お目こぼし検察<本澤二郎の「日本の風景」(3808)

<林検察に安倍・桜事件新告発状に279人の法曹人!>

 最近になって、朝日新聞の小さな記事を見つけては「これ大ニュース」と連絡してくれる友人が現れた。昨日は、稲田検察が「不起訴にした」という公金を悪用、自己の選挙運動に悪用した、悪党の代表である安倍晋三・桜事件について、前回の660人の告発状とは別に、今度は279人の法曹人が、新たに告発状を東京地検に提出した。昨日の朝日の朝刊記事である。


 これは大ニュースである。稲田が期待大外れのお目こぼし検察だったことから、今回は林検察を俎板の鯉にするわけだから、日本の法務検察に新たな緊張が走っているだろう。


 首相の違法行為に対して、正義を任じる法曹界のプロが、新たに、プロがこぞって告発状を東京地検に提出した。告発状は、検察の犯罪捜査の端緒となるものである。刑訴法も、いい加減な対応を許していない。


 血税を食む林検察陣は、夏休み返上で、新告発状に対して、堂々と受理する法的な責任を負う。政治的な安直な不起訴は、断じて国民が許さない。


<稲田検察をまねて逃亡すると「検察官適格審査会」行き>

 安倍の腰ぎんちゃくのような黒川弘務に振り回された国民は、稲田検察に期待をかけたものの、ものの見事に、相撲に例えると、土俵際でうっちゃりを食わされてしまった。


 検事人生に大きな傷がつく「検察官適格審査会」に掛けようとしても、本人はさっさと辞めてしまった。しかし、林はそうはいかない。逃亡すると、たっぷりと審査会で審査してもらうことになる。


 政府与党と御用学者の数で押し切られてしまうだろうが、公文書となって検事としての不適格事実は記録される。情報公開で誰もが確認できる。この素晴らしい審査会について、ほとんどの国民も言論人でも知らない。


 弁護士でも医師でも不適格者は、その世界から追放する組織・機関を有しており、そこに訴えられる、掛けられたりすると、法曹歴に大きな傷がつく。検事が一番恐れる審査会なのである。


 幸いなことに、これまでのところ、無知がたたってこの審査会を活用する人がわずかで、一般的には謎のような組織だったことが、検事を喜ばせてきた。


 だが、正義を喪失した法務検察を目の前にして、主権者は最後の戦いを挑んでいる。いうまでもなく、不正義のお目こぼし検察の対象者は、弱者が一人もいない。安倍側近の甘利のような権力犯罪人や財閥関係者ばかりである。


 筆者の経験では、息子の命を奪った東芝病院(現在・東京品川病院)が、明白すぎる医療事故にもかかわらず、反省も謝罪もしないために、刑事告訴したのだが、東京地検検事の松本朗は、あっさりと不起訴にした。財閥東芝に配慮したもので、文句なしのお目こぼし検察の典型だった。


 しかし、当時、検察官適格審査会のことを全く知らなかった。猛省しても手遅れである。


<ホテルニューオータニの家宅捜索で証拠は100%>

 政府主催の恒例の「桜を見る会」が、その実、安倍晋三夫妻と安倍事務所の主催に変質、公金全てが安倍個人のために使われるという前代未聞の犯罪事件に使われていた。

 前夜祭となったホテルニューオータニの大宴会は、違法行為そのもので、検察の家宅捜索で経理書類を精査すれば、容易に判明できる。そのことを稲田検察は、逃げてしなかった。安倍に屈した法務検察を演じた。


 林検察はどうか、それが今回、279人の法曹界のベテランによる告発状で問われる。家宅捜索すれば、安倍の数々の嘘は暴かれることになる。


<電通は新聞テレビを今も牛耳る!大ニュースが朝日14面>

 コロナ禍による国民救済のための支援金が、こともあろうに電通の利権だったことに国民は衝撃を受けた。わが息子の命に対する刑事告訴も、電通によって東芝は、お目こぼしの対象となった。

 電通は、財閥・政府与党・体制派の、強力な防護服なのだ。それは戦前、半島と大陸を侵略・植民地支配の、現地での宣撫する国策会社が、そのままの21世紀電通という。世にも恐ろしく、驚くべき悪魔の存在に、正義の言論人も、ひたすらたじろぐばかりだ。


 戦前の大魔神は、戦後も、財閥の防護服として、強力・強大化している。そういえば、朝日の大ニュースも、1面ではなく、なんと14面に載っているという。朝日も電通に屈したままなのだ。電通おそるべし!

2020年8月8日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

言論の死<本澤二郎の「日本の風景」(3807)

<電通大魔神の威力にひれ伏している新聞テレビ>

 日本に健全な民主主義、健全な言論の自由が機能していれば、安倍晋三の2度目の登板など考えられようもなかった。安倍晋三の首相就任に、一番驚いているのは、泉下の父親・安倍晋太郎だ、とは清和会OBの実感であるが、筆者もまたそう思う。冗談で言っているのではない。二番目が、母親でA級戦犯・岸信介の長女・洋子であろう。


 結果、この8年近い間に、財閥は500兆円前後の金を蓄財した。株も日銀の黒田の大量株買いで、本来であれば、数百円株が、数千円という高値を維持している。


 株買いに悪用されている、日本国民の唯一の資産である年金基金が崩壊寸前である。借金は、空前絶後の規模に膨らんでいる。


 それでも心臓は動いている?吐血の心配はないのであれば、野党は体を張って臨時国会を勝ち取るべきだ。コロナ危機の渦中にある異常な事態を、安倍に歩調を合わせている余裕はない。体を張る時だ。昔の社会党を学べと言いたい。


 新聞テレビも、電通大魔神の威力にひれ伏していれば、活字文化の死そのものである。



<政治評論なしの日本最大の記者クラブ・内閣記者会の醜態>

 真っ当な政治評論がない。新聞の社説が、1面から姿を隠してしまっている。


 新聞は、いまこそ社説を1面に飾るべきだ。見識のある正義の言論人が、前面に出てきて活躍する時代である。東京・朝日・毎日は即座に実行したらいい。出来ないというのであれば、日本の言論は死んでしまった証拠となる。


 恥を知るべきだ。政治屋から恥の文化が消えてしまって久しいが、言論人も、となると、これはもう日本お陀仏である。


 官高党低の下での安倍報道は、首相官邸を担当する内閣記者会に任されている。日本最大規模の記者クラブでもある。二つの通信社と大手の新聞は、記者を多く配置して、取材をしているのだが、官邸の犯罪に対して特ダネゼロである。「書いてもデスクが握りつぶしてしまう」という不満が現場にはある。

 それだけではない。安倍の番記者は、いずれも右も左もわからない1年生の政治記者を貼り付けている。要は、訓練の場なのだ。

 政治の全体が分かっていないため、質問は幼稚さを極めている。安倍のような犯罪を次々と起こしている首相に対しては、各社とも対応が間違っている。


 他方で、編集幹部に対しては、電通の意向を体した広告担当が目を光らせている。連中は、紙を売るよりも、広告収入に傾斜して久しい。紙で稼ぐよりも、電通の広告費に依存している。


 筆者が現役のころは、政治部長が官邸との緊張関係を監視、これ一本で対応、それ以上の首相との特別な関係はなかった。この官邸と新聞テレビの倫理的ルールをぶち壊した人物は、いうまでもなく、平和軍縮派の宇都宮徳馬が「奴は忘恩の徒である」と決めつけた読売のナベツネである。


 ナベツネは悪党である。左翼から右翼に転向した、言論人というよりもフィクサーであろう。朝日崩壊の黒幕はナベツネと見られているが、頷けよう。



<異様な官邸執務室への役人ラッシュ、しかし臨時国会NOの不思議>

 安倍日程の怪しげな場面は、正体不明ともいわれかねないような、特定された役人が、10人、20人と大挙官邸に押しかけている。「仕事はしている」という見せかけでもある。

 まともな政治記者であれば、現場を確認することが出来る。安倍との密会の中身を国民は知りたいのだが、それが報道されることはない。

 参考までに8月5日の安倍日程を貼り付けたのだが、1年生記者には取材能力はない。参加者が実際、執務室に入ったのかどうかも、この人数では確認できない。

 内閣報道室のメモを記録するだけだろう。


 ともあれ、吐血の危機を乗り越えて元気になったというのであれば、高給を食むだけでなく、臨時国会を開いて、堂々と国民の疑念に応えるしかない。彼は国会をさぼることで、嘘の数を減らしている?


 「こんなちんけな小僧を、首相に担ぐ日本会議・自公の政治責任は重い」と清和会OBは怒っている。気が付いたら、ネツト掲示板阿修羅にも電通大魔神が介入、言論弾圧をしてきている。敵は本能寺なのだ。

2020年8月7日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)


8月5日(水)

「ふるさとづくり事例集」を秋葉賢也首相補佐官(右)から受け取る安倍晋三首相=首相官邸【時事通信社】



「ふるさとづくり事例集」を秋葉賢也首相補佐官(右)から受け取る安倍晋三首相=首相官邸【時事通信社】
 午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
 午前9時42分、私邸発。
 午前9時56分、官邸着。
 午前10時11分から同25分まで、武田良太防災担当相。
 午前10時30分から同45分まで、薗浦健太郎自民党総裁外交特別補佐。同11時、北村滋国家安全保障局長、滝沢裕昭内閣情報官、防衛省の大和太郎防衛政策局次長、山崎幸二統合幕僚長が入った。同22分、滝沢、大和、山崎各氏が出た。同30分、北村氏が出た。
 午前11時31分から同54分まで、長谷川栄一首相補佐官、森健良外務審議官。
 午後1時55分から同2時22分まで、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長。
 午後2時23分から同59分まで、加藤勝信厚生労働相、菅義偉官房長官、西村康稔経済再生担当相、今井尚哉首相補佐官、樽見英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長。
 午後3時1分から同30分まで、秋葉賢也首相補佐官らから「ふるさとづくり事例集」受け取り。同4時から同30分まで、バングラデシュのハシナ首相と電話会談。同37分、菅官房長官、西村経済再生担当相、西村明宏、岡田直樹、杉田和博各官房副長官、北村国家安全保障局長、藤井健志官房副長官補、和泉洋人、長谷川、今井各首相補佐官、樽見新型コロナウイルス感染症対策推進室長、秋葉剛男外務事務次官、鈴木康裕厚労省医務技監が入った。同44分、加藤厚労相が加わった。同58分、全員出た。同59分から同5時5分まで、西村経済再生担当相。
 午後5時18分、官邸発。
 午後5時48分、羽田空港着。
 午後6時25分、全日空683便で同空港発。
 午後7時20分、広島空港着。同30分、同空港発。
 午後8時16分、広島市南区のグランドプリンスホテル広島着。同ホテル内のレストラン「ボストン」で長谷川首相補佐官、秘書官と食事。
 午後11時現在、宿泊先のグランドプリンスホテル広島。来客なし。


青い山脈<本澤二郎の「日本の風景」(3806)

<いま日本が出来ること、それは大規模な北朝鮮人道支援>

 今日は広島に原爆が投下された日だ。まもなく敗戦の8月15日がやってくる。何やら今のA級戦犯の遺伝子内閣ゆえか、1945年のような感じがする。

 昨日、偶然、YOUTUBEに敗戦後、東宝映画が製作した原節子主演の「青い山脈」を見つけ、つい名画を見てしまった。原作は石坂洋次郎。朝日新聞が日本国憲法施行翌月から連載、その映画化である。


 青い山脈とは、日本民主主義を象徴する言葉ではないだろうか。生まれ変わった日本が、今直ちになすべき大事業は、北朝鮮に対する大規模な人道支援ではないだろうか。


 平和憲法を尊重し、擁護する政府であれば、過去の反省と謝罪を込めての人道支援である。1日で関係正常化して、平和友好条約を締結、拉致問題は一瞬にして処理できるだろう。


 平和国民の願望でもあろう。議会・霞が関に強く要望したい。


<他人を慈しみ、思いやりのある外交が、憲法の基本的立場>

 今も韓国の王朝テレビドラマ「イ・サン」をPCで見て楽しんでいるが、儒学を帝王学として叩き込まれている王は、いまの日本の安倍・自公・日本会議の政府と異質である。修身斉家失格の権力亡者のような人物による悪政は、即座に正される。


 そこでは派閥間の権力争いはすさまじく、相手を打倒するためには、安直な殺し合いも行われ、政権の維持は容易ではない。そうした中でも、民心に思いをはせる王は、聖君と呼ばれ、政治の安定の基礎として歴史を飾る。



 今幸いなことに「イージスアショア」なる、あまりにも悪質で、イカサマの玩具でしかない武器の購入が止まった。具体化させると、10年で数兆円もかかる玩具の武器だ。


 「武器に無知な中谷とか小野寺などがしゃしゃり出て、今度は敵基地を叩くミサイルを導入しようとしている。連中の目的は、血税投入による利権アサリそのもの。許されない」とこの方面に精通している人物は、怒り狂っている。

 「首相も、軍事オタクもど素人ばかり。口先で言葉遊びをしているだけ」との厳しい指摘もある。これを報道する記者が、またど素人の御用記者ばかりというのだから、税金を払う国民はたまったものではない。


 常識人間は分かる。超音速のミサイルを打ち落とせるミサイルなど存在しない。漫画の世界の話をまともに信じて、血税を無駄遣いするよりも、その金をいずれ支払わなければならない北朝鮮に、平和の人道支援に回す方が賢い。これが日本国憲法が、政府に命じている外交の本意であろう。


 寛容・慈しみ・思いやり・誠実が、本物の日本外交である。制裁を叫ぶ拉致家族は、極右政権の手先だと、まだ分かろうとしていない。北風のマントで、ことがうまく運ぶことはない。太陽政策だ。


 草木を眺めながら生きている人間は、太陽の偉大さに感動する。安倍晋三の健康回復は、太陽に当たることである。コロナも太陽が苦手らしい。



<義父・廣岡慎次は東宝争議下の総務部長、GHQと労組の板挟み>

 余談だが、東宝の「青い山脈」に飛びついた理由は、主演の原節子という絶世の美女が銀幕を飾っていたということではない。

 義父の廣岡慎次(富山県砺波市旧福光町出身)が、戦後の三大労働争議の一つ、東宝争議の場で東宝の総務部長という要職に就いていたため、GHQと労働団体の板挟みになって、厳しい立場に立たされた。それこそ、とことん苦労の日々を送った、そのためである。

 青い山脈は、その頃の作品に違いない。


 テレビのない時代だから、映画の影響力は絶大であった。すでに米ソの冷戦は始まっており、当局の共産党対策は、戦前の特高警察の復活を予想させていたろう。占領下においてGHQが権力行使の先頭に立っていた。両者の攻防戦には、戦車まで投入されていた。読売争議を超えていたであろう。



<長生きしてれば歴史の証人、石坂共に慶応ボーイ>

 妻の眞知子は高知市生まれだ。義父母が、高知県内の東宝映画館の支配人をしてるときに生まれた。

 義父が多少、長生きしてくれていれば、東宝争議について本を書くことが出来たろう。彼は、歴史の重要な証言者だったのだから。青い山脈の作者・石坂洋次郎は慶応ボーイであるが、義母のキヨノは夫を「三田の経済」と口走るのが癖だった。


 福沢諭吉が、財界・財閥向けに人材を養成するために創立した慶応大学には、経済人や政治屋の裏口ルートがあるのか、恵まれた家庭の子弟がほとんどだ。彼らの登竜門のような学校である。義父も石坂も、幸運な恵まれた家庭で育ったのだろう。

 それこそ1万円札の福沢から、この国の体制の質が見えてくるだろう。次は渋沢栄一だという。経済が主導する資本主義の日本だが、いま危機に立たされているが、内部留保500兆円は庶民大衆には無縁のようだ。


 誰かこれを引き出す知恵者はいないものか。


 戦前の日本は、財閥と軍閥による侵略戦争と植民地支配だった、と言えるわけだから、彼ら財閥は政府に先んじて、北朝鮮に人道援助を敢行してはどうか。

運が良ければ、北朝鮮の経済復興も夢ではない。

 日本の植民地支配が朝鮮半島を破壊しつくした点を考慮すれば、3兆円でも5兆円でも支援するのが、人の道・日本外交のあるべき姿である。また、拉致被害者が今も北朝鮮にいると信じる人たちは、こぞって制裁を叫ぶのではなく、人道支援に舵を切る時であろう。


 それで安全が確保出来るというのであれば、実に安上がりだ。政府・議会など関係機関は、これに率先して声を上げる時である。青い山脈が呼びかけているではないか。

2020年8月6日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

↑このページのトップヘ