流しで追われた政治的亡命者・政治難民の人たちが中心かもしれない。

 祖国への反撃・怨念が、背景にあるのか。あるいは、そうすることで、自身の半島出身という負い目に蓋することもできる?どうだろうか。負い目など不要である。胸を張れといいたい。


 7、日本人は変ですね。電通・NHKは大掃除が必要ですね?

 いまの国粋主義者を国民の頂点にいただいての長期政権、一皮むくと、政治音痴で、平和に熱心だった公明党創価学会の支援(自公連立)、攻める野党はばらばら、どこを向いても変な日本人そのものである!


 正義を貫いていると信じてきた新聞テレビが、すべて電通に操られている。公共放送のはずのNHKが、国粋主義者の内閣を広報宣伝している。狂ってしまっている日本!コロナでもPCR検査を事実上、排除している!

 電通とNHKを退治しないと、日本は再生できない!これは真実である。声も心も美しいソプラノ歌手は分かっている!



<谷底に突き落とされたソプラノ歌手と戦争遺児の悲運=怪死事件>

 超天才ピアニスト・辻井伸行の演奏をYouTubeで、いつも感動的な思いで聞いていた時、ひょんなことから、日本を代表するソプラノ歌手の存在を知った。欧米の歌い手に負けない美声の持ち主だ。

 一体どんな人なのか。ネットで調べて仰天、昨年若くして亡くなっていた。怪死である。死因を明かせないという理由があるらしい。しかし、女性の人格を否定するような動画が流れていたことからすると、犯人を突き止めることが出来るのだが。彼女は自ら死を選んだのか。

 彼女はその1年前にラジオなどのインタビューで元気溌剌、ジムに通うよりも散歩が一番、自然と歩くことだ、と悟ったような意見を述べていた。


 そして信州のソプラノ歌手と共通する点は、平和運動の旗手となって活躍もしていた。70代、80代になれば、押しも押されぬ日本を代表する反戦平和の象徴になれた芸術家だった。その彼女の息の根を止めた犯人が憎い。


 近くの戦争遺児のことと重ね合わすと、共に創価学会員である。平和党から戦争党に変身した公明党創価学会に、怒りを抱いていたことも理解できる。

 やくざに強姦、最後は「ばらすぞ」という殺人的脅迫に卒倒して、非業の死を遂げた美人栄養士であったし、素人のソプラノ歌手として合唱団でも活躍していた。ヨガも。むろん、散歩を欠かすことなどなかった。自宅庭には、いつも美しい花が咲いていて、通りすがりの人たちの目の保養になっていた。

 遺族と3人の子供家族は、警察に駆けこむどころか、逃亡して墓も掘り返してない。しかし、やくざの性奴隷半年の心労に加えて、秘事を暴露するという脅しに屈して、哀れ人生を終えてしまった。

 平和運動にも熱心で、日教組出身の平和運動家と連携して活躍していたのだが。創価学会の平和運動家は、共に自公連立の99年体制下、行き場を失ってしまった。美人栄養士にはやくざが歯牙にかけた。有名なソプラノ歌手に襲い掛かった犯人は?実行犯は、やくざまがいのホテル管理者+αか。

 名探偵の登場場面である。悪党に屈してはならない。


本澤さま

 No.3780ありがとうございます。

宏池会は蘇ることができるのでしょうか・・・・・このまま撃沈でしょうか。

ところで小渕恵三の死は怪死ですか?

田中角栄のお病気も疑ってしまいます。

 

安倍はアメリカ追随の自己保身型であって保守と言えるのか疑わしい感じがしています。

野党は我こそ正義なりとばかりに寛容性がなく、拡がりをみることができません。

政治には全くの素人でよく分かりませんが、自民党の中から次のリーダーが生まれないものか・・・・

石破さんあたりはいかがなのでしょうか?

 

日本は単一民族ではないのに単一民族だと思いたい人たちがまだいらっしゃいます。

奈良県は国を意味するナラの朝鮮語ですね。

天皇が朝鮮との関りをおっしゃったのは良かったと思っています。

先祖が朝鮮人の人が朝鮮に敵対するとはなぜなんでしょう。

隠したいのでしょうか?

日本もアジアの一員なのにアジアとは別だと思っている人たちも少なくないし、日本人って

なんだか変ですね。

 電通とNHKは、大掃除が必要ですね。

 KH

2020年7月12日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

法務検察崩壊!<本澤二郎の「日本の風景」(3781)

<黒川弘務の常習とばくに起訴猶予、稲田信夫・林真琴も同じ貉>

 「稲田は黒川とは違う。安倍に切っ先を向けるのではないか」と一般国民はおろか、事情通にも期待を持たせた検事総長の稲田も、東京高検検事長の林も、所詮は黒川と同じ穴の貉だった。黒川起訴猶予の検察に対して、列島に強い衝撃が走った。


 主権者の驚きと怒りをどう処理するのか、安倍晋三にその知恵はない。「世も末だ」と1億2000万人主権者のため息が聞こえてくるようだ。


 廉恥という観念が、人々の生殺与奪の権限を行使する法務検察にもなかったのだ。政府を信用する、唯一の正義のはずの組織までも崩壊していた現実に、向き合わされている哀れ日本人である。



<法治主義も法の下の平等も絵に描いた餅だった!>

 隣国の韓国のソウル市長は、性的暴行を受けた女性の刑事告訴に耐え切れず、命で責任をとるという事件が発覚した。TBS強姦魔を不起訴にした警視庁・東京地検と比較など出来ない。


 公明党創価学会が支える3分の2議席によって、安倍晋三とその仲間の悪事をもみ消してきた黒川犯罪に、法務検察は国民をあざ笑うような判断を示して逃げ切ろうとしている。


 三井住友財閥傘下の東芝経営・東芝病院医療事故死(2010年4月7日)に対する業務上過失致死事件の告訴では、東京地検の松本朗なる悪徳検事が暗躍して不起訴、検察審査会も松本朗の不起訴に従ったことから、法務検察不信は多少の抗体ができていたジャーナリストも、世の中をこれほど騒がせた重大事件の犯人を、救済するなどということを信じたくなかっただけに、いま言葉も出ない。


 300万人の命と二発の原爆投下を差し出すことで、天皇制国家主義を離脱して、まぶしいばかりの民主主義を手にした戦後の日本人であったのだが、極右カルト教団が支える長期政権を総括すると、法治主義も法の下の平等さえも放り投げて、違憲・改憲三昧を公然と繰り広げてきたことになろう。


 政治の暴走に霞が関も議会も司法も機能しない日本、その首都では欠陥候補が366万の得票で圧勝したという。NHKと電通の大魔神ゆえか。


 列島の大地は、武器弾薬に目がくらむ7年有余の間に荒れ放題、そこに地球温暖化と原発の温排水などで、気候大変動による大災害。それでも、担当相は現場視察を放り投げて、観光目的の日銭稼ぎに目がくらんでいる。公明党創価学会の代表の国交相にも、怒りが込み上げてくるではないか。



<亀井静香側にも300万円、残るは公明党創価学会?>

 今朝ほどの報道は、かつて公明党創価学会批判の急先鋒で知られた亀井静香サイドにも300万円という大金が渡っていた、と検察が暴露したようだ。広島戦争の波紋は、まだ終わっていない。


 残るは公明党創価学会への資金の流れか。「山口狐や太田狸以外も知っている人物がいる」と事情通は語っている。「統一教会はどうか。安倍の4人の秘書はどうか。安倍本人にも還流しているだろう。1・5億円の使い道について、稲田検察はまだ何もしていない」とも指摘している。



<東京地検特捜部長=「収賄側を一人も逮捕しない」エリート?>

 徳洲会選挙違反事件の実情を熟知している人物が、森本という特捜部長に厳しい視線を投げかけている。

 「森本は副部長時代に徳洲会選挙違反事件を担当した。彼は贈賄側だけを捉まえて、大金を受け取った収賄側を一人も逮捕しなかった。今回の広島・河井事件でも、100人もの収賄人物をすべて見逃している。不公平・不平等捜査の典型である。贈収賄事件は一方だけでは成立しない。こんな御目こぼし捜査を許していいのか」


 「今回の広島戦争の致命的な失敗捜査は、1億2000万円の本丸を意図的に回避した。安倍事務所や自民党本部の家宅捜索をしなかった。文春は、それでも森本をほめちぎっている。森本も怪しいが、文春はもっと怪しい」


<「首相が悪事を働く国」=「法務検察が死んだ国」!>

 相変わらずコロナのPCR検査をしない国である。そこでは首相が率先して悪事を働いている。しかし、検察は動かない。検察も死んでしまったのだ。

 すばらしい日本国憲法が、災害列島の豪雨と共に泣き叫んでいる!

2020年7月11日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

自民党保守本流の前途<本澤二郎の「日本の風景」(3780)

<吉田茂の憲法制定派=強権排除・寛容と経済重視=池田勇人宏池会>

 ことし8月で、敗戦後の日本は75年を迎える。我が埴生の宿の居間に程遠い粗末な部屋に、池田勇人の娘婿・行彦との写真が飾ってある。彼は60年安保闘争で亡くなった樺美智子の友人で、東大赤門を抜け出しては、彼女らと国会デモに参加していた。のちに大蔵官僚となって、池田の長女と結婚、自民党保守本流・宏池会の旗手になったが、無念にも病に倒れてしまった。

 時あたかも、我が家も次男の医療事故で、国政に目を向ける余裕を失っていた。


 戦後の保守政治は、占領下において英米派外交官の吉田茂の下で、戦前の忌まわしい天皇制国家主義を排除、同時並行して廃墟の日本列島の経済復興を成し遂げた。吉田治政は、文句なしに吉田自由党の実績である。不戦の平和憲法を制定した吉田政治は、一番弟子の池田に継承される。

 宏池会の伝統は、リベラル憲法を武器にしての、リベラル・自由主義を基調とした経済重視路線である。国民の合意を政策に反映する寛容政治は、今日において一段と重視されるはずだが、目下のところ、肝心の永田町でかすんでしまって、国民に不安をまき散らしている。


 野党の体たらくを見せつけられている主権者にとって、宏池会の復活再生が何よりも重要であるのだが、見通しは明るくない。岸田文雄の宏池会・保守本流は、風前の灯である。宏池会の健闘に期待する国民は多いのだが。


<55年体制の保守合同で戦争追放組合流=岸信介の傍流誕生>

 吉田が好んで色紙に書いた文言は「吞舟之魚支流不泳」で、傍流の戦争責任者のパージ・追放組に屈するはずなどなかった。

 対抗する鳩山一郎・岸信介・児玉誉士夫など右翼ら戦争追放組は、米CIAの支援を受けて55年の保守合同で、足場を固めた。この場面で、自由民主党の綱領に「自主憲法」を押し込んだものだが、保守本流は歯牙にもかけなかった。


 米ソ冷戦下、ワシントンの圧力と抵抗しながらの保守本流政治は、池田内閣で、岸内閣の新台湾路線から日中友好路線に舵を切り、池田内閣の外相から再び田中内閣でも外相を歴任した大平正芳の手で、国交正常化を実現した。

 田中内閣は、中国に次いで、戦後外交の課題であった北朝鮮との正常化を実現する寸前、金脈問題で退陣に追い込まれた。台湾派の岸・児玉一派と文春立花言論に屈してしまった。

 余談だが、安倍スキャンダル報道で得点を挙げている現在の文春だが、安倍の本丸追及は、常に避けている。ここを見逃しては、臥竜点睛を欠く。


 戦前派・保守傍流は、天皇制国家主義復活を目的・悲願にしている。安倍改憲論は、傍流派の悲願であって、暴利をむさぼる財閥の意向と重なる。目下、電通とNHKがこれに突っ込んでいることは注目すべきだろう。

 歴史認識で隣国と対決する外交目的は、緊張を生み出すことで、国民に偏狭なナショナリズムを植え付けて、改憲を強行するための土壌づくりが狙いだ。NHK報道と電通の言論誘導が裏付けてもいる。


 以上の点は、極めて重大な日本とアジア諸国民の課題であろう。

 戦犯岸路線そのものが、ばく進している今なのだ。戦争する日本、戦争できる日本が、保守傍流の悲願である。戦争反対派は決して同調できない。災害にかこつけての、緊急事態条項を口実にした改憲論に騙されてはなるまい。


<リベラル宏池会VS改憲派の確執=派閥による政治の活性化>

 戦後75年を振り返ってみると、保守本流が健在なときは、傍流の軍国主義路線が幅を利かせることはなかった。

 リベラル宏池会・保守本流が、歯止めの役割を果たしてきたせいである。いま変わった。自衛隊員やその家族、子供を持つ親たちは、集団的自衛権を行使する法解釈変更のもとで、安保・戦争法制を強行した自民党と公明党創価学会に反発を強めている。

 それは、派閥による自民党内の権力抑制機能が衰退してしまったためでもある。新聞が「1強」と宣伝する政治状況は、派閥の衰退と比例している。すなわち、アベ独裁を意味する。


<異変=小選挙区制導入=派閥の弱体化(言論の自由喪失>

 中選挙区制に反対した最初の人物は、岸信介ら右翼の面々である。中選挙区制では、民意がかなり反映するため、改憲に必要な3分の2の議席確保が、不可能だ。現在は公明党創価学会を集票マシーンとして組み込んだことから、それが可能となって、リベラル護憲派を揺さぶり続けている。


 小選挙区制だと、政党の公認を取った自民党候補は、街頭でマイクを握るだけで、国会議員になることが出来る。安逸をむさぼる、石ころのような小者議員ばかりの自民党と公明党である。

 派閥も名存実亡で、機能していない。言論の自由を喪失した議員集団と化している。


<自公・日本会議主導(99年体制)による独裁政治の開花>

 独裁政治という言葉は、この7年有余の間に定着した。戦争三法やカジノ法など憲法違反や問題のギャンブル法が、強行されるという事態は、過去に想定さえできなかった。公明党の悪辣さは言語に絶する。


 比例して新聞テレビは、権力監視というもっとも大事な役割を放棄してしまっている。国民の代表という唯一の任務放棄である。繰り返すまでもなくNHKばかりではない。新聞テレビは、電通の言論操作に屈してしまった。

 信じがたいこと、それは自公連立の99年体制の下で具体化した。戦前の国家神道の後裔である神社本庁や、河井事件で表面化している統一教会、さらに生長の家などカルト教団を束ねるような日本会議と創価学会による99体制下、事実上の独裁政治が開花した日本である。


<小渕恵三急死で清和会・岸崇拝派の森喜朗内閣から変質>

 振り返ると、経世会の小渕恵三の急死を奇禍として、清和会の森喜朗が政権を担当した。「日本は天皇を中心とした神の国」という神がかりの信仰集団である清和会が、次いで小泉純一郎を経由して、安倍晋三へと継承されてしまった。岸政治の再現に、人々は戸惑い、苦悶の日々を送っている。


<1・5億円の広島戦争=安倍の宏池会壊滅作戦勃発>

 極め付きが、昨年7月参院選の広島戦争だ。「私の後は岸田文雄だ」と新聞テレビに吹聴する一方で、その実、祖父岸の大敵である怨念リベラル派閥・宏池会を壊滅・打倒作戦に安倍は、突入した。官房長官の菅と自民党幹事長の二階を引きずり込んで、カルト教団の河井夫妻に1・5億円を投入した。作戦通り、岸田のおひざ元の現職で、反安倍の溝手顕正を落選させた。

 安倍の仕掛けた大きな罠に、岸田をまんまと落とし込んだ。だが、1・5億円投入を河井案里は公然と口にして、安倍は窮地に立たされている。

 その過程で黒川弘務の定年延長、続く検察庁法改正案となった。安倍清和会と岸田宏池会の仁義なき死闘を印象付けている。

 その行方のカギを握るのが、稲田検察だが、彼は逃げ支度を始めている。


 平和を愛する日本国民の怒りは、稲田と安倍・菅・二階に向けられることになる。首の皮一枚で踏ん張っている宏池会、池田勇人の名門派閥・保守本流に大義はあるのだが!

2020年7月10日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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