山は動かない!<本澤二郎の「日本の風景」(3376)

<財閥1%政治に屈し、声も行動も起こさない庶民・大衆>

 昨日は、投票日まであと一週間を前にした、新聞テレビの世論調査が公表された。結論は低投票率。10%消費税で日本経済の底が抜けるという確実な予測にさえ、大衆は無関心、イカサマ年金にさえ若者は無視。他方で、危険な民族主義が台頭してきていたことだった。バラバラ野党に軍師はいなかった。多数派の無党派層は動こうとしない。野党の無力と無責任が、1週間後に出るのか、それとも健全野党が一本化して反撃するのか。財閥1%による、大衆いじめの、大増税と年金破壊と改憲軍拡ラッパが、襲い掛かる日本なのか。

http://www.asyura2.com/19/senkyo263/msg/275.html  

<166億円+G20の血税投入に呑み込まれた大衆>

 長い梅雨の雨で、菜園の数本のトマトが赤くなる前に腐っている。自然の猛威に植物は敏感である。

 人間社会は、為政者の人工的な作為によって、人々の精神は狂わされていく。いまの選挙がそうである。

 166億円の巨費投入の祭祀と100億円のG20の、ともにお祭り騒ぎで、愚かな国民の、血税投入による財布の中身を忘れさせてくれる。毎年の公務員給与引き上げとボーナス大支給で、役人は大満足である。

 かくして多数の日本人は、無数の難民のことや、目の前の不幸な人々に無関心を装い、ひたすら自己の遊びや趣味に、中には年金をもらうと、急ぎ足でばくち場に駆け込む老人で膨れ上がっている、哀れ日本社会である。

 これこそが日本の大衆社会の実像である。


<ネットを開くと安倍晋三の映像と嘘発言ばかり>

 現在の日本人は、年齢を問わずパソコンやスマホをいじるようになっている。いまネットを開くと、真っ先に安倍晋三の映像と、彼の虚言が飛び出してくる。まともな人間はむかついてしまうのだが、多くは無関心でやり過ごしているのだろう。

 世論調査のすべてが、7月21日投票の参院選で、民意に反する自公の圧勝を伝えている。これは事実に相違ない。

 野党は壊滅的敗北を喫することになる、との予測は、依然として正しい。

 立憲民主党が伸びても、その分、国民民主党の議席が減ることになる。


 関心事は、東京でのナツオとヨシマサの対決だけである。山本太郎運動員は「金銭と琴線の戦い」と表現している。

 今秋の臨時国会から、恐ろしい事態が起きてくる。本当の2019年危機である。それは東アジア全体どころか、インド太平洋にも及ぶことになろう。混とんとした世界に、日本も軍事面で棹差していく危険な財閥政治である。


<衝撃は「財閥」を知らない日本人と外国人>

 依然として日本人は財閥について無知である。財閥を知らない。

 教科書でも、敗戦後に真っ先に財閥は、軍閥と一緒に解体されたと教えているので、もう財閥は存在していないことにしている。驚いたことに外国人の日本研究者も気付いていない。

 実際は1950年の朝鮮戦争で財閥は復活した。軍閥も、自衛隊と名前を変えて復活した。

 国家神道も神社本庁と名前を変えて復活した。何のことはない、戦前の天皇制国家主義が復活しているのである。しかも、政権与党に潜り込んで姿を隠していたが、清和会の森喜朗内閣から、公然と「神の国」と叫びだした。


 安倍内閣は「天皇中心の神の国」の政権で、そこに下駄の雪から、下駄の歯の公明党創価学会が付着して離れない。今度は武部という自民党の元幹事長が「日本は天皇の国」と言い出した。166億円のご利益なのか。


 財閥政権は、天皇の冠をつけて姿を隠しているのだが、頭かくして尻隠さずである。アベ政策のことごとくが財閥1%向けである。学者文化人はこの事実を指摘しない。それは飯のタネだからである。


<理解したのは徴用工問題で意気上がる韓国人のみ>

 日本の戦争勢力である財閥、侵略勢力である財閥を、ほぼ正確に理解しているのは、韓国の人々のようである。彼らは、意図的に日本の財閥を浮上させたわけではない。

 歴史認識を正当化、それを押し付けようとした安倍内閣なので、仕方なく従軍慰安婦問題から、その先の財閥・徴用工問題を取り上げ、司法も認知した。これは韓国人の成果であろうが、原動力はアベ自公内閣ということになる。


 日本財閥は日本の大衆をコントロールしているが、隣国からは正体を暴かれている。いずれ大陸の人たちも気づくかもしれない。


 シンゾウは昨日、北海道の新千歳空港で「観光客をどんどん増やす」と公約した。その心は「日本国民の生活レベルを増税で劣化させ、円の価値を下げる」ということなのだが、何人の日本人が理解したであろうか?

2019年7月16日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)
例外https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/12233 

仇討<本澤二郎の「日本の風景」(3375)

<池田親衛隊・野原善正が信濃町を制す!>

 山本太郎が支援する東京選挙区の野原善正が、またやってくれた!なんとなんと、信濃町を制したのだ。7月14日の日曜日に、公明党創価学会の本陣である信濃町駅・創価学会の牙城での、堂々の演説の様子が、昨夜のネット掲示板で炎上、これがしばらく続く。創価大学前の八王子演説も楽しみになってきた。梅雨空を吹き飛ばす快挙・快挙である。池田親衛隊がついに信濃町を制した政治的効果は、第三者の思いを遥かに超えている。

http://tanakaryusaku.jp/2019/07/00020497

<大誓堂の前で師の琴線に触れる演説>

 いかにも物々しくも荘厳な感じのする、大聖堂前での野原演説であろうか。正確には、大誓堂であるという。推測するに、師への弟子たちの誓いの場所なのだ。ここで池田親衛隊の代表である野原は、人間革命第一巻冒頭の「戦争ほど残酷なものはない、戦争ほど悲惨なものはない」を繰り返して、池田邸に向かって叫んだ。


https://www.youtube.com/watch?v=e8OxpcfB9Iw
 

 彼の耳には「大衆を圧迫・いじめる公明党を直ちに潰せ!」という師の叫びが聞こえているのであろう。ナツオとの決戦は命がけなのだ。山本太郎応援団は「安倍やナツオは金銭で票を買っているが、野原は師の琴線に触れての決起である。福沢諭吉の1万円札ではない1000円札が3億円も集まった」と威勢がいい。


 昔の中選挙区時代の群馬は、上州戦争をよく取材したものである。福田赳夫と中曽根康弘の攻防戦であるが、それと比べると、信濃町のナツオのいう「ニセモノ」と本物の戦いは、依然として「善人の沈黙」に甘んじて、自民党向けの集票マシーン化した創価学会員の琴線を揺さぶる戦いだから、相当にレベルが高い。

 これが世紀の一戦ともいえる理由は、万一、学会員が覚醒して野原に軍配が上がると、信濃町はいうまでもなく、安倍内閣そのものが崩壊するためである。「官邸の菅が兵庫の公明党を応援、自民党を怒らせている」のだが、ことほど公明党の盛衰いかんが、改憲軍拡路線・財閥のための1%政治を左右するためだ。その先には、隣国とのアジア蔑視の外交とも関連してくる。

 https://www.youtube.com/watch?v=hvvFPosAKIk

 ちなみに、筆者は「木更津レイプ殺人事件」の徹底取材で、やくざ浜名にレイプ・性奴隷にされたKT子さんが、必死でもがき苦しんでいたころ、この信濃町の大聖堂参拝のことを知った。実際は、ネット掲示板によると、大誓堂のようだ。

 彼女は戦争遺児である。沖縄の心を知る学会員だった。師の池田を心酔していた人物で、師の容態についても、第三者の説明を受け入れなかった。しかし、太田ショウコウの裏切りをいち早く指摘した功績は、池田学会史に残るだろう。泉下で、野原応援に声をからしている様子を見て取れる。


<「池田家が動画撮影、病に伏してる名誉会長に」?>

 例えばの話だが、池田名誉会長が信濃町のどこに住んでいるのか。もしも、大誓堂の最上階に住んでいれば、野原の雄たけびに感動したかもしれない。少なくとも池田家の人々は涙を流したであろう。

 野原演説を動画撮影して、それを大きなテレビ映像で本人に見せたかもしれない。

 まさに「池田臥して野原を走らせる」であろう。


 現役の政治記者のころ、池田は池田でも、池田隼人邸で未亡人の満枝夫人から麦飯をご馳走になった。「貧乏人は麦飯を食え」と発言した池田大蔵大臣(吉田内閣)の主張は今も間違っていない。麦飯は健康食品なのだから。娘婿の行彦が健在であれば、安倍内閣などなかったのが悔しい。


<雲隠れした公明党創価学会幹部、ヤジひとつなし>

 「右翼の街宣車にはうるさくて」とぼやいていた創価学会広報室員を覚えている。いま右翼の街宣車はいない。なぜか?自ら右翼と連携したせいである。


 ならば威勢のよい、野原攻撃のヤジがあって不思議ではない。しかし、ネットの動画をいくら耳を澄まして聞いても、ヤジひとつない。信濃町駅前の黒山の人だかりを眺めると、創価学会のシンボルという三色旗の小旗を振る中年男性、感動してか拍手するおばさん、スマホで野原演説を撮影する若者、真剣に話を聞く男性などが映っている。

 野原によると、半数が学会員という。この中には、学会本部員・公明党本部員がいて、記念撮影をしているはずだ。官邸の指示で公安筋の人間も紛れ込んでいるかも。本日、映像分析しているだろう。


 公明党も創価学会も幹部連は、雲隠れしていたようである。

 「今の公明党と、公明党を支える創価学会に平和思想はない」「日蓮仏法の神髄は師弟不二。師弟不二を忘れ去ってしまった公明党創価学会でいいのか。原点に戻ってほしい」と野原節は快調である。


<野原、野原のシュプレヒコールが池田邸に届く>

 ネットの動画では確認できなかったが、取材している田中龍作は「野原、野原のシュプレヒコールが周囲にこだました」と伝えている。

 野原コールは、おそらく日曜日で普段よりは車が少ないため、池田邸に届いていたろう。

 筆者は、池田行彦さんと親しかった関係だから、彼が元気なら自宅から飛び出して、野原を激励したであろう。彼の未亡人は、田中真紀子さんと、そして大平正芳さんの長女と大の仲良しだった。三人とも極右政治に反発していると思われる。


<官邸の腰ぎんちゃく倒せば自公内閣崩壊へ>

 野原人気浮上と山本太郎人気を足すと、野原は確実に当確線上にはいる。ほぼ間違いない。KT子さんが、裏切り者と断じた太田ショウコウが、必死でナツオの助っ人役となって「ニセモノ退治」に狂奔しているのだろうか。


 「二人とも狐とタヌキ。うまく立ち回っていても、官邸の腰ぎんちゃくに変わりない。戦争法制や特定秘密保護法、民衆いじめの共謀罪を強行した立役者だから、主権者は支持しない。どうなるか」

 「谷川と原田に追放された創価大OBの前理事長・正木の巻き返しが注目されている」


 政界雀の観測はともかく、池田人間革命の冒頭に「戦争ほど残酷で、悲惨なことはない」という一説を、太田とナツオがどう思っているのか。いずれ議会で野原か山本が詰問する場面を動画で確かめたいものだ。

2019年7月15日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

呪われた財閥政治<本澤二郎の「日本の風景」(3374)

<アジア蔑視の歴史の改ざんー従軍慰安婦ー徴用工問題噴出!>

 歴史は直視しなければならない。過去に自民党清和会議員の中には「朝鮮の植民地支配でいいこともあった」と暴言を吐いて、大臣を首になったものもいたことを記憶している。ちなみに自民党は、歴史を直視する戦後派と反対の戦前派が合同して誕生した政党である。いま前者は消されて改憲一色となってしまい、スポンサーの財閥1%が事実上支配している。霞が関では、財務省に代わって経済産業省が前面に出たことから、財閥のためのアベノミクスや原発推進論が台頭、崩壊に向かっている。しかも、福沢諭吉のアジア蔑視の清和会政権が、森喜朗ー小泉純一郎ー安倍晋三と長期間継続して、隣国との厳しい対立を表面化させてきた。現在は中国から韓国・北朝鮮へと矛先を移している。


<過去を正当化する財閥傀儡政権>

 過去を正当化する財閥長期政治の下で、まさにそれゆえに従軍慰安婦問題を大きく表面化させた。朴前政権の下では、ワシントンの圧力を利用して、いったんは合意にこぎつけたものの、韓国の国民と野党は逆に反発を強めた。その後の政権の交代で振り出しに戻ったものの、清和会と財閥のおごり高ぶった極右政治は、事態の深刻さを直視せずに強行、その結果、新たに徴用工問題を噴出させた。これを裁判所が、当然のことながら受け入れて、戦前を引きずる日本財閥は窮地に立たされてしまった。


 かくして財閥政権は、韓国に報復措置を取り、そのため、もはやにっちもさっちもいかなくなってしまった。自業自得の財閥傀儡政権である。清和会OBは「在日の40万の票は反自公に流れる」と分析している。


<36年植民地支配の怨念計り知れず>

 東アジアは、小泉内閣の相次ぐ靖国参拝問題から、今や安倍内閣下、従軍慰安婦と徴用工問題で、報復という恐ろしい貿易戦争にまで発展、新たな抜きがたい不信の火種を抱えてしまった。根源は、すべて歴史を直視しない財閥傀儡政権ゆえであろう。

 日本に大義はない。国際的評価は最低・最悪である。新聞テレビが、こうした現状を冷静に伝えないことが、日本を窮地に追い詰めている。


 ドイツとの落差である。ドイツでは、隣国とのこうした深刻な対立は皆無である。久しくドイツは、欧州の代表となって世界政治を主導している。賢明なドイツの1%を印象付けていよう。

 日本の財閥1%のおごりは、福沢諭吉レベルであろう。とりわけ福沢のアジア蔑視は朝鮮半島の人々の精神を破壊してきた。今も1万円札は福沢なのだから、この国の為政者の本質をあぶりだしている。


 そもそもは、中国も南北朝鮮も日本文化の源流である。日本人として尊敬すべき対象であろう。ましてや安倍夫妻など、半島にルーツを有する日本人は多い。大事な先輩国である。歴史を学べ、といいたい。

 そこでの侵略と植民地支配ゆえに、その怨念は計り知れないほど大きい。半島の人たちを蔑視する日本人の気が知れない。


 平和軍縮派の宇都宮徳馬は、実父朝鮮軍司令官の太郎に「お前は決して朝鮮人を馬鹿にしてはいけない。文化は日本より、はるかに高い。大きくなったら朝鮮の女性と結婚しなさい」と言われた。太郎の慧眼に感服するばかりだ。


<文政権は歴史を重視する国民の政治>

 38度線は日本の植民地支配が元凶となった結末であって、依然として日本の政治責任が消えることはない。深く反省していかねばならない。

 この政治的な境界線が、韓国に長く軍事政権を可能にさせてきた。このことに棹差した最初の政治屋が岸信介である。宇都宮徳馬は生涯、岸を許さなかった。

 朴前政権は、軍人大統領の娘であることの制約を受けていたが、現在の文在寅政権は、文句なしの非軍事政権・民主政権である。三権分立を重視する民主政権と、波長が全く合わない日本の極右政権の対応は、今回の報復措置に、説明を求めてきた韓国政府の代表に、経済産業省は倉庫のような狭い会議室で応じた。


 外交的儀礼を失するもので、日本国民に恥をさらしたもので、怒りを覚える。トップの世耕は安倍側近で知られる。安倍の意思を霞が関に押し付けたもので、情けない。

 空母「出雲」の故郷の出雲空港への、韓国のチャーター便が打ち切られた。韓国の世論調査会社の最新のデータによると、日本に好感を持っていない国民は、77%に膨れ上がっている。


<南北和解は歴史の趨勢>

 他方で、朝鮮半島の情勢は天地がひっくり返るほど変化が起きている。なによりも好ましいことは、南北間の軍事的衝突がなくなったことである。人々は安心して暮らせる。


 極端な変化は、日本の財閥傀儡政権が想定さえできなかった米朝対話が、繰り返し行われていることである。しかも、非核化に向けてというのだから、これはすごいことである。

 時期はともかく、金正恩をトランプがホワイトハウスに招待したのだから。両者が38度線をまたぐという場面を、誰も予想できなかった。東アジアは激変している。いい方向に、である。


 日本は完全にそこから見放されている。過去を正当化する財閥傀儡政権ゆえである。

 北朝鮮の素晴らしい点は、民族が勤勉で清潔であることだ。ここに経済投資をすれば、あっという間に北朝鮮は、爆発的に経済成果を手にするだろう。誰もが投資の機会を狙っているが、その一番手がアメリカである。

 鉱物資源が豊富であることも、欧米諸国の経済界に魅力的である。中国・ロシア・南北朝鮮の東アジアの繁栄は、火を見るよりも明らかなのだ。


<北朝鮮が歴史の表舞台に立つのは時間の問題>

 かつて世界の中心は、大陸の中国だった。中国の高い文化を取り入れた半島の文化も豊かで繁栄を、人々にもたらした。

 天皇族はもはや疑いの余地などない。半島から日本に渡来したもので、身に着けた服装などすべてが朝鮮からのものである。

 天皇陵墓を開くと、そのすべてが証拠の品々といえるだろう。朝鮮と日本は文化的にも民族的にも一体である。現在のアベ内閣の経済的報復など、異様で論外である。

 いよいよ北朝鮮が、東アジアで檜舞台に立つ時で、それは歴史の趨勢、時間の問題であろう。


 日本は侵略戦争で敗北した。そこで手にした平和憲法を大事にする政府を誕生させる責任が、これまで以上にある。アジアの平和と安定の基礎だからである。

 財閥のための武器弾薬などいらない。日本国憲法はアジアと世界に公約したものだ。帆船・日本丸が安全航海を約束させる。空母「出雲」はいらない。それよりも消費税ゼロにして、消費を促し、年金で暮らせる日本にすることが、2019年危機を回避する手段であろう。

2019年7月14日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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