人命の格差<本澤二郎の「日本の風景」(4010)

<311東芝製3号機作業員の被曝死・大角信勝さんは実験材料か!>

 核爆発で破壊した、東芝製原発3号機の周辺整備作業員として選ばれた大角信勝さん!60歳という年齢も考慮されたのであろうか。接近してはならない地点での、危険極まりない、この世の地獄に放り込まれたことになろう。


 初めて知る恐怖の東芝作業員の被曝死を最初に報道したのは、週刊現代であることが確認できた。大角信勝さんは、核爆発という恐ろしい、この世の地獄であることは知らされずに、現場に立たされ、数日後に二つとない命を奪われた。

 そこの詳細は、まだ秘密にされている。東芝関係者のだれが、彼をそこへと誘導したのか。なんとかして、真実を明からかにしなければなるまい。労災認定でごまかしてはなるまい。


 ロボットでも寄せ付けなかったプルトニウム放射現場であることを、知らないまま足を踏み入れた途端、もはや生きて妻に会うことが出来なかった。彼女との小さな夢を抱いたまま、それも一瞬の間に奪われてしまった。悲惨極まりない。


 恐ろしいほどの人命の格差を、表現する言葉もない。このことに東芝は、今も沈黙している。悪魔の企業体であることは、誰もが納得するであろう。これでも製造者責任はない、とほざけるのか。東電もしかりだ。

 

<731部隊の生体実験を連想させる東芝と下請け関連企業>

 「悪魔の飽食」で知られるようになった中国は東北・黒竜江省の省都・ハルビン郊外に、この世の地獄基地である関東軍731部隊の記念館がある。


 南京大虐殺記念館とハルビンの731部隊歴史記念館は、日本人必見の場所である。日中友好は、ここから始まる。特に、右翼の石原慎太郎・森喜朗・安倍晋三・小泉純一郎ら清和会の面々は、ここに立つ必要がある。


 抗日戦争映画に登場する日の丸と神社の鳥居を目にして猛省すれば、日本人もいっぱしの国際人になれるかもしれない。しかし、この蛮行が地球から消えることはない。単なる平和論で蓋をかけることなど出来ない、日本軍の蛮行の数々である。大角信勝さんの無念の死を知り、思いがハルビンへと飛んだ。


 731部隊の生体実験というと、チフスやペスト菌などで感染させ、その結果を確認するため、生きた人間を軍医が切り刻む。たとえ戦争でも、人間にはできない所業であろう。それが実際に行われていた。大角さんも即死するような放射能を浴びて亡くなった。東芝は、意図して大角さんを、死の現場に立たせたのであろうか。1日の作業費2万円で。2日間4万円で人生を断ち切られた。


<核爆発・プルトニウムの被曝モルモットだったのか>

 戦後の日本において、人命がこれほど軽く扱われたことはなかったと信じたい。核爆発で生き物は、近づくことが出来なかった。


 動物も近寄ることが出来ない。そこへと送り込まれた大角信勝の非業の死を日本人は記憶しておくべきだろう。

 他方で、安倍晋三は「アンダーコントロールした」「制御した」と嘘をついて、東京五輪を獲得した。2月の福島沖の大地震でも、いまだに制御されていない事実が露呈したというのに。


 地元の住人は、現地を歩いてみて「9年前と同じだ」と証言した。それを外国通信社が、福島の真実を世界に流した。それでも、そこから聖火ランナーを始めると、日本政府・IOCJOCは突っ走ると叫んでいる。命よりも電通とIOC利権優先なのだ。


 プルトニウムを大量に浴びて、即死状態を強いられた大角信勝さんが、地獄でなんと叫んでいるのだろうか。本当にコロナに打ち勝てるのだろうか。全くNOである。

 

<次男の命に向き合おうとしない東芝の正体裏付ける>

 次男の看護放棄のような医療事故に対する東芝の仕打ちが、大角さんの事例から、なるほどそうかと頷ける。

 彼は、他人に迷惑をかけたことなどなかった。新聞配達もしながら早稲田を卒業した次男は、菅義偉の長男よりはまじめな若者だった。帝京市原病院での、信じられないような誤診によって、植物人間にされたが、必死の自宅介護で、口から食事が出来るまでに回復した。これが母親と父親の自慢だった。


 医師が出来ない厳しい治療の一部を、見事に改善したのである。そんな次男を東芝病院は、入院直後に個室に入れたまま100分も放置、痰がのどに詰まって窒息死!ありえない医療事故に対しても、東芝は、10年経っても向き合おうとしない。


 当方の依頼人(弁護士)と、一度も会おうとしなかった東芝の顧問弁護士は、これまた悪魔に相当しよう。



<改めて東芝製品ボイコット運動の勧め!>

 この世には悪魔がいる。彼らが好き放題なことをして、世の中を動かしている。善人は排除されている社会なのだ。

 どうするか。声を上げるのである。何度でも。しかも、人命にかかわる悲劇的事態に対しては、相手が猛省するまで続けていく。親の叫びを、子供も継続する、孫もである。そこに時間制限はない。


 朝鮮半島の人々も同じである。中国人も、そうである。善人は、叫び続けるのである。改めて東芝製品ボイコット運動を提起したい。ペンが続く限り、東芝排除の運動を続けていく。これが人間の道である。


 非暴力抵抗運動は、いたるところで、あらゆる場面で続けていく。これが民主主義を支えていく基本方針でもある。声を上げよ!

2021年3月1日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)


(追記)今日は曇り空だ。庭の梅の花が散り始めている。最初は雪なのか、と勘違いしてしまった。そばの椿の赤い花は、数がどんどん増えてきている。春がそこまで来ている。安倍の桜は、早く散らせないと、新しい桜がかわいそうだ。大角信勝さんの無念は、わが次男の無念だと気づいた。ハルビンの731部隊で、生体実験で殺害された多くの中国人も、である。

 

帆船日本丸は可能<本澤二郎の「日本の風景」(4009)

<英国の風力発電は原発32基分、日本はたったの2%>

 鈴木善幸首相が国会で答弁したように、日本国憲法は世界に冠たる平和憲法である。これを定着する時代が到来した。安倍晋三の改憲軍拡による外交的成果は、負の遺産だけだったことも判明した。


 帆船日本丸の時代だろう。もはや夢ではない。実現する技術的な目途もついた。そのことを同じ島国のイギリスが、立派に証明して見せてくれた。イギリスの風力発電量は、既に原発の32基分であることが公表された。日本はまだ2%である。風力のほか太陽光発電もある。波力や地熱など自然エネルギーは豊富だ。超エネルギー大国を目指すことで、帆船でも自由に航海することが出来る日本になれるのである。

 武器弾薬は海中に沈めればいい。技術革新で1家に1台の太陽光を取り付けるだけでも、大気を清浄化できる。地球は改善する。危険すぎる原発の廃炉は、ドイツを見習えばいい。物まねは日本人の特性ではないか。


<英国を追い越し、54基の廃炉促進で核軍拡阻止>

 東電福島原発の廃炉は、技術的に困難視されている。核爆発を起こした東芝製3号機は不可能である。チェルノブイリ方式で蓋をするしか方法はないらしい。それ以外の原発は、ドイツを追いかけて廃炉を急がせるのである。

 廃炉は、日本右翼と財閥の野望である核兵器生産計画を100%頓挫させ

るため、国際社会の信頼度を一段と高めることが出来る。日米安保を段階的に解消して、平和友好条約に切り替える。これの国際的影響力はすごいだろう。そうすれば、米中関係の間を取り持つ日本になれる。自立した日本外交力は、著しく高まるだろう。これはアメリカン・リベラルの期待でもある。


<地球温暖化を食い止め、地球の寿命を延ばせる>

 日本の平和外交は、被爆国として核廃絶運動の主導権を握って、堂々と国際舞台で活躍することが可能である。同時に、地球破壊の温暖化阻止に、主導権を発揮することもできる。またそれを強力に推進しないと、地球そのものが崩壊、生き物が住めなくなるのだから、もう待ったなしである。


 2050年までに解決する?などとのんびりしていられない。聞けば出光興産は、ガソリンに見切りをつけたという。ガソリンスタンドは、電気自動車の充電基地に変身させるのだという。トヨタのライバルは米テスラよりも、出光のEV車になるかもしれない。

 原発も石炭火力も廃止することで、帆船日本丸は安全に航海できる。残るは、人殺しの武器弾薬を捨てるだけのことである。したがって、武器の購入はしない。この一点だけでも、安倍の犯罪は明瞭であろう。改憲軍拡は論外である。

 軍縮平和論は、地球環境にやさしい国際社会を約束する。比例して外交力の強化が不可欠になる。霞が関の一部に、武器弾薬を持たないと、外交ができないという、不埒な外交官がいるようだが、このような戦争派は、全体の奉仕者たりえない。


<やれば出来る自然エネルギーで安全航海できる日本>

 日本の技術力と資金力を、自然エネルギー革新に特化するのである。経産省の原発派に代わって、自然エネルギー派が主導する日本丸だ。手にした技術は、惜しみなく発展途上国に支援してゆく。


 日本国憲法を海外に輸出する日本でありたい。世界の国々と人々の信頼のみならず、尊敬を手にすることが出来るだろう。この道こそが、最高の安全航海を約束し、国際社会で確実に認知されるだろう。

 国連には、やくざはいない。何も持たない不戦の平和国家に殴り込みをかける野蛮な国は、21世紀の今日において存在しない。夢ではない。


<松江の平和ビジネスを全国展開=財閥包囲で武器弾薬を海中へ>

 日本の企業は、すべからく平和ビジネス、特に自然エネルギー大国を象徴する事業に集中するのである。武器弾薬は捨てるのである。


 現在、平和ビジネスで成功している会社が、松江に存在している。小松電機産業である。利益の一部を平和運動に向けて活動している。日本の企業が、小松電機のように展開・発展することで、戦前の侵略戦争を先導した財閥を包囲、平和企業へと衣替えさせるのである。

 このこともまた、憲法を定着化させる大事な点である。


<日米軍事同盟解消で149兆円軍事費大削減で世界安定>

 いまも軍国主義に呑み込まれている米国は、軍事費に149兆円を投入して、世界を震撼させている。日本との軍事同盟も一端を担っている。これを早く解消して、平和友好条約に切り替えるのである。国際社会から賛同されるだけでなく、米軍事費の大幅削減にも貢献するはずである。

 米国の大軍縮は、中国とロシアの軍縮を推進するだろう。今回は、大まかな帆船日本丸のガイドラインを提起するにとどめたい。

2021年2月28日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

311東芝製3号機作業員の被曝死<本澤二郎の「日本の風景」(4008)

<大角信勝さん(60歳)が核爆発数か月後、作業数日で非業の死>

 友人がロイター通信の記事をメール送信してくれた。まもなく311から10年が経つ。この間、何も変わっていないという現場報告である。日本の新聞テレビが報道しないため、ロイターが頑張ってくれている。感謝したい。


 その関連で、ネットで初めて、驚くべき事実を知って、本当に腰を抜かしてしまった。大角勝信さん(当時60歳)のことだ。彼は、311の2か月後に福島に飛び込んだ。原発事故処理作業員として、東芝の下請けの仕事に「人稼ぎできる」と喜んで出かけた。彼は、妻の故郷に戻り、耕運機を手に入れて、水田を耕し、コメを生産するというささやかな夢を実現するためだった。


 なんと彼の小さな夢は、福島に出かけて、数日後に奪われてしまった。亡くなったのだ。こんな人生があっていいのだろうか。東芝は呪われている!改めてそう思う。


 原発作業は、これまでも数回経験している大角さんだったが、誰も東芝3号機が核爆発を起こし、周囲にプルトニウムが沢山飛散していることを知らなかった。東芝は知っていても教えなかったのだ。今も、である


<タイ人妻(53歳)に対して「50万円やるから帰れ」の仕打ち>

 夢の実現に胸を膨らませていた妻は、数日後に東芝関係者が用意したであろう車に乗せられて、地元の警察署に安置されていた亡き夫と対面した。

 彼女にとって、それまでの日本はましな国だった。大角さんと小金を作り、帰国すればコメ作りが出来る。ささやかな幸せが、確実に約束されるはずだった。


 ところが、東電福島の3号機の核爆発について、今も10年迎えても政府も東電も水素爆発と嘘をついている。東芝は沈黙したままだ。安倍晋三は「アンダーコントロールされている」と国際社会に大嘘をついたままだ。そのことさえも、新聞テレビは報道できない、言論の自由のない日本である。


 こんなひどい民主主義の国があろうか。あってはならない。しかし、これが現実の日本なのである。誰も否定できない日本の真実なのだ。


 善良な日本人に呼びかけたい。大角さんに両手を合わせてもらいたい。どんな立派な行為や言動も、大角さんの前では、紙ッぺら同然なのだということを。


 東芝の対応がまたすごいのイチゴに尽きる。妻に対して「50万円やるからタイに帰れ」だった。これは人間のやることではない。鬼か悪魔である。東芝は鬼なのだ。「鬼滅の刃」が本当であれば、鬼退治の標的は東芝でなければなるまい。


 いま63歳になっている大角未亡人は、どうしているだろうか。東芝が逃げるのであれば、車屋の古巣の三井財閥がなんとか救済の手を差し伸べるべきだろう。無茶な要求だろうか。


<人間として扱わない東芝病院で命を奪われた息子を想起>

 まもなく桜咲く4月になると、東芝病院で看護抜きで窒息死させられ、それでも反省謝罪なしの次男・正文のことを思い出して、胸に錐(きり)を突き刺されるように痛い。同情不要だが、だれも理解もできない。311の1年前の4月7日のことだった。


 東芝には法律も、法の下の平等も存在しない、日本最大の悪徳企業であると断罪したい。経営陣だけではあるまい。守銭奴の株主もそうだろう。一人ぐらいまともな株主がいても不思議ではないが、誰も声を上げない。


 わが妻も哀れ、次男の後追いをして、これまた無念の生涯を終えた。人生無情であるが、せめて正義が存在しても罰が当たらないはずだが、どうだろうか。


 二人の死が、我がペンを鋭くさせてくれている。


<ペンの盟友・長沼節夫さんの白血病死とも関係が?>

 2019年に我がペンの盟友・長沼節夫さんが、虎の門病院で白血病で倒れてしまった。金大中救済に健筆をふるったジャーナリストである。


 亡くなる前に、福島取材について、問いただしてみた。正義の塊のようなジャーナリストは、やはり福島に行っていた。おそらく、被曝が原因であろう。核爆発の地に行こうとしない安倍と菅義偉、そして永田町・霞が関・大手町の悪党の面々が思い浮かんでくる。


 被爆地の双葉町は、誰一人戻っていない。戻れるわけがない。浪江町には1579人が戻った。それでも、全体の11・4%と少ない。覚悟の帰還者なのか。痛々しいかぎりである。福島の人たちは、東芝3号機の核爆発を目撃しているはずである。


 311の際、時の官房長官の枝野は、家族をシンガポールに避難させたとして

非難されて、今も人気が上がらない。当時の要人は、みな責任をとって、政界を引退すべきだったのだが、すべて残って高給を食んで恥じない。せめて被爆者第一号の大角さん夫妻に対して、謝罪すべきであろう。わからなければ、浪江町に遷都すればいい。永田町・霞が関・大手町を引っ越しすれば、数百年以上もかかる東北復興のことを理解できるだろう。是非とも、この提案を飲んでもらいたい。


 直近の2月13日の福島沖大地震の被害もまた、隠ぺいする東電と政府・経産省そして東芝である。東芝3号機の地震計故障を放置したほど、現場は弛緩しているのである。これ一つでも恐ろしい事態なのだ。東電・東芝に責任はあるのかどうか。


<除染費用4兆円はやくざとゼネコンの掴み金=銀座で飲み食い>

 除染費用4兆円、廃炉・汚染水処理8兆円、賠償約8兆円である。既に支出された金額であろう。


 繰り返すが、大角さんの未亡人50万円は、明々白々不当違法である。明白な犯罪である。善良な政治家なら、このことを追及、問題提起すべきだろう。


 筆者の耳にも、この日本国民が負担してる血税の多くが、悪徳ゼネコンと連携するやくざの懐に吸い込まれていると、何度も届いてきている。

 「血税が銀座の高級クラブに流れている」というのだ。お笑い草で済ませようか。自立した国家では、到底想定さえ出来ないだろう。

 最近、菅内閣は例によって、出鱈目な机上の復興基本方針の概要をまとめたというのだが、廃炉不可能下、どうしようというのか。ここから聖火ランナー?「サメの脳みそと頭空っぽの橋本らしい発想だ」と清和会OBは突き放している。島根県知事が、このことにお灸をすえた。


<ロイター通信が東電原発爆破炎上地区の真実を報道>

 ロイター通信というと、東京五輪は安倍の嘘とIOC買収で獲得したものであることを知り、これを追及するフランス検察の動向を注意深く報道している。


 パリ革命の地・フランス検察は、不正を容赦しない。電通五輪の腐敗に的を絞って捜査を続けている。それを、ロイターが追いかけている。「安倍、森や石原もあぶりだされる」との声も。


 そのロイターが、この9年人気のいない、崩壊している原発避難地区を撮影している。「9年前と全く同じだ」と元住民の声も伝えている。是非とも見てもらいたい。


<東芝製品の不買運動を世界に提起したい!>

 社会的責任を果たせない企業は、生き残ることは出来ない。鬼のような東芝は、消費者にとっても危険極まりないだろう。

 2010年から我が家は、東芝製品の購入を止めた。購入した家電製品も壊れ、買い替えた。現在は、他のメーカーに替えて、今自宅に東芝製品はゼロ。


 韓国や中国の市民にも、東芝不買を強く呼びかけてゆきたい。社会的責任を果たさない東芝はいらない。不買運動が市民の責務である。被害者は大角さんだけではない。ほかにもいっぱいいるはずである。東芝が消えても、世界の消費者が困ることはない!

2021年2月28日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

3号機は水素爆発ではなく 実!>は 臨界爆発で 圧力 格納 容器は 無い政府は 米軍の撮影した 3号機真上からの写真を 公開できない

プルトニウムの測定どころか 東電発の 圧力 温度 炉内水位 全データが ウソ 常習犯(掲示板「阿修羅」に掲載中)本澤先生、おはようございます。

YouTubeをツィーターから貼り付けました。八千代、青柳

https://twitter.com/akasakaromantei/status/1365207012586315776?s=09 


(追記)中国ではコロナ封じ込めにほぼ成功している。昨日北京の義母・玄愛華さんが、春節の始めと終わりに、わざわざ高額の国際電話をかけてきた。ことし97歳になるが、寝台から元気そうな顔を見せてくれた。中国・東北で生まれ育った彼女は、幼くして侵略軍の関東軍と抗日義勇軍の戦闘に巻き込まれた。父親を亡くし、母親の手一つで、それも放浪生活を余儀なくされた中で。危険と隣り合わせ、生きるか死ぬかの戦場で生き抜いた。

 長じて抗日戦争に飛び込んだ。看護兵兼通訳である。朝鮮戦争では、母と夫と幼子二人家族総出で、死ぬかもしれない志願軍に身をささげた。生きるも死ぬも家族一緒という、こんなすごい経験は、中国人でもたった一人に違いない。そこで、投降していた関東軍の軍医と看護兵と一緒に肩を並べて、軍務を全うした。この戦争で、毛沢東は長男を亡くし、悲嘆にくれた。

 関東軍看護兵から、彼女は東北ハルビンで、ソ連兵から逃亡するため、幼子の首を絞め殺したこの世の地獄を聞かされた。ともに女同士泣き崩れた。このころ、日本の歌も覚えた。昨日は、滝廉太郎の「荒城の月」を歌ってくれたのだ。これまた驚くべきことである。「春高楼の花の宴」と日本語で、97歳になる中国人の日本への思いに、胸にぐっと来た。彼女こそが、疑いもなく、本物の偉大な平和の使徒なのであろう。97歳になる老婦人が「荒城の月」を歌って慰労したのだ。我が誕生日向けである。彼女は中国に埋もれている、素晴らしい偉大な人間に違いない。中国の強さだ。そういえば拙著「中国の大警告」翻訳本に感動した一人で、ほかには胡錦涛と肖向前だ。この本で、筆者は中国の本当の友人になることが出来た。我が家の庭は、いま梅花爛漫である。

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